女性限定の修道院がベルギーにあった!フランドル地方のベギン会修道院

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日は「フランドル地方のベギン会修道院」をご紹介します。

フランドル地方のベギン会修道院ってこんなところ

ベギン会修道院の住所・アクセスや営業時間など

名称 ベギン会修道院
住所 Wijngaardstraat, Bruges, Belgium
営業時間・開場時間 月曜から土曜10:00-17:00 日曜14:30-17:00
利用料金や入場料 2ユーロ
参考サイト https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E5%9C%B0%E6%96%B9%E3%81%AE%E3%83%99%E3%82%AE%E3%83%B3%E4%BC%9A%E4%BF%AE%E9%81%93%E9%99%A2%E7%BE%A4
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

女性だけの修道会・ベギン会

ベギン会とは、12世紀にベルギー北部やオランダ南部を中心としたフランドル地方にできた女性のみの修道会です。

当時、結婚か修道院に入るかしか人生の選択肢がなかった女性の自立支援のために、女性によって作られました。
ここに属する女性たちは、昼間は家事労働や家庭教師など労働に従事して収入を得て、夜は修道院に戻り祈りを捧げ、質素な生活をしていました。
また、この時代は十字軍がエルサレム奪回に何度も出征しており、男性がいなくなってしまうため、女性は自分の力で生活する必要があったそうです。

結婚し退会することも可能で、女性が自分の人生を自分で決められるという当時としては非常に画期的な組織でした。

ブルージュのベギン会修道院

ベルギー北西部、海に近い古都ブルージュにあるベギン会修道院は、世界遺産に登録された13のベギン会修道院の中でも最も有名なものです。
1245年、フランドル伯爵夫人により創設されたこの修道院は、今はベネディクト会女子修道院となっておりベギン会の女性はいません。
しかし、当時の生活を伝える博物館があり見学も可能です。
木立の向こうに見える白壁の建物は、華美ではありませんが、どこか凛とした高潔な美しさを漂わせています。
ここに暮らした女性たちの精神がそのまま表れているかのようで、違う時間の流れさえ感じさせます。
春になると中庭には黄色いスイセンが咲き乱れ、修道院で最も美しい時期を迎えます。

ルーヴェンのベギン会大修道院

ベルギー北部のちょうど中央部にある都市ルーヴェンには、ベギン会大修道院があります。

造られたのは13世紀初頭で、17世紀には360人の女性が住んでいました。
修道院と言っても家や広場があり、中には川が流れ、まるで1つの街のようです。
建物は赤褐色のレンガ造りで道はすべて石畳となっており、中世の雰囲気を残しています。

ルーヴェンは賑やかな学生の街なのですが、ここはまるでタイムスリップしたかのように静かです。
こうした静かな環境で、ベギン会の女性たちは質素な生活を営んでいたのですね。
この修道院に住んでいた最後のベギン会の女性は1988年に亡くなり、現在はルーヴェンカトリック大学関係者が居住しています。

ジャンヌ・ド・コンスタンティノープルという女性

ベギン会を創設したフランドル伯爵夫人が、ジャンヌ・ド・コンスタンティノープルです。
伯爵夫人とは言いますが彼女はれっきとした統治者で、フランドル女伯と呼ばれていました。
経済政策に力を入れてフランドルの発展に貢献し、そしてベギン会修道院などの創設によって女性の役割を変化させたのです。

彼女の人生は波乱の連続でした。
結婚したばかりの夫を捕虜に取られ、夫の不在の間に別の男性と恋に落ちます。
しかし夫が解放されると、その男性をあきらめなくてはなりませんでした。
けれど、そんな状況の中でも周辺諸国と対等に渡り合い、フランドル女伯として地位を確立した彼女の姿は、ベギン会の女性の強さの原点なのかもしれません。

オードリー・ヘップバーンの「尼僧物語」の舞台

オードリー・ヘップバーンが主演した1959年の映画「尼僧物語」は、ブルージュのベギン会修道院がロケ地となりました。

物語の舞台は第二次世界大戦直前のベルギーで、オードリーはシスター・ルークという女性を演じています。
ベギン会の女性という役ではありませんが、物語の終盤、彼女は自分のやりたいことを実現するため、自分の意思で還俗し修道院を去ります。
その姿は、自分の力で人生を生きたベギン会の女性に通じるものがあるような気がするのです。
そして、彼女の美しさはベギン会修道院の静謐な光景によく似あいます。

彼女はイギリス人ではありますが出身はベルギーのブリュッセルです。
何か縁があったのかもしれませんね。

壮大な歴史を感じて旅をしよう

いかがでしたか。
ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなります。
「フランドル地方のベギン会修道院」への渡航をぜひご検討ください。
photo by iStock