日本の旅行代理店が提案しているツアーを見ると、南米ツアーでも10日間ほどで多くの観光名所を周遊するものが見られます。しかし南米旅行では、旅程のうち移動時間の締める割合が体感的に多いように思います。南米在住者の筆者がお届けします。
移動がとーっても大変な南米大陸

日本にいると、南米に住んでいたら「南米のあちらこちらに旅行に行ける」というイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
日本で人気のボリビアの「ウユニ塩湖」をはじめとして、ペルーのマチュピチュ遺跡、イースター島のモアイ像などは多くの日本の方にも知られているかと思います。
南米旅行は、その国土の広さゆえに、移動がとーっても大変であるという事実が、あまり知られていないように思います。
ボリビアのウユニ塩湖へは移動だけで、往復4日!?

例えば、ボリビアのウユニ塩湖についてですが、同じ南米大陸にあるブラジルから行くとしても、現地に到着するまでに2日はかかります。
具体的にはサンパウロからボリビアの首都ラパスに入り、その後、ウユニへと飛行機で移動するルートが最短です。
具体的にはサンパウロからボリビアの首都ラパスに入り、その後、ウユニへと飛行機で移動するルートが最短です。
飛行時間の合計は4時間程ですが、乗り換えを2回し、それぞれの乗り換え時間がとても長い為、結局2日間はかかることになります。
ですが、これは良い方で、かつではウユニ塩湖までは長距離バスで行くしか方法がありませんでした。
一体何時間かかるのか、お天気が良くても、最後に首都ラパスからウユニへは10時間もかかったそうです。
それを思えば、数年前にウユニに空港が出来てから格段と早く行けるようになったといえますね。
有名なマチュピチュ遺跡への道のりも…

ペルーのマチュピチュ遺跡、その写真を目にした事がある人も多いかと思います。
こちらの遺跡はとても高地にあり、先ほどご紹介のウユニ塩湖と同様に、高山病対策も必要になります。
こちらの遺跡はとても高地にあり、先ほどご紹介のウユニ塩湖と同様に、高山病対策も必要になります。
人間は突然の高地には身体が対応できず、徐々に高地に体を慣らして行く必要があります。
飛行機や電車での移動自体が早くできるとしても、体の適応のために、途中で休まねばならない旅程もたくさんあるのです。
物価は安い南米ですが、移動費はとても高額

アルゼンチンのブエノスアイレスやブラジルのリオデジャネイロのように現地の空港につき、観光地である都市部まで車で30分から1時間という場合もありますが、南米の多くの観光地の特徴は、最寄りの空港からさらに車で数時間の移動をしなければなりません。
物価の安い南米ですが、移動にかかるお金がとてもかかります。
そのようなわけで、南米旅行は多くの人にとって敷居の高いものとなっているのかもしれませんね。
ブラジルは国内旅行も大変

国をまたがず国内での移動においても、この「移動が大変」「交通費が高額になる」という特徴は同じ。
日本のおよそ23倍の広さを持つブラジルでは国内旅行をするにしても、とても広く飛行機移動はもちろんのこと、さらに、異動先の場所でもバスや車で長距離移動することになります。
日本のおよそ23倍の広さを持つブラジルでは国内旅行をするにしても、とても広く飛行機移動はもちろんのこと、さらに、異動先の場所でもバスや車で長距離移動することになります。
さらに、ブラジルを含む南米大陸は気候が場所により大きく異なるため、それぞれの観光地におけるベストシーズンがとても限られています。
移動の大変さもさながら、訪問時期も考えねばならない南米、いろいろとハードルの高い観光地ですね。
それでも多くの人が訪れる南米大陸
南米大陸は溢れる自然の多さゆえに移動が大変ということをお伝えしましたが、それでも、多くの人々が訪れます。
その理由は、多くの自然美にあるのではないでしょうか。
緑溢れる大自然の生み出す様々な現象や地形は一度は訪れたい場所だと多くの人々が思うからこそ、訪れる観光客があとをたたないのでしょう。
その理由は、多くの自然美にあるのではないでしょうか。
緑溢れる大自然の生み出す様々な現象や地形は一度は訪れたい場所だと多くの人々が思うからこそ、訪れる観光客があとをたたないのでしょう。
photo by iStock