現在も30万人住むアメリカ先住民族、アンテロープキャニオンとナバホ族

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日はアメリカにあるアンテロープキャニオンと、ナバホ族をご紹介します。

アメリカにあるアンテロープキャニオンってこんなところ

ナバホ族が今でも大切に守る人気観光地アンテロープキャニオン

アリゾナ州のベージ近郊にある、先住民ナバホ族の土地にある幅の狭い渓谷。
アメリカ南西部では最も写真家や観光客が集まる人気の観光地です。
現在もここはナバホ族が約30万人住む住居区域であり、彼らの管理する公園で、重要な観光資源となっています。

現在も勝手に入ることはできず、数社がツアーを催行しているのでパウエル博物館で希望時間に応じてツアーを紹介してもらい訪れることが可能です。
また、直接現地に行ってガイドを頼むことも可能です。
(??25~30 キャッシュのみ)

ここの地形は独特で鉄砲水が起きやすい場所でもあり、鉄砲水が起こったら「一巻の終わり」と、非常に危険なので入場規制されているという理由もあるようです。
それでは、大人気のアンテロープキャニオンとナバホ族についてご紹介したいと思います。

アンテロープキャニオンの始まり

このアンテロープキャニオンは2つの岩層からなっています。
意外に観光しやすいと人気のアッパー・アンテロープ・キャニオンとロアー・アンテロープ・キャニオンの2つがあります。

1931年にナバホ族の少女が、この壮麗で流れるように美しい巨大な大地の割れ目を発見しました。
これが、現在ロアー・パンテロープ・キャニオンと呼ばれている場所でした。
まもなくしてアッパーと呼ばれる巨大な山の裂け目を見つけました。
この発見がこの人気観光地の始まりです。

何百年もの月日をかけて地層が形成され、鉄砲水が主ですが風成りの浸食も関係しています。
周辺一帯は砂漠気候のため年間を通じて乾燥しています。
モンスーンの時期にはスコールが起こり、その雨水が鉄砲水となって一気に押し寄せます。
この自然現象は毎年キャニオンの様子を変化させ、年によっては通り抜けられないほど狭くなったり、10人もの人が入れるくらいに大きくなったり、神秘的な景観を見せてくれます。

迫害と抹殺の歴史の中で生き抜いたナバホ族の苦悩

ナバホとはテワ・プエブロ族の言葉で、「涸れ谷の耕作地」という意味。
保留地は、アリゾナ州北東部からニューメキシコ州西部、ユタとコロラドの4つの神聖な山々の境界にまたがる砂漠地帯で、アメリカでも最大の保留地を持っているのです。

この地域の特徴としては、スペイン、メキシコなどを相手に奪略襲撃を繰り返し、1846年には合衆国の白人入植者も加わりました。
アパッチ族やナバホ族の頭皮一枚につき10ドルの報奨金をつけて撲滅を図ったのです。
合衆国は西部への植民地化の拡大のために、年金(食料や物資)の支給と引き換えに和平条約に成功。
しかし、南北戦争が激化し約束が反故になり、その結果インディアン戦争が起こりました。
1849年にナバホ族の戦士ナーボナが米軍に殺され関係はさらに悪化。

戦いは続き、リンカーン大統領の時代に、インディアン戦をよく知るキット・カーソン大佐を戦線に加えました。
彼は戦争をせずに、兵糧攻めによる徹底的な焦土作戦を敢行。
ナバホ族は1863年に降伏しました。
1864年にリンカーン大統領の指示により、ロング・ウォークと呼ばれるニューメキシコ州南部へ強制収容され長い戦争が終結。
1870年に現在のフォーコナーの地に戻ることができました。
その間にホピ族が定住してしまい、今でも保有地の中に一部ホピ族の領地があります。

アッパー・アンテロープ・キャニオンの魅力

2つのキャニオンの一つアッパー・アンテロープ・キャニオンは観光客がたくさん訪れ人気となっています。
その理由は、岩などを登らなくてよい比較的観光しやすい地形だからです。
もう一つの理由は、キャニオンの頭頂から降り注ぐ太陽光線が起こりやすいからです。

この美しい景観は4~9月の正午ごろ見られます。
壁に造られた模様も素晴らしく、自然光によるライトアップも神秘的。
黄色やピンクに変化していく様子はとても幻想的です。
比較的柔らかく赤いナバホ・サンドストーンを削り取って形成された地形は、力強い自然が造り出したアート。
谷が深いので造形美が美しく感じられとっても魅力的です。

ロアー・アンテロープ・キャニオンの魅力

もう一つのキャニオンである、ロアー・アンテロープ・キャニオン。
地形は比較的アッパー・アンテロープ・キャニオンと似ていますが、冒険心を味わいたい方におすすめです。
こちらの方が長く狭いためアドベンチャー気分を満喫できます。
何度も鉄の階段を昇りますが、上部から底部までの高さがアッパー・アンテロープ・キャニオンより浅いので、明るく岩肌の変化も美しくバラエティーに富んでいます。
観光客が少ない分神秘的な気分に浸れるような気がします。
しかし、1997年に鉄砲水による死亡事故も起こった場所です。

遥か昔からアメリカの大地の力と雨の力によって形成された造形美は、人の力では作れるものではありません。
だからこそ魅力に満ちていると思われます。
ナバホ族などインディアンの辛い運命を見続けてきた神秘的なキャニオンに訪れて、アメリカ大地の歴史を体感する旅も素敵ですね。

壮大な歴史を感じて旅をしよう

いかがでしたか。
ただ息を呑む絶景に心焦がすだけではなく、その背景にある歴史を簡単にでも理解することで、世界遺産巡りはより楽しくなります。
アメリカ・アンテロープキャニオンへの渡航をぜひご検討ください。
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