ニュージーランド北島の中央部、先住民のマオリ族が守り続けた聖地。トンガリロ国立公園

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日は「トンガリロ国立公園と、先住民マオリ族」をご紹介します。

トンガリロ国立公園ってこんなところ

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トンガリロ国立公園の住所・アクセスや営業時間など

名称 トンガリロ国立公園
住所 Manawatu-Wanganui 4691 New Zealand
営業時間・開場時間 24時間
利用料金や入場料 無料
参考サイト http://www.newzealand.com/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

総合遺産に登録されたニュージーランドの絶景スポット、トンガリロ国立公園とは

ニュージーランド北島の中央部には、先住民のマオリ族が守り続けた聖地があります。
それはトンガリロ国立公園と呼ばれる、伝説の三火山が聳える地です。
氷河によって形成された地形と火山地形の壮大な自然の景観が織りなす稀な地として1990年に自然遺産に登録され、更に1993年にマオリ族の聖地としての歴史的背景から文化遺産にも登録され複合遺産になりました。
1894年に造られたトンガリロ国立公園は世界でも2番目で、ニュージーランド最古の国立公園です。
エメラルド色に輝く湖をもつトンガリロ山(1967m)、25000年前に誕生したといわれる一番若い山のナウルホエ山(2291m)、最高峰のルアペフ山(2797m)の雄大な自然を持つ3つの火山では、トンガリロ・アルパイン・クロッシングという世界遺産を歩くトレッキングコースが人気です。
夏はハイキングや登山、冬はスキーとスノーボードを楽しむ人で賑わいます。

大地のパワーを感じるトンガリロ公園

荒々しく荒涼とした溶岩流跡、冬の雪原、温泉、そして神秘的なエメラルドグリーンの湖沼、国立公園内ではさまざまな大迫力の自然を見ることができます。
中でも典型的な円錐形で富士山のような形をした美しい山ナウルホエは、映画ロード・オブ・ザ・リングの「滅びの山」のロケ地に使われています。

また、最後の噴火の時の泥流跡が残り、頂上部には直径1kmの巨大なクレーターが広がる月面のようなルアペフでは山に囲まれた「王国モン・ドール」と「エミン・ムイル」の殺伐とした風景に使われました。

この神秘的な美しい自然を持つ山々は、パシフィックリム・オブ・ファイヤー(環太平洋火山帯)の起源を語る先住民マオリの伝説が残されています。

ニュージーランドの先住民マオリ族とは

イギリス人が入植する前の1300年頃に、ニュージーランドに住んだ先住民のマオリ族。
ポリネシア人の一派で、普通という名前を持つ部族のこと。
マオリが自分たちのことをタンガタマオリ(普通の人間)と呼び西洋人と区別しました。
西洋人は発音しにくいとマオリとの名を採用したようです。
マオリ族は聖なる火によって火山活動が起きていると信じ3つの山を聖地として崇め、マオリの首長を代々山の山頂に埋葬してきました。
この地で暮らしてきたマオリ族は狩猟採集だけでなく、いち早く農耕をはじめました。
温帯地帯だったためハワイキ(自らの故地)と同じ生活を送るには不向きな土地だったからです。
この地の恵みを生活に役立て平和に暮らしていたマオリ族に危機が訪れます。

土地紛争からはじまったマオリ戦争

1840年にワイタンギ条約によりニュージーランドは、イギリスの植民地となりました。
1850年代になると、ヨーロッパ植民者が大量に移住してきました。
しかし、政府の出した土地の買い取り価格に不満を持ったマオリ族は、土地を売らないと決めてしまい武力紛争へと発展しました。
これが、1860~72年にかけてマオリ族と入植者が戦った土地戦争、マオリ戦争です。
1864年3月にマオリの勇将レウィ・マニアポトが戦死しました。
残ったマオリ族はワイカトを追われ、北島中西部へと逃げました。
1881年に正式な和平をもって戦争は終結しました。
しかし、とうとうマオリ族がこの聖地を国に譲り渡す時が来たのです。
この地がニュージーランドになる時、ヨーロッパの入植者たちによる乱開発を恐れた、マオリ族の首長ホロヌク・テ・ヘウヘウ・トゥキノ4世が1887年に、国有地とし自然保護区とすることを条件に土地を寄進しました。

神々が宿るマオリの聖地トンガリロ国立公園

最初に噴火したのはトンガリロ山で、約26万年前のことでした。
最後の噴火は2012年8月です。
まだまだ活動が続くトンガリロ国立公園の山々は大地のパワーを秘めています。

園内の北にある「タウポ湖」はアクティビティが盛んな湖です。
バンジージャンプやスカイダイビングなどを楽しみながら美しい景色を見られる絶好のスポットです。
透明度の高い湖では、水上スキーやカヤックなど、森林地帯ではハイキングやマウンテンバイクなども満喫できます。

まるで同じ地球上ではないほどの美しさを誇るトンガリロ国立公園は、迫力ある神秘的な景観を体いっぱいに感じられる魅力的な地です。
マオリ族の文化と伝説を思いながら素敵な観光を楽しんでください。

壮大な歴史を感じて旅をしよう

いかがでしたか。
ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなります。
「トンガリロ国立公園」への渡航をぜひご検討ください。
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