ヒマラヤからもたらされた巨大なデルタ地帯…インドの世界遺産「スンダルバンス国立公園」が壮大すぎる

1984年、インド政府により国立公園に指定されその3年後の1987年世界自然遺産に指定されたスンダルバンス国立公園。バングラディッシュとの国境近く、ベンガル湾の奥に広がる世界最大のデルタ地帯にあるこの国立公園には多くの絶滅危惧種が生息していることから近年保護活動が盛んになっています。そんなスンダルバンス国立公園を今に至る過程を元にご紹介していきます。

ヒマラヤからもたらされた巨大なデルタ地帯

ヒマラヤからもたらされた巨大なデルタ地帯

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スンダルバンス国立公園は世界最大のデルタ(三角州)地帯に位置しています。
ヒマラヤ山脈から流れるガンジス川とブラマプトラ川は数百万年前よりこの地に大量の土砂を運び、下流に巨大な堆積平野を作ることになりました。
このデルタ地帯は総面積が8万平方kmにも及び、網目状に川が水路となっています。
スンダルバンスとはベンガル語でスンダリの木を意味しておりマングローブとともにこの地の美しい森を彩っています。

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デルタ地帯を支える防波堤

デルタ地帯を支える防波堤

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巨大なデルタ地帯はマングローブの気根によって支えられています。
川の流れによってもたらされた多くの土砂はこの気根によって厚く堆積し陸地を形成していくことになりました。
またこの地方に多数発生する暴風雨(サイクロン)からも土砂の流出を食い止めるなど自然の防波堤となっています。
このマングローブの密林は世界最大級と言われており、多くの動植物の宝庫となっているだけでなくその豊かな土壌は数多くの海洋生物がその命を始める場所ともなっています。

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可愛らしい動物達

可愛らしい動物達

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マングローブの根に守られた広大な干潟には多くの水生動物が生息しています。
干潮時にはカニの仲間であるシオマネキやオカヤドカリが餌を求めて動き回っています。
またヒレを使って干潟を歩くこともできる魚であるトビハゼもマングローブの根に集まっています。
このトビハゼは鰓(エラ)呼吸である魚類のなかで皮膚呼吸の能力が高く、空気中でも動くことができる珍しい生物です。
豊富な土壌がこのような小さな水生生物を集めることになりこれらを求めた陸や空の動物が集まることに繋がっています。

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多様性のある動物達

多様性のある動物達

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デルタ地域を流れる川には魚類だけでなくガンジスカワイルカやスナメリ、ニタリクジラなど希少な哺乳類も泳いでいます。
また熱帯雨林の陸地にはマングースやアカゲザル、ベンガルヤマネコなど様々な生物が暮らしています。
鳥類や爬虫類も数多く生息しているものの、絶滅してしまった生物も少なくありません。
表皮が高値で売買されることで乱獲され絶滅の危機にあるイリエワニを始めとした希少動物の保護が近年進められてきています。

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プロジェクトタイガー

プロジェクトタイガー

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ベンガルトラは漢方薬の材料として乱獲され、また人口増加や森林伐採により一時絶滅寸前まで行きました。
そこでインド政府は1973年保護のためプロジェクトタイガーと呼ばれる計画を打ち出し、このスンダルバンスも保護区になりました。
インド亜大陸内で約1800頭まで激減しましたがこの保護により約3500頭まで回復したものの、人が被害にある件数も増えスンダルバンス地区だけでも毎年45名が命を落とすことになったそうです。
今はWWF(世界自然保護基金)の活動により防御柵の設置などの対策が成果を出しています。

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人と自然の共存を学びに行こう

スンダルバンス国立公園の見学は船からと敷地内3箇所の観察塔のみに制限されています。
これはこの地の動植物達を守るだけでなく人の被害も食い止める意味を持っています。
地球の作り出した大自然のちょうど良いバランスを感じに訪れてみてください。
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