フランスゴシックの最高傑作!まるで芸術作品のような建築物、ブルージュ大聖堂

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日は「ブールジュ大聖堂」をご紹介します。

ブールジュ大聖堂ってこんなところ

Bourges Cathedralの住所・アクセスや営業時間など

名称 Bourges Cathedral
住所 Place Etienne Dolet, Bourges, France
営業時間・開場時間 午前 9:00 – 午後 5:45
利用料金や入場料 北側の塔は自由見学、普通料金 大人 7.50 ユ一ロ
参考サイト http://www.ville-bourges.fr/_en/site/cathedral
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

フランスゴシックの最高傑作ブルージュ大聖堂とは?

ブールジュはフランスのほぼ中央に位置し、かつてベリー公園の中心都市として栄えました。
かつて、芸術と文化が彩る美しい街で現在もその面影が残っています。

ロワール地方の都市であるブールジュは、B.C.58~51年にかけて、共和政ローマの前執政官ガイウス・ユリウス・カエサル(英語読みジュリアス・シーザー)がガリア遠征を行いその全土を征服したガリア戦争の戦場になった地です。
軍人であると共に文筆家としても知られるカエサルは、ガリア全土をローマの属州とした一連の経緯を『ガリア戦記』に記し、後に伝えています。

このような歴史を持つブールジュには、ステンドグラスの美しさとゴシック様式の荘厳な大聖堂が建てられています。
別名サン・テチエンヌ大聖堂。
フランスにおけるゴシック美術の最高傑作の一つとされ、現在はブールジュで最も人気の観光地となっています。
今回は、この大聖堂の歴史について触れてみたいと思います。

不幸な歴史を積み重ねながらも威厳を誇る大聖堂

この大聖堂の起源は、3世紀ごろキリスト教信徒が建てた小さな教会でした。
11世紀にロマネスク様式の大聖堂に建て直された後、1198年に当時のゴシック建築ブームの波に乗り、ブールジュ大司教アンリ・ド・シュリによって改修工事が行われました。

同時期に建てられた、シャルトル大聖堂、ノートルダム大聖堂(アミアン)、ランス大聖堂とは違う不幸な運命を辿ったこの大聖堂は、中世フランスにおけるキリスト教の権力の強さを語り続けているようです。

この大聖堂の不幸は14世紀のはじめに起こりました。
1313年にひびが入っていた南の塔に支柱を入れるという補強を行いましたが、耐えうる強度がないとのことで鐘を取り付けることさえできない状態でした。

やっと出来上がった塔は早々に倒壊

ゴシック様式の中にルネサンス様式の融合が見られるようファサード全体の補強がされ、1324年には竣工式が行われました。
しかし、15世紀末にやっと完成した北の塔でしたが、1506年に倒壊するというありさまでした。

新しく補修に携わった建築家「ギョーム・ペルヴォワサン」は崩れた北塔と、その下の2面のポルタイユを30年もの月日をかけて修復しました。
この時の費用は信徒たちから集められたもので、信徒たちは四旬節の断食が免除されました。

ここでまた最悪の時代がこの大聖堂を脅かします。
宗教革命です。
新教徒たちは、シンボル的な存在のゴシック建築の大聖堂を攻撃の標的としたのです。
何と悲しいことでしょう。
1562年にはブールジュがユグノーの手に落ち、大聖堂の内陣とファサードが破壊されてしまうのです。
大切な彫刻などもメチャメチャだったようです。

修復されるも支離滅裂な違和感を残す大聖堂に

大聖堂はこの宗教革命の後は無残なまま放置されてしまいます。
大聖堂に、かつて誇った華麗な姿を取り戻す日がやってきました。
19世紀の初頭に入り大規模な改修が行われることとなったのです。

しかし、時が流れ19世紀に入ったことでかつての建築様式も変わり、荘厳なゴシックとはちぐはぐの補強が行われました。
屋根には以前なかった装飾が施された小塔が置かれ、大聖堂全体に過剰ともいうべき装飾が施されたのです。
荘厳という形のゴシックの魅力が損なわれ、数々の時代の特徴を持つ大聖堂へと変貌してしまったのです。
これは、この教会が幾多の苦難を乗り越えた歴史を意味することでした。

しかし、これを見たフランスの文豪人たちは大聖堂を賞賛しました。
フランスの小説家スタンダールは「この大聖堂の中に立つと、キリストになったような不思議な気持ちになる」と言い、バルザックもこの大聖堂がお気に入りだったようです。

見目麗しき大聖堂の魅力

この大聖堂の魅力は何といっても、12~17世紀にかけて少しずつ増えていったステンドグラス。
ほとんどは13世紀のものですが、内側の二重窓や中央身廊の高窓など12の窓から光が差し込む姿は神秘的で、他の大聖堂にはない妖しい魅力に満ちた空間となっています。
このステンドグラスはシャルトル大聖堂と同じ職人が作ったといわれ、いずれも質が高いものです。

西ファサードの5連の扉口の構成もユニークで、「天国への門」と評価されるほど。
大司教の一人聖ウルザン、サン・テチエンヌの生涯、最後の審判、聖母マリアの彫刻が見られます。
中でも13世紀のほぼ完全な姿を残す最後の審判は必見です。

スペイン北西部の聖ヤコブの聖地へと向かう世界遺産(1993年登録)の道「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」の巡礼路上にある、一足先の1992年に世界遺産に登録された「ブールジュ大聖堂」に訪れてみてくださいね。
きっと、美しい大聖堂の虜になりますよ。

壮大な歴史を感じて旅をしよう

いかがでしたか。
ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなります。
「ブールジュ大聖堂」への渡航をぜひご検討ください。
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