「奇跡の広場」とイタリア人が言い伝える「ピサのドゥオモ広場」の歴史

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日は「ピサのドゥオモ広場の歴史」をご紹介します。

ピサのドゥオモ広場ってこんなところ

ピサのドゥオモ広場ってこんなところ

Piazza del Duomoの住所・アクセスや営業時間など

名称 Piazza del Duomo
住所 P.za del Duomo, 56126 Pisa PI, イタリア
営業時間・開場時間 12月25日-1月7日:9:00-18:00,11月-2月:10:00-13:00 / 14:00-7:00,3月-3月13日:10:00-18:00,3月14日-3月20日:10:00-19:00,3月21日-9月30日:10:00-20:00,10月:10:00-19:00
利用料金や入場料 2ユーロ
参考サイト http://www.opapisa.it/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

海運都市として栄えたピサとは?

海運都市として栄えたピサとは?
5大都市の一つ「花の都」フィレンツェから電車で約1時間に位置する港湾都市ピサは、毎年6月16日に行われる7万個のキャンドルがアルノ川の両岸の建物をライトアップする「ルミナーラ」という幻想的なイベントが行われることでも知られています。
旧市街地の北にあるドゥオモ広場は、緑の芝生と白い大理石の建物群が織りなす景観の美しさから「奇跡の広場」と称され、古くからイタリアの人々に 親しまれてきました。
いつ倒れるかといわれ続けるピサの斜塔やロマネスク様式の大聖堂をはじめ、さまざまな歴史建造物が建っています。
この広場全体が、 1987年に世界遺産に登録されました。
特にピサ繁栄を象徴する、大聖堂、鐘楼、洗礼堂は必見です。

海洋国家の栄華を誇るピサ

海洋国家の栄華を誇るピサ
アルノ川とセルキオ川が合流してティレニア海に注ぐ地点に開けたピサは、かつて強固な海運国家として成長しました。
ヴェネツイア共和国、アマルフィ共和国、ジェノヴァ共和国と並ぶ歴史的なイタリアの海洋国家の一つとされています。
ピサはB.C.2世紀からアルノ川と地中海を結ぶ交通の要塞として栄えています。
その理由の一つとして、9世紀からサラセン人海賊の出現が軍事力を高めた といわれています。
10世紀には海軍都市としての基盤ができ、共和制が敷かれました。
ここから3世紀に渡るピサの繁栄がはじまります。
海運都市国家となっ たピサは、東方貿易で巨額の富を築いたのです。
その富で造られたのが、ドゥオモ広場の観光名所大聖堂、鐘楼(斜塔)、洗礼堂、納骨堂の4大建築群です。

ピサ繁栄のシンボル大聖堂

ピサ繁栄のシンボル大聖堂
ドゥオモ広場の中心にある大聖堂は1063年より建設がはじまっています。
この巨大な大聖堂は、パレルモ沖海戦の勝利の記念として着工され、海洋都市国家としての権力を示すという意味もあったようです。
ピサの観光といえばこの広場を中心に集まっています。
それは当時、イタリア周辺では大聖堂を中心に町が造られていたからなんです。

建築家のブスケートの指導の下で建てられたピサ様式(ビザンチン、ロマネスク、イスラムなど異なる文化の融合様式)のロマネスク建築の代表例。
古代の壮麗なバシリカを再現しようとしたといわれています。
ファサードは、12世紀にライナルドによって改修工事されました。
白く壮大な大聖堂は、当時、繁栄したピサの勢力の凄さを目の当たりにするような威風堂々たる姿が感動的です。
また、随所に見られる東方文化の様式は、さすが海港都市として栄えたピサだけあると納得させられます。

ピサのアイドルの誕生とピサ繁栄のかげり

ピサのアイドルの誕生とピサ繁栄のかげり
1173年には800年以上傾き続ける斜塔(鐘楼)の建設がはじまります。
建築家ボナンノ・ピサーノの手によるもの。
1185年に3階層を造った時には地盤沈下がはじまっており傾き始めています。
ここでいったん工事は中断しました。
1275年に工事が再開されるとさらに傾き、修正をしながら建てたようすが南から塔を見ると修正の状態が分かるようです。
傾き続けみんなの注目を浴びる続ける斜塔の完成は14世紀後半でした。
この塔を見ていると頑張って建っててね!と応援したくなりますね。
1284年、ジェノヴァにメローリアの海戦で敗れるとその繁栄にかげりが見え始めます。
その後は港を狙うフィレンツェとルッカの連合軍につきまとわれ、ピサはどんどん衰退していきます。
国内紛争により二分化したピサは力を失い、1406年フィレンツェに占領されました。

現在のピサのドゥオモ広場の様子

現在のピサのドゥオモ広場の様子
その間もピサドゥオモ広場の建設は続いています。
12世紀半ばから14世紀にかけて、ゴシックとロマネスクを組み合わせた美しい宝石箱のようなドーム型の洗礼堂が建設されています。
何といっても見どころは、ニコラ・ピサーノによる説教壇とドーム型ならではの音響効果です。

また、13世紀の後半に着工し14世紀末に完成したカンポサントは、第二次世界大戦で破壊され復元されています。
白い大理石の回廊に囲まれた中庭を持ち、600のギリシア・ローマ時代の墓石も見ものです。
戦争の破壊から逃れた、14世紀のフレスコ画、「死の凱旋」も見逃せません。

斜塔の最上階から望むドゥオモ広場やピサの街並み、アルノ川の眺めは美しく癒されます。
2000年に改修工事が終わり、倒れる心配がなくなりました。
ピサの斜塔に昇って、ピサの美しい景色をぜひ見に訪れてください。

壮大な歴史を感じて旅をしよう

いかがでしたか。
ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなります。
「ピサのドゥオモ広場」への渡航をぜひご検討ください。
photo by iStock