ブルガリア最大で最も著名な「リラ修道院」

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日はブルガリア最大で最も著名な「リラ修道院」をご紹介します。

ブルガリア最大で最も著名な「リラ修道院」ってこんなところ

Rila Monasteryの住所・アクセスや営業時間など

名称 Rila Monastery
住所 Rila Mountains, Bulgaria
営業時間・開場時間 現地時間7:00-20:00
利用料金や入場料 無料
参考サイト http://bulgariatravel.org/ja/object/272/rilski_manastir
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

ブルガリア正教会の総本山リラ修道院

ブルガリアの首都ソフィアの南背に123kmにあるリラ山系の山々の谷間にひっそりと佇む、国内最大の正統派修道院。
中世ブルガリアの文化と芸術をギュッと詰め込んだような一大モニュメントとしても有名です。
イスラム教徒に約500年も支配され続けた間、ブルガリアの人々の信仰をずっと支えて見守ったブルガリアの人に愛される修道院です。
文化的、歴史的、建築学的に重要な遺跡の一つとして評価され、1983年に世界遺産に登録されています。
ロシア、南ヨーロッパ、中東文化が入り混じって生まれたブルガリア独特の雰囲気が漂う魅力的な修道院。
不便な山奥にあるのに観光客が途絶えることがない、ブルガリア屈指の観光スポットです。

リラ修道院のはじまりと拡大

第一ブルガリア帝国時代の皇帝ベタル1世(在位927-968年)の統治時代に、リラの聖人イヴァン・リルスキーが建立しました。
彼は自分の財産をすべて貧しい人々に与え、修行のためこの地の森の中の洞窟に隠遁しました。
神の声を聞くまでになると、自然に修道士たちが集まりはじめ小さな僧院が造られました。
これがリラ修道院の始まりです。
この修道院の近くには、彼が修業をしたという聖人の岩が残されています。
創設以来リラの修道院は、ブルガリア帝国統治者の庇護を受け尊重されていました。
14世紀に大地震に見舞われますが、フレリョ・ドラゴヴォラ王庇護のもと現在の場所へと移されます。
1334~1335年にフレリョの塔、1343年にその隣にある小さな教会が建てられました。
要塞のような形をしたフレリョの塔は、修道士とフレリョ領主の家族を守るために建てられたのです。
この塔は今も堂々たる姿で立っています。
司教の椅子や豪華に彫刻された修道院の門などもこの頃に造られたものです。

オスマン帝国による破壊と復活

1396年にオスマン帝国によりブルガリア帝国が滅ぼされました。
イスラム教を国教としたオスマン帝国はキリスト教の信仰を制限し、15世紀半ばに修道院も一部が破壊されます。
このオスマン帝国の支配は500年も続きました。
しかしここでも神の力は強かったのです。
アスト山のロシコン修道院の寄付により、15世紀末に聖ヨハネの遺品を持って3人の兄弟がリラ修道院にやってきました。
彼らにより、修道院は修復されたのです。
オスマン帝国の支配は続いていましたが、リラ修道院だけはブルガリア正教の信仰として黙認されるほど威厳を誇っていました。

イスラムからのさまざまな迫害を受けるもこの修道院はブルガリアの人々の心の救いでした。
その功績もあり、現在もブルガリア人の80%がキリスト教を信仰しています。
オスマン帝国はロシアとの戦争に敗れると急激に弱体しました。

ブルガリア復興期のリラ修道院

ブルガリア復興期の1833年に火事に見舞われ破壊されます。
1834~1862年には、国内の富強者からの援助により、建築家アレクシ・リレツによって修復されました。
反乱の余波が続いていたため敵の攻撃を想定した要塞のような修道院が出来上がりました。
1816年に修道士の住居が建てられ、1844年にはフレリョの塔に鐘楼が取り付けられました。
住居部には、1000人分の料理が造れる大きな釜があることでも知られています。
修道院内には学校も設立されました。

修道院の中でも聖母誕生教会は、5つのドームと3つの祭壇、2つのチャペルを有しています。
奥には多数のイコンと金箔が張り巡らされたイコノスタスの扉も魅力的。
10mの扉には緻密な彫刻が施され、5年もかけて造られた国内最高傑作といわれています。
イコンは「奇跡のイコン」といわれ、14世紀の高名な修道士たちの骨が埋め込まれています。
これに触れ、折ると病が治るといわれています。

極彩色が素敵なリラ修道院の見どころ

聖母誕生教会のアーチ型の回廊には、壁や天井にまでビッシリと聖書の36場面などのフレスコ画で埋め尽くされています。
14世紀に建てられた唯一の建造物であるフレリョの塔の中には、14世紀に描かれた貴重なフレスコ画が残されています。
建物自体も古い塔の前にたつ、19世紀に建てられた鐘楼とのコラボも見所です。

リラ修道院を取り囲む僧院には、現在も修道士が住んでいます。
中でも図書館には9000冊を超える蔵書があり、ブルガリア語が禁止されていたオスマン帝国時代には国内各所から書物を集め保管しました。
現在は一部が博物館となり、イコンや宗教画などが展示されています。

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白と黒、赤とピンクのストライプが青空に映えるキュートな外観が印象的なリラ修道院は、ブルガリアの人々の心の拠り所として威厳を持つ修道院です。
この修道院は国立公園内にあり、ヨーロッパらしい田園風景や森林など道中もブルガリアらしさを満喫できます。
また、周辺ではトレッキングコースがありハイキングも楽しめます。

壮大な歴史を感じて旅をしよう

いかがでしたか。
ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなります。
ブルガリア最大で最も著名な「リラ修道院」への渡航をぜひご検討ください。
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