インドで一番美しいのに、忘れられた村…ハンピの建造物群

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日は「ハンピの建造物群」をご紹介します。

ハンピの建造物群ってこんなところ

ハンピの住所・アクセスや営業時間など

名称 ハンピ
住所 Bellary District, Hampi, India
営業時間・開場時間 24時間
利用料金や入場料 施設による
参考サイト http://hampi.in/more-on-hampi
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

岩だらけの不思議な魅力に包まれた美しい町、ハンピとは?

インドの南部カルナータカ州に位置するインドで一番美しい町、パンピ。
26k㎡の広い荒野には、主なものだけでも40もの遺跡が点在し、周囲の巨石群との融合が神秘的な世界を生み出しています。
この不思議な魅力を持つ遺跡には、絶えず旅行者で混み合います。
日本人もこの地を訪れ、パンピが一番好きだという人も多いようです。
アジアで最も美しい町といわれるハンピにある「ハンピの建造物群」は、1986年に世界遺産に登録されました。
しかし、この広大な遺跡の近くに流れる川に鉄橋を造ろうとの計画が持ち上がり、開発破壊が推し進められそうになり1999年に危機遺産リストに登録されてしまいます。
遺産と開発の共存をテーマに試行錯誤するインドの体制が認められ、2006年に危機遺産リストから外されることになりました。

ハンピに造られたヴィジャヤナガル王国の始まり

ヒンドゥー王朝として繁栄した、ヴィジャヤナガル王国の14~16世紀にかけてこの王国の都となったのがハンピです。
はるか昔から、この地は女神ハンパーが住む聖地として崇められ、「神が住まう土地」といわれてきました。
そういう神秘に満ちた美しさをもった町なのです。
11~12世紀ごろからガズナ朝やゴール朝が北インドに侵入し、インドにイスラム教を広めます。
320年にも渡って北インドを支配した、デリー・スルタン朝の3代王朝のトゥグルク朝はこの頃強大な勢力を誇っていました。

1323年頃に南インドに遠征し侵略に成功しましたがヒンドゥー教たちは反発し、1336年に各地の王族を集めヒンドゥー教の連合王国、ヴィジャヤナガル朝が創設されました。
このヴィジャヤナガル朝のヴィジャヤナガルとは「勝利の都」という意味を持っています。

ヴィジャヤナガル王国の繁栄期

このヴィジャヤナガル朝は小さい規模で終わったわけではありません!ナント!インド南部及びスリランカを支配し、東アジアとヨーロッパを結ぶ海のシルクロードの要塞として発展しました。
このハンピの建造物群の多くはこの時代に貿易等で得た巨万の富によって造られたものです。
ハンピの建造物群は大きく「寺院区」と「宮殿区」に分けられます。
特に寺院区にある、シヴァ神を祀ったヴィルパークシャ寺院は、迫力満点で見応えがあります。
ハンピ最古の寺院なのに、周りにある遺跡化した寺院とは違い、現在もバラモンが活動する現役の寺院です。
高さ50mの巨大な白い塔門がシンボル。
この門の先にある本殿の天井には美しい絵が描かれています。

ヴィジャヤナガル王国の栄華を誇る遺跡たち

ハンピの建造物群の中でヴィルパークシャ寺院と同じくらい有名なヴィッタラ寺院。
15世紀にクリシュナ・デーヴァ・ラーヤ王(在位1509-1529年)がオリッサに勝利したことを記念に建てられたもので、ユニークな戦車を象った寺院や塔門をはじめ柱や天井に施された緻密な彫刻は必見です。

また、叩くとそれぞれ違う音がする、ミュージック・ストーンと呼ばれる55本の石柱も見る価値ありです。

ヴィジャヤナガル王国の城塞があった宮殿区は、城壁に囲まれた遺跡群が広い敷地に点在しています。
東屋のロータス・マハルや象小屋と思われるエレファント・ステイブルは、ヒンドゥーとイスラムの建築様式が融合した面白い建物です。
王女の浴場や王妃の宮殿跡も見ものです。
ここに来たらついでにラーマ神を祀るハザーラ・ラーマ寺院やクリシュナ寺院も一緒に観光されることをおすすめします。

ヴィジャヤナガル王国の衰退と共に忘れ去られた、ハンピ

カルナータカ州南部及び南インドを支配したヴィジャヤナガル朝。
とうとうその繁栄が終わる時が来ます。
1565年のターリコータの戦いです。
ムスリムの5つの王国が形成する連合軍に負け、土地を奪略されてしまいます。
その後、このハンピは忘れ去られ廃墟と化しました。
遺跡にとっては幸運なことに、廃墟となったことで約400年もの間その形を保ち、現在も保存状態のよい遺跡として残されています。
この遺跡には絶景ポイントもあります。
マータンガの丘から見る景色は息を飲むほど美しく壮麗です。
巨大な奇岩とヤシの木に囲まれるようにして建つアチュタラーヤ寺院の美しい景色が広がります。

岩だらけの荒野に造られた都市は、イスラム勢力の侵略により廃墟となり忘れ去られました。
今では、静かな村となりのどかな空気とゆっくりとした時間の流れと、かつて貿易で繁栄した都ハンピの栄華を感じてみてはいかがでしょう。

壮大な歴史を感じて旅をしよう

いかがでしたか。
ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなります。
「ハンピの建造物群」への渡航をぜひご検討ください。
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