美しすぎて数々の悲壮な運命を辿るインド「タージ・マハル」、その歴史を改めてまとめてみました

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日はインドの「タージ・マハル」をご紹介します。

タージ・マハルってこんなところ

タージ・マハルってこんなところ

タージ・マハルとは

タージ・マハルとは
タージ・マハルはインドのムガル帝国の5代皇帝シャー・ジャハーンが亡妃ムムターズ・マハルのために建てた墓廟で、インド北部のアーグラにあります。
デリーから200㎞、急行列車で2時間ほどかかります。

シャー・ジャハーンは妃ムムターズを深く愛し、戦場にも伴うほどで、14人の子をもうけました。
しかしムムターズは遠征先で出産後、亡くなってしまいます。

皇帝の悲しみは深く、1日にして白髪になってしまうほどでした。
しかし彼は最愛の妃のために、比類なき美しさの墓廟を建てることとしたのです。

22年の歳月と多大な労働力を費やし完成したのが、タージ・マハルでした。
純白の建物は、皇帝の愛の象徴でもあります。

Taj Mahalの住所・アクセスや営業時間など

名称 Taj Mahal
住所 Dharmapuri, Forest Colony, Tajganj, Agra, Uttar Pradesh 282001, India
営業時間・開場時間 日の出から日没まで 金曜日休み
利用料金や入場料 外国人観光客:1,000インド・ルピー 15歳未満は無料 
参考サイト http://tajmahal.gov.in/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

美しき白亜の墓廟

美しき白亜の墓廟
正門を抜けると姿を現すタージ・マハルは、完璧なシンメトリーを描く白亜の大理石の墓廟です。
その高貴な優雅さには言葉もありません。

前に広がる庭園には、天上の河を表す4本の水路が走り、庭園を四分割するペルシャのチャール・バーグ様式を取り入れています。

四隅を4本の尖塔に守られた墓廟の壁に彫られたレリーフは、植物や幾何学模様を取り入れたイスラムのアラベスク様式となっており、その繊細さと美しさは他に比類なきものです。
廟内の墓室の模様には、水晶やサンゴ、ダイヤなどの宝石がはめこまれており、華麗を極めた装飾となっています。
ここに、シャー・ジャハーンとムムターズの墓石が安置されています。

孤独な皇帝の晩年

孤独な皇帝の晩年
タージ・マハルを完成させたシャー・ジャハーンですが、この事業は国家の財政を圧迫していました。
加えて、皇子たちによる後継争いが起き、皇帝の愛した第1皇子は野心溢れる第3皇子に殺されてしまいます。
その第3皇子アウラングゼーブは、兄に肩入れした父をアーグラ城塞の塔ムサンマン・ブルジュに幽閉しました。
皇帝は亡くなるまでの7年間、塔から出ることを許されず、はるか対岸に見えるタージ・マハルを眺めながら晩年を過ごしたそうです。
本当はタージ・マハルの側に自身の黒大理石の墓廟を造る構想があったのですが、それもかなわぬ夢となりました。

死後、皇帝はタージ・マハルの妃の隣に葬られ、共に眠りについています。

両手を切り落とされた工匠

両手を切り落とされた工匠
タージ・マハルには残酷な逸話も残されています。

タージ・マハル造営を命じられた工匠は、ひそかに亡き妃ムムターズを慕っていました。
その想いが注がれた美しい墓廟が完成すると、皇帝はその工匠に「褒美に何が欲しいか」と尋ねたそうです。

工匠は「このように美しい墓廟が完成しただけで満足です」と答えましたが、皇帝は工匠の想いに気付いていました。
「ではこれが褒美だ、両手を出せ」と皇帝は言い、工匠が両手を出すと、剣を一閃、その両手を切り落としてしまったのです。

他にも、墓廟建設に関わったヨーロッパ人がおり、完成後、同じものを二度と建てることのないようにと斬首されたという話も伝わっています。

タージ・マハルのその後

タージ・マハルのその後
シャー・ジャハーンから皇位を継いだアウラングゼーブの死後、地方領主や異教徒によってアーグラは占領され、略奪されました。
そしてイギリスの東インド会社の支配が及ぶに当たり、イギリス人もまたアーグラとタージ・マハルを略奪したのです。
このため、たくさんの宝石類は持ち去られてしまいました。
また、現代では大気汚染による酸性雨の影響などで建物に傷みが生じています。

一方、このように目立つタージ・マハルは空爆の標的となりやすいと考えたインド政府は、隣国パキスタンとの緊張が高まると布をかぶせるようにしているそうです。
これで守られるかは疑問ですが、パキスタン側もこの世界遺産を空爆するつもりはないようですよ。

壮大な歴史を感じて旅をしよう

いかがでしたか。
ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなります。
「タージ・マハル」への渡航をぜひご検討ください。
photo by iStock