イギリスの大航海時代を支えた「河港都市グリニッジ」の歴史

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日は「河港都市グリニッジ」をご紹介します。

河港都市グリニッジってこんなところ

河港都市グリニッジってこんなところ

Greenwichの住所・アクセスや営業時間など

名称 Greenwich
住所 Greenwich, London, England
営業時間・開場時間 24時間
利用料金や入場料 無料
参考サイト http://www.visitgreenwich.org.uk/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

グリニッジってどんな都市?

グリニッジはロンドン東部、テムズ川の南岸にある河港都市です。
ロンドンの中心部からテムズ川の水上バスで簡単に行くことができ、河岸の風景を楽しめるアクセスなのでおすすめですよ。

 

この街の名は聞いたことがある方も多いかと思います。
世界の標準時であるグリニッジ標準時はこの都市の名前から取られており、経度0度の子午線が通っていることでも知られています。

16世紀前半にヘンリー8世によって造船所が建てられて港が整備され、王立天文台や海軍大学など多くの海事に関する建物が建設されました。
そしてグリニッジはイギリスの発展と共に成長し、19世紀末までは海洋王国イギリスの都市として栄華をきわめたのです。

グリニッジでまず見たいもの:旧王立天文台

グリニッジでまず見たいもの:旧王立天文台
1675年に建てられた王立天文台は、当時ヨーロッパ諸国との制海権を巡り争っていたイギリスが、航海術の向上を目的として造りました。
この場所には経度0度の子午線が引かれており、これをまたいで写真を撮るのが観光客に人気です。
時には行列ができることもあるそうですよ。
さて、航海術の向上のためには正確な緯度と経度を知る必要もありました。
そこで時計職人ジョン・ハリソンが誤差がほとんど生じない時計「クロノメーター」を製作し、航海術は飛躍的に前進したのです。
ちなみに、この時の天文台長はハレー彗星を発見したエドモンド・ハレーでした。
現在は天文台としての働きを終え、旧王立天文台と呼ばれています。

クリッパー・カティサークと魔女

クリッパー・カティサークと魔女
旧王立天文台と同じくらいグリニッジで人気があるスポットが、川沿いのドックにある船カティサークです。
クリッパーと呼ばれる大型の高速帆船で、19世紀に造られ中国・イギリス間で紅茶を運びました。
そのため「ティークリッパー」とも呼ばれます。
カティサークは現存するティークリッパーとして唯一の貴重な船なのです。

当時、一番茶を少しでも早く本国へ届けようと船同士が競い合ったほどでしたが、やがて蒸気船が登場しクリッパーの出番は減っていきました。

カティサークとはスコットランド語で「短いシュミーズ」という意味です。
これは詩人バーンズの詩に出てくる魔女に由来しており、船首には魔女を模した女性像が見られます。

旧王立海軍大学の荘厳な建築

映画「007 スカイフォール」のロケ地になった旧王立海軍大学は、元は海軍病院でした。
丸天井が印象的な建物は、セント・ポール大聖堂を再建したことで知られる建築家クリストファー・レンの設計です。
セント・ポール大聖堂と言えば、チャールズ皇太子と故ダイアナ元妃が結婚式を挙げた場所です。

現在公開されているのは、ダイニングルームだったペインテッドホールと礼拝堂です。
ペインテッドホールの一面に描かれた絵画は圧巻です。
実はだまし絵になっていて、彫刻のように見えるものもすべて絵だということに驚かされますよ。

ちなみに、建物が左右に分かれているのは、クイーンズ・ハウスからの眺めを邪魔しないようにするためです。

クイーンズ・ハウスと幽霊

1638年、ジェームズ1世が妻クイーン・アン・オブ・デンマークのために建てたのがクイーンズ・ハウスです。
内部の螺旋階段は「チューリップの階段」と呼ばれ、チューリップの透かし模様が美しく連なっています。
左右対称で調和を重んじたルネサンス建築は、イギリス初の物でした。
ところで、クイーンズ・ハウスには幽霊が出ると昔から言われています。
1966年にはチューリップの階段付近で目撃されました。
以前、女性がここから転落死したという話も伝わっており、そのためではないかと騒がれています。
他にも、階段を歩く足音が聞こえるとか…もしかしたら、眠りにつくことのできない霊たちがまだここに住んでいるのかもしれません。

壮大な歴史を感じて旅をしよう

いかがでしたか。
ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなります。
「河港都市グリニッジ」への渡航をぜひご検討ください。
photo by iStock