芸能人シェフがイギリスの学校給食を変える!TV番組「Feed Me Better」の取り組み

2005年、あるイギリス人シェフが「Feed Me Better」(もっといい食べ物を食べさせて)というテレビ番組を通してイギリスで学校給食の改善運動に取り組みました。そのシェフの名はジェイミーオリバー。チキンナゲットやフライドポテトなどのファーストフードが主流となった子供たちの食生活を変えようと、自分の立場を利用してテレビ、マスコミを巻き込み、イギリスの食改革をはかったのです。

びっくり仰天イギリスの学校給食

びっくり仰天イギリスの学校給食
ジェイミーはまず現状の調査に乗り込みます。
イギリスの学校給食は持参でも食堂で購入してもいいのですが、メニューはチキンナゲットやフライドポテトなどのファーストフードがほとんどで、バーガーも冷凍物。
調理師は、袋から出して、温めるだけの作業です。
お弁当を持参してきている子供達のその中身はジャムサンドイッチとポテトチップスやチョコバーなどのお菓子が入っているのが現状でした。
日本の学校には栄養士がいて、低価格でもきっちりと考えられたメニューになっていますし、貧富の差が出ない様に義務教育ではみな同じ給食を食べますが、イギリスはそうではないのです。

テレビ番組「Feed Me Better」の開始

2005年、ジェイミーオリバーにより「Feed Me Better」(もっといい食べ物を食べさせて)というテレビ番組が始まりました。
イギリスで学校給食の改善運動に取り組む番組です。

子供達が食べてくれない

子供達が食べてくれない
ジェイミーは低価格でも栄養価の高い学校給食にふさわしいメニューを決めて、調理師に指示すると、時間がかかるうえにやったこともないことをさせられるので、 調理師 からは怒りの声が上がります。

残業のない、ものを温めるだけの簡単な作業の仕事だったのにと非協力的な姿勢にも負けず、やっと作り上げたシェフの試作品をテーブルに並べると、子供たちはおいしそうに食べ始めました…という結末にならなかったのです。

予期せぬ事に、見慣れない食べ物を拒み、チキンナゲットをひたすら食べる子、泣き出してしまう子までいたのです。
見た事のない食べ物に恐怖心を抱いてしまったのですね。

給食改善活動は作る側だけでない、食べる側の教育でもあった

給食改善活動は作る側だけでない、食べる側の教育でもあった
共働きの家庭も多く、家でも低価格で素早く準備できる食事としてファーストフードが選ばれてしまう現状がそこにはあったのです。
野菜の形や名前すら知らない子供たちがそこにはたくさんいました。
そこでまずジェイミーは子供たちへの食教育を始めます。
ファーストフードなどの出来合いの食べ物を実際に一緒に作ってその行程や材料を学ばせたり、野菜の名前をあてるゲームで自然に覚えてもらうなど、工夫を凝らして食育活動に取り組みました。
調理実習も何度も行い、子供建ちの態度が少しづつ変わって行ったのです。

調理師の教育

調理師の教育

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もちろん一番い力を入れたのは低価格でヘルシーなメニューの考案と、それを作る調理師さんの教育です。
始めは知らない事に戸惑い、怒りまで見せていた 調理師の方々も、自分たちの作った食べ物に対する子供たちの「おいしい!」という声に、「 私は料理が好きでこの仕事をしているんだ。
嬉しい」と涙を流していました。

その後、ジェイミーを支持する調理師も増え、低賃金と戦いながらも少しでも子供たちの栄養を考えた料理を出せるようにと一緒に運動に貢献してくれる人が増えました。

テレビ番組から国としての問題に

テレビ番組から国としての問題に
当初は「金がかかる」「時間がかかる」「子どもにも選ぶ権利がある」など、 良いものを食べる事を選ぶのはお金と時間に余裕のある中上流階級の問題であって、労働階級にはその余裕もないなど、 反感もだいぶありました。

しかしジェイミーは当時の首相トニー・ブレアに25万人もの署名を持って会いに行き、 予算の増加と給食内容の充実を約束させたのです。
そんな後押しを受けて、運動はイギリス全土に広がっていきました。
現在もまだ問題はいくつも残っているものの、人々の考え方や捉え方に随分な違いがうまれ、イギリスの食という文化を改めて見つめ直す機会になったのです。

国を変えたいという気持ちが、文化を前進させる

若くしてシェフとして活躍しているジェイミーオリバーですが、下町の料理人としてたくさんのレシピ本も出版されていて、日本語訳されたものもたくさんあります。
気取らない、早く安くおいしくできるレシピばかりです。
是非この機会にジェイミーのレシピを参考に料理でもしてみてはいかがでしょうか?
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