スマトラ沖地震の津波から国民を守った奇跡の世界遺産!スリランカの「ゴール旧市街とその要塞群」

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日はスリランカの「ゴール旧市街とその要塞群」をご紹介します。

ゴールってこんなところ

ゴールってこんなところ

スリランカ ゴール旧市街の住所・アクセスや営業時間など

名称 スリランカ ゴール旧市街
住所 Galle 80000, Sri Lanka
営業時間・開場時間 24時間
利用料金や入場料 無料
参考サイト http://whc.unesco.org/en/list/451/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

ゴールの歴史

ゴールの歴史
スリランカ南部のゴールは、首都圏の大都市コロンボから高速道路で2時間の所にある城壁に囲まれた港町です。
古くから港町として栄えたゴールは、中東と中国を結ぶ海のシルクロードの中継拠点でした。

1505年にポルトガル人が来航しその支配下となると、要塞の原型が造られます。

1640年にオランダ東インド会社が支配者となり、世界遺産に登録された旧市街や要塞群が整備されました。
城壁から突き出した稜堡には星・太陽・月などの名前が付けられています。

その後はイギリスに譲渡され、スリランカ独立まで支配下となりました。

オランダ時代のヨーロッパ風の街並みが残されており、世界遺産登録の大きな要因となりました。

オランダ統治下を感じさせる旧市街(フォート・エリア)

オランダ統治下を感じさせる旧市街(フォート・エリア)
インド洋に突き出した一周数キロほどの半島部分は、6~20mの高さの城壁に囲まれています。
ここが旧市街で、フォート・エリアとも呼ばれます。

スリランカは仏教国ですが、ゴール旧市街だけはまったく雰囲気が違います。
オランダ統治下に造られた街並みであるため、ヨーロッパ風の建物が多く、まるで違う国に来たような錯覚をおぼえますよ。

オランダ人やイギリス人によって建てられた宗派の異なる教会や、ムスリム住民のためのモスクなど、様々な宗教の建物が混在しているのも特徴です。
オランダ時代の建物は多くが転用され、今も現役で使われています。

城壁の上は散歩できますが、日差しが強いので日中は気を付けてくださいね。

オランダが残したもの

オランダが残したもの
オランダ統治は地元住民にとって辛いこともありましたが、オランダが支配したからこそ得られたものもあります。
排水施設がその筆頭です。

旧市街内は海抜0m以下の場所があり、生活排水処理が課題でした。
そこで、海抜0m以下の所が多いオランダのノウハウが導入されたのです。
潮の干満を利用した排水システムが整備され、問題は見事解決されました。
イギリスもそれを踏襲し、風車を設置しています。

また、オールド・ゲートと呼ばれる城壁のゲートのひとつには、オランダ東インド会社の紋章が残されています。
上部にニワトリ、両脇に獅子をあしらった紋章の中央にはオランダ東インド会社を表す「VOC」の文字が刻まれていますよ。

城壁が守り抜いた「奇跡の世界遺産」

城壁が守り抜いた「奇跡の世界遺産」
旧市街を囲む城壁もまた、外国の統治時代に築かれたものです。
建設には地元住民が投入され、人々は厳しい労働に従事しなければなりませんでした。

しかしこれが現代のゴールの人々を守ることになったのです。

2004年に発生したスマトラ沖地震は、広範囲に津波を発生させました。
インド洋で発生した高さ6mもの津波が、ゴールを襲います。

しかし、城壁が旧市街を守りました。
城壁外では死者が出たにもかかわらず、城壁内の旧市街では1人の死者もいなかったのです。

このことにより、ゴール旧市街は「奇跡の世界遺産」と呼ばれるようになりました。
ちなみに、ゴール近郊の街には日本の本願寺が建てた慰霊の大仏がありますよ。

稀代の建築家ジェフリー・バワとゴールの街

稀代の建築家ジェフリー・バワとゴールの街
スリランカが生んだ天才建築家ジェフリー・バワは、スリランカ独自の文化を建築に反映したトロピカル建築の第一人者です。
その建築は、世界最高峰のリゾートホテル、アマンリゾートにも大きな影響を与えました。
そんな彼が晩年に手がけたホテルが、ゴールの街にあります。
ジェットウイング・ライトハウスといい、かつて要塞があった岩山の地形を取り入れて造られました。
上から見ると船の形をしていて、インド洋へ突き進もうとしているようにも見えます。
ゴールの歴史を随所に取り入れたのだそうですよ。
細かな彫刻が手すりに沿って続く螺旋階段も見事です。

バワ晩年の最高傑作と言われ、宿泊客が殺到している人気ホテルです。

壮大な歴史を感じて旅をしよう

いかがでしたか。
ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなります。
スリランカの「ゴール旧市街とその要塞群」への渡航をぜひご検討ください。
photo by iStock