完成まで14年、100億円かかったシドニー「オペラハウス」

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日は「シドニー・オペラハウス」をご紹介します。

シドニー・オペラハウスってこんなところ

Sydney Opera Houseの住所・アクセスや営業時間など

名称 Sydney Opera House
住所 Bennelong Point, Sydney NSW 2000
営業時間・開場時間 現地時間9:00-20:30
利用料金や入場料 ロビーへの入場料は無料
参考サイト http://www.sydneyoperahouse.com/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

シドニーのランドマークとして

シドニーの中心部シティーから徒歩圏内、シドニー湾に突き出した岬ベネロング・ポイントにあるのが、シドニー・オペラハウスです。
1973年完成の建物で、世界遺産に登録されているものとしては最も新しい建造物になります。
その独特な外観がいちばんの特徴で、白い貝殻かはたまた張り出したヨットの帆のようにも見える姿は芸術性の高さを評価されており、ランドマークとしての威厳をたたえています。
シドニーを訪れてここに行かない人はまずいないでしょう。

オペラハウス内には5つの劇場があり、年間1600以上のイベントが行われています。
コンサートホールにあるグランドオルガンは世界最大の機械式パイプオルガンとして有名です。

輝く白いタイル屋根の秘密

オペラハウスの白い屋根は、オーストラリアの青い空を背景にするととてもよく映えます。
高さ183mの屋根は、離れたところからもすぐにわかりますし、訪れてみるのには迷いようがないと思います。
実は、この屋根は白一色ではありません。
スウェーデン製のタイルを約106万枚使用し、白と薄いクリーム色の2色で構成されているのです。
2種類のタイルを組み合わせることで、屋根の見え方は天候などの要素によって少しずつ異なってくるそうです。
となると、何度も訪れてみたくなりますね。

また、このタイルには汚れにくい特殊加工がされており、掃除の回数も少なくてすむそうです。
40年間で2回しか掃除をしていないそうですよ。

建設までの苦難の道のり

オペラハウスが完成するまでは何と14年もかかりました。
なぜこんなに時間がかかってしまったのでしょう?シドニーにもオペラハウスをという声が上がり、建設プロジェクトが始動しました。

そして1959年、当時無名だったデンマーク人建築家ヨーン・ウッツォンの作品が、233名の応募作品の中からオペラハウスのデザインに選ばれました。
しかし、その独創的で複雑なデザインは着工時から周囲の批判を浴び、こんなものが造れるわけがないと世界中から嘲笑されたそうです。

事実、建設は難航し建設費もかさみました。
加えて工期はどんどん遅れ、ついにウッツォンは辞任に追い込まれてしまったのです。
事実上、建設工事の頓挫でした。

ウッツォンが去ってから~完成まで

ウッツォンは辞任しシドニーを去りましたが、それでも計画は進めなければなりません。
そこで、デザインを少し変更して工事はようやく再開されました。
そして何とか完成にこぎつけたのは、1973年のことでした。
当初の予定よりも10年遅れの工期で、工費は1億200万ドルと予定よりも14倍以上もかかってしまったのです。
それについては政府が宝くじを発行し、その収益を充てて補いました。
さて、シドニーを去り故郷デンマークへ戻った失意のウッツォンは、生涯二度とオーストラリアの地を踏むことはありませんでした。
しかし2003年にはオーストラリア勲章を授与され、建築家の最高栄誉であるプリツカー賞も受賞しています。

市民が世界に誇る建築物に

市民が世界に誇る建築物に
オペラハウスがさらに脚光を浴びたのは、2000年のシドニー五輪の時です。
聖火リレーの舞台となり、トライアスロンのゴール地点にもなりました。
五輪をきっかけに始まったシドニーマラソンのゴール地点にもなっており、スポーツとの関連も深いのです。

夏の風景に最も映える白い建物ですが、冬のオペラハウスでも素敵なイベントがあります。
「ビビッド・シドニー」というもので、シドニー中の建物がライトアップされる中、オペラハウスの屋根も幻想的に彩られます。

完成まで紆余曲折はありましたが、今やシドニーのアイコンとなったオペラハウス。
やはりウッツォンのデザインが素晴らしかったからこその現在があるのでしょう。

壮大な歴史を感じて旅をしよう

いかがでしたか。
ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなりますね。
日本からほぼ真南に位置するオーストラリア・シドニーへの渡航をぜひご検討ください。
photo by iStock