噴火を鎮めるための生贄になった少女が今も眠る古都…ペルーのアレキーパ市歴史地区

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日はペルーの「アレキーパ市歴史地区」をご紹介します。

アレキーパ市歴史地区ってこんなところ

アレキパ歴史地区の住所・アクセスや営業時間など

名称 アレキパ歴史地区
住所 Arequipa, Peru
営業時間・開場時間 24時間
利用料金や入場料 無料
参考サイト http://www.peru-japan.org/Sarequipa.html
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

アレキーパとはどんな都市?

アレキーパはペルー南部に位置する第2の都市です。
首都リマからは1030㎞、飛行機で約1時間半ほどです。
ミスティ山などの万年雪を冠する山々の麓にあり、気候に恵まれ、鉱物やビール、製糸産業で栄える商業としてもあります。
アレキーパはインカ帝国4代皇帝マイタ・カパックによって13世紀後半から13世紀前半に建設されました。
そのとき皇帝が「アリ・ケパイ(ここに住みなさい)」と言ったことから、アレキーパという名前になったと言われています。

1540年にスペイン人ガルシア・ド・カルバハールの侵攻によって植民都市となり、街はスペインやヨーロッパの雰囲気を取り入れたコロニアル様式の街並みとなっていきました。

「白い街」アレキーパ

アレキーパを語る上で必ず出てくる呼称が「シウダッド・ブランカ」で、これは日本語で「白い街」と言う意味です。

旧市街を中心とした建物は、みな美しい白い色で統一されています。
これが白い街の由来で、アレキーパ近郊で採れる白い火山岩「シジャール」を使用しているためです。

アレキーパ大聖堂やサン・カタリナ修道院など、ほとんどの建物はみなシジャール製です。
その美しい白は、ほかの植民都市とは一線を画しています。
例えば、同じインカ都市のクスコの建造物群は同じ石造りでももっと褐色っぽい色味です。
それぞれの趣がありますが、豊かな日差しが白い建物に反射し輝くアレキーパは、さわやかな美しさがあります。

アレキーパ大聖堂とサンタ・カタリナ修道院

アレキーパ市歴史地区の中心となるのがアルマス広場です。
そこには2階建てのアーチが連なる美しい回廊があり、シジャール製の巨大なアレキーパ大聖堂も建っています。
1544年から約100年強の時間をかけて建設された大聖堂は、ギリシャ発祥の細い柱と柱頭の飾りが特徴のコリント式の柱が何本も設置され、神殿のような荘厳さがあります。
また、1579年に完成したサンタ・カタリナ修道院もシジャール製の建造物として有名です。
2万㎡という広大な敷地を白い壁が囲み、実は1970年までは外部と隔絶されていました。
内部には迷路のような回廊と花に彩られた中庭があり、美術品が展示されています。
広すぎて、ちょっとした街です。

歴史地区内の建造物たち

他にもアレキーパ市歴史地区にはコロニアル様式の建物や、貴重な品々を収蔵した博物館があります。

1733年に建設されたモラル邸は、コロニアル様式の最高傑作と呼ばれています。
地震で倒壊しましたが、1942年に復元されました。
美しい中庭や、長年にわたりコレクションされてきたアンティークの家具たちも見ることができます。

アレキーパの街を見下ろす高台の上には、ラ・レコレータ修道院/博物館があります。
ここにはインカ時代の土器やミイラ、動物のはく製、美術品など、歴史的にも興味深いものが展示されています。

博物館で最も有名なものは、アンデス聖地博物館でしょう。
そこに眠る少女について、次にご紹介します。

凍った少女「フアニータ」

1995年、アレキーパ北部のアンバト山(6310m)の山頂近くで、人類学者ヨハン・ラインハルトが少女のミイラを発見しました。

約500年前に埋葬されたと思しき12~14歳の少女は、乾燥した土壌と氷河のおかげで凍結した状態のままミイラ化していたのです。
身長は147㎝、髪や歯、爪までもが完全に保存されていました。
加えて、彼女が身に着けていたマントや羽帽子、副葬品に至るまでが発見されています。

少女は噴火を鎮めるための生贄として山頂に連れてこられたと考えられています。
生贄はインカの風習としては自然なことでした。

「フアニータ」と名付けられたこの少女は、今はアンデス聖地博物館で静かに眠っています。

壮大な歴史を感じて旅をしよう

いかがでしたか。
ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなります。
「アレキーパ市歴史地区」への渡航をぜひご検討ください。
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