建設に6世紀かかった大聖堂。「ケルンを見ずに、ドイツを語るなかれ」

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日はドイツにある「ケルン大聖堂」をご紹介します。

ケルン大聖堂ってこんなところ

ケルン大聖堂ってこんなところ

ケルン大聖堂の住所・アクセスや営業時間など

名称 ケルン大聖堂
住所 50667 Koln  Domkloster 3 Dompfarramt
営業時間・開場時間 現地時間 11月~4月 6.00-19.30   5月ー10月 6.00-21.00
利用料金や入場料 無料
参考サイト http://www.koelner-dom.de/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

ケルンってどんな町?

ケルンってどんな町?
ケルン(Colongue:英語, Köln:ドイツ語)という名前はラテン語で「植民地」のColoniagaからきています。
なぜなら、元々この地はローマ人に支配されていたからです。
その後、カール大帝によって大司教区になり、政治的権力も与えられるようになりました。
それ以来、ケルンはエルサレム、ビザンツ、ローマに並ぶキリスト教の聖地となり、「聖なるケルン」と呼ばれるようになりました。
そのため、現在でもローマ時代の遺跡が現代的な建物と共存しています。
ちなみに、ケルン発祥のオー・デ・コロンはフランス語で「ケルンの水」という意味です。
緑と金色のラベルが印象的な”4711″や、ナポレオンを魅了した赤いチューリップのマークの”ファリーナ・ハウス”の香水が有名です。

完成まで632年、ケルン大聖堂の歴史

完成まで632年、ケルン大聖堂の歴史
ケルンに最初に教会が置かれたのは4世紀のこと。
それから1164年に神聖ローマ帝国皇帝がミラノから東方三博士の聖遺物を持ち帰ったことで巡礼者が増え、ヨーロッパ屈指の巡礼地となりました。

1248年に火災に遭い最初の大聖堂が消失してしまったため、同じ年に現在の大聖堂が着工されました。
聖遺物を奉納するための「特別な建造物」を建設するため、建築様式には当時フランスから伝来したゴシック様式が取り入れられました。

しかし、あまりにも大聖堂の規模が大きいため、300年経った16世紀半ばでも完成しませんでした。
またこの時代にはカトリックとプロテスタントが対立する宗教改革が起こり、ドイツ国内は紛争により疲弊し、大聖堂の建設もそれから約200年間もの間中断されてしまいました。

それから1842年に建設が再開され、建設開始から何と632年を経た1880年にこのケルン大聖堂は完成しました。
1996年には、世界でも数少ないゴシック様式に統一された素晴らしい建造物として、ユネスコ世界文化遺産に認定されました。

大聖堂で一番のお宝、東方の三博士の聖遺物

大聖堂で一番のお宝、東方の三博士の聖遺物
大聖堂の最も高価なお宝といえば、この黄金の棺に納められた聖遺物です。
聖遺物とは、東方の三博士の”頭蓋骨”のことで、聖箱の中に王冠をかぶった三人の賢者の頭蓋骨が納められています。
また、この黄金の棺は1000の宝石と真珠、そして300以上の準宝石とカメオで飾られており、現存する中世金細工の最高峰だと言われています。
まさにお宝!

現在はガラスの箱に納められ、あまり近くから見ることはできませんが、遠くからでも黄金や宝石の輝きと、人の目に届かないところまで精密に施されたレリーフは目を引き込まれます。

また新約聖書には、キリストには黄金、乳香、没薬が「3つの贈り物」として3人の博士から献上されたと書かれています。

大聖堂を外と内から見てみよう

大聖堂を外と内から見てみよう
ケルン大聖堂の一番の特徴は、高さ157mの二本の塔でしょう。
その当時、神の国は「天」であると考えられていました。
また、キリスト教にとって光は神そのものであると考えられ、より光を取り入れるためにステンドグラスがつくられました。
そしてケルン大聖堂は石でつくられているため、重い天井を支えるためには巨大な壁が必要でした。
そのため、大聖堂はより高く、より光を集めるべきだと考えられ、高い壁にステンドグラスがはめ込まれた、このような壮大なゴシック様式の大聖堂が完成したのです。
また、内側から大聖堂を眺めてみると、天井の尖塔アーチが印象的です。
また、天井に施された「×」状の骨組みのようなものは、リブ・ウォールドといわれ、この構造が石の重さと大聖堂の高さを支えています。
柱を良く見てみると、1本の柱にたくさんの継ぎ目がはいっています。
現在のような技術が無いなかで、こんなに壮大な大聖堂が人の手でつくられたのかと想いを馳せると、気が遠くなりますね・・・

「ケルンを見ずに、ドイツを語るなかれ」

「ケルンを見ずに、ドイツを語るなかれ」
実は、ケルン大聖堂は2004年にユネスコの危機遺産に認定されたことがあるのです。
なぜかというと、ライン川の大聖堂から対岸側に高層ビルの建設が計画されたためです。
最終的に、ケルン市はビル計画を変更し、緩衝地帯を設けることで決着がつきました。
そして、無事に2006年には危機遺産リストから削除されました。

「ケルンを見ずに、ドイツを語るなかれ」

この言葉の通り、632年もかけてつくられたケルン大聖堂はドイツのシンボルであり、ドイツ人の誇りなのですね。

壮大な歴史を感じて旅をしよう

いかがでしたか。
ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなります。
「ケルン大聖堂」への渡航をぜひご検討ください。
photo by iStock