ニウエってどんな国?どこにあるの?
南太平洋に浮かぶ島国ニウエは、ニュージーランドの北東2400㎞、トンガの東480㎞、サモアの南東600㎞の場所にあります。
日付変更線のすぐ東隣でもありますね。
とても小さな国なので、世界地図では見つけられないこともあるほどです。
あまりにぽつんとしているので、「ポリネシアの岩」とも呼ばれます。
アクセスは日本からニュージーランドへ飛び、そこから空路で行くことになります。
しかし週に2便しか出ていないので、旅行を計画するときは気を付けた方がいいですよ。
ニュージーランドからは3時間半かかります。
ニウエは国としては最小レベルの大きさになります。
どれくらいかというと、面積が259㎢・・・これは、鹿児島県の奄美群島のひとつ徳之島と同じです。
淡路島の半分くらいとも言えますね。
島の周囲はわずか67㎞、1日あれば1周できてしまいます。
この小さな国に住む人口は約1500人で、多くは首都アロフィに集中しています。
元々は2000人くらいいたそうですが、経済不況などで流出し、減ってきているそうです。
9割以上がサモアの血を引くポリネシア系ニウエ人です。
公用語はニウエ語と英語で、なぜ英語が通じるかといえば、それはニウエの歴史にあります。
ニウエの島としての歴史と、国としての歴史
ニウエにいつ人類がたどり着いたか、はっきりした時代は不明です。
ただ、紀元前10世紀頃にサモアやトンガにラピタ人が来訪したのと同じくらいではと言われています。
ラピタ人とは、人類で初めて太平洋へと遠洋航海に繰り出した人たちのことです。
また、1~5世紀にタヒチ付近のマルケサス諸島やソシエテ諸島にポリネシア人が広がっていく際に、ニウエにも来たのではないかとも言われているそうです。
その後、13~16世紀に栄えたトンガ海上帝国の支配下に入っていたと考えられています。
やがて大航海時代と植民地主義時代に伴ってヨーロッパ人がポリネシアに到達すると、ニウエにも初めてヨーロッパ人の影が訪れました。
1774年、イギリスのジェームズ・クック(キャプテン・クック)が南方大陸の捜索途中でニウエに立ち寄ります。
しかしこの時は現地の人々がクックの上陸を阻み、彼は仕方なく立ち去りました。
その時にこの島を「未開の島」と名付けています。
その後、キリスト教化されたサモア人の宣教師ヌカイ・ペニアミナが島に入り、徐々に布教していきます。
1876年にはマタイオ・トゥイティガが初代の王となりました。
しかしこの頃になると、ドイツやイギリス、スペインの影がちらつき始めます。
島民が連れ去られ、ペルーの鉱山で働かせられたとか。
伝染病も持ち込まれたため、人口が激減してしまいました。
そのため王はイギリスに保護を願い出て、列強の調整の後、1900年にニウエはイギリスの保護領となったのです。
そして翌年にはニュージーランドの属領となりました。
1974年にようやく内政自治権を得たニウエは、ニュージーランドとは自由連合国の関係となります。
2015年には日本政府はニウエを承認しています。
国際連合には未加盟ですし、ニウエを承認している国家はまだ少ないのですが、これからもっと増えていくことでしょう。
ニウエの国のしくみとは
ニュージーランドがイギリスを君主と仰いでいるため、ニウエも元首をイギリスのエリザベス女王とする立憲君主制です。
総督を、ニュージーランド総督が兼任しています。
ニウエには首相がいますが、基本的に軍事や外交はニュージーランドに委任されています。
外相など他のポストを兼任しており、閣僚も他に3人しかいません。
議会は一院制で議員は20人と、とても小さな政府だということがわかりますね。
ニウエの国旗はとても特徴的でカラフルです。
ベースは黄色、左上にユニオンジャック、その中に星があります。
黄色が表すのはニウエの陽光、ニュージーランドとその国民への温かい気持ちです。
ユニオンジャックの上の星は南十字星で、ニュージーランドとの協調を示し、ユニオンジャックの中央の星はニウエの自治のシンボルだそうです。
多くの意味が込められた国旗ですが、これだけでもニウエとニュージーランド、イギリスの関わりの深さが感じられます。
また、ニウエの国章にもイギリス移民との関わりを大事にする姿勢がうかがえます。
ニュージーランドの国章を中心に、左にニュージーランド国旗を持ったイギリス移民の女性、右に先住民を象徴する戦士が配置されていますよ。
国旗や国章の意味を読み解くだけでもかなり興味深いですね。
ニウエの現在と実情
さて、現在のニウエはどんな様子でしょうか。
ニウエの生活基盤は農業がメインです。
タロイモのプランテーションがあり、パッションフルーツやライムなども作られています。
しかしサンゴ礁の島であるため水や土地が少なく、加えてサイクロンがひんぱんに直撃するため苦労しています。
それに加えて、ニウエの住民にはニュージーランドの市民権が与えられているため移住してしまう人も多いそうです。
そうした人たちからの送金と他国からの援助で経済を成り立たせているという実情なのです。
南太平洋の島々は得てしてこうした状態にあり、これをMIRAB経済と呼んでいます。
ニウエの最大の魅力「手つかずの大自然」!
しかし、ニウエには手つかずの大自然があります。
世界最大の隆起サンゴ礁がそのまま島となったため、周囲の海の透明度も高く大変美しいです。
シュノーケリングやスキューバダイビングのようなマリンアクティビティや、クジラやイルカを見るツアーなどを体験することができるのです。
内陸の熱帯雨林をガイドと一緒に歩いたり、潮の引いたサンゴ礁の散策をしたりするのも貴重な体験になるでしょう。
洞窟ツアーもおすすめです。
石灰石でできた鍾乳洞を探検していると、綺麗な熱帯魚を目撃することがあるかもしれません。
洞窟の底が海とつながっているため、魚が入って来るそうです。
白浜が美しいビーチもあり、のんびりとした時間を過ごすことができると思います。
外国を観光する上で、治安は気になりますよね。
嬉しいことに、ニウエの治安は良好です。
おおらかなポリネシアの人たちの笑顔にも癒されることと思います。
ちなみに、実はニウエは飲酒運転が違法ではないそうですよ。
日本では考えられないことですよね。
一応、道路を歩くときは気を付けた方が良さそうです。
いかがでしたか。 知名度は高くありませんが、とても新しい国ニウエについておわかりいただけたかと思います。 のんびりとバカンスを過ごしたいけれど、ちょっと人とは違うところに行ってみたいという人にはおすすめですよ。