単なるダイエットでは無かった…アメリカで需要が高まっているグルテンフリーとは?

アメリカでとても関心が高い「グルテンフリー」。スーパーマーケットでは「グルテンフリー」食品のセクションが大きく設置されていて、大手のレストランでは「グルテンフリー」のメニューが必ずと言ってよいほど用意されています。今回は、「グルテンフリー」とは何か、そして、「グルテンフリーフード」の需要がなぜこれほど高まっているのか、についてご紹介します。

グルテンとは?

グルテンとは?
グルテンは、小麦、大麦、ライムギなどに含まれるたんぱく質の一種で、特有の粘弾性を持つ物質です。
特に小麦からグルテンを分離させた「小麦グルテン」は、米粉のパンを柔らかく膨らませたり、パスタやうどんなどの麺類にコシを加えるために使用されていて、私たちが知らずに摂取していることも多い物質です。

グルテンとセリアック病

グルテンとセリアック病

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セリアック病(celiac disease)は、グルテンが原因で小腸に炎症が起きる病気で、特に白人女性に多くみられ、アメリカの患者は200万人以上と言われています。

患者がグルテンを少しでも摂取すると、腹痛、下痢、便秘、倦怠感などの症状が出て、進行すると、小腸から栄養を吸収できなくなり、栄養失調に陥ります。

 

セリアック病と診断された患者は、食事からグルテンを完全に除去する必要があります。
小麦、ライムギ、大麦などが含まれているパンやビールはもちろんのこと、醤油や、まな板やトースターに落ちたパン屑など、ごく少量のグルテンにでも反応するので、細心の注意が必要です。

増加する患者数に加えて、セリアック病の治療法はグルテン除去の食事療法しかないので、今後もグルテンフリー食品の需要が高まっていくと予想されています。

多種にわたるグルテンフリーの食品

多種にわたるグルテンフリーの食品
セリアック病患者の多さを反映して、アメリカのグルテンフリー食品は、2000品目以上。
どのスーパーマーケットでもグルテンフリーの食材がズラリと並んでいます。
パン、パスタ、ピザ、朝食のシリアル、トルティア、ポテトチップス、コーンチップス、タコスのシェル、醤油、マヨネーズ、ドーナッツ、クッキーやブラウニーのミックスまで、グルテンフリーの食材も加工食品も多種にわたって販売されています。
そのおかげで、セリアック病患者たちは、通常に近い食生活が送れるようになってきました。

レストランでもグルテンフリーは必須メニュー

レストランでもグルテンフリーは必須メニュー
レストランでも、グルテンフリーのメニューを用意しているところが多く、先日も、セリアック患者とイタリアンレストランへ行くと、グルテンフリーのピザとパスタがありました。
スマートフォンでは、グルテンフリー対応レストランの検索ができるアプリがあり、ニューヨークのマンハッタンへ出かけた友人は、グルテンフリー対応のレストランの数もメニューの品目も多く、毎食、素晴らしい食事ができたと大喜びでした。

グルテンフリーダイエットの効果は?

グルテンフリーダイエットの効果は?
最近、スポーツ選手やセレブの影響もあり、注目を浴びているグルテンフリーダイエットですが、実際の効果は、どうでしょうか。

グルテンフリーの基本的な考え方に従って、パスタ、ピザ、スイーツ類など小麦粉の摂取をやめ、全粒穀物のパン、野菜、果物、脂肪分の少ない肉類などを中心とした健康的な食生活をするのであれば、ダイエット効果が期待できます。

しかし、今までの食生活をグルテンフリーの加工食品で置き替える食事では、逆に体重が増加してしまう可能性が高いようです。
グルテンフリーのパンやスイーツ類は、グルテンを除去している分、脂分やスターチ、そして糖分を通常以上に加えて食感や味を調えているので、カロリーが高くなってしまうのだそうです。

グルテンフリーのこれから

セリアック病患者の増加に伴い、グルテンフリー食品の需要がアメリカだけでなく、世界的に高まることが予想されます。
日本では、小麦粉アレルギーの対策が進んでいますが、セリアック病は微量のグルテンにも反応するので、より深い理解と対応が必要です。

特に東京オリンピックを控える日本では、海外からの観光客を迎えるのに備えて、グルテンフリーの対応ができるレストランや食材店が増えると良いなと思います。

海外の嗜好を理解しよう

同じ人間なのに、国や地域・民族によって食文化は全く違います。
それと同じで、ある国ではグルテンが注目されたり、また違う国では、別の成分が話題になったり。
より国際社会に対応するために、日本でももっと注目される日がくるといいですね。
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