田園風景と、ロシア中世の教会群…世界遺産の古都、スズダリの魅力

モスクワから北東に向かっておよそ220㎞。スズダリは、中世にロシアの公国の首都だった、古くからある都市です。また、この地域一帯に点在する「黄金の環」と呼ばれる古都群の中の一つでもあります。人口は1万人ほどの小さな街ですが、周囲には、小川や草原など、美しく牧歌的な光景が広がっています。その一方で、古代から中世の教会や修道院など、世界遺産にも登録された美しい建物がたくさん残されており、街中が博物館のような街並みです。そんな、素朴かつ美しいスズダリの魅力をご紹介します。

教会の街の中心 スズダリのクレムリン

教会の街の中心 スズダリのクレムリン

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クレムリンとは、ロシア語で「城砦」を意味します。
ロシアの街は、クレムリンを中心に広がり、中には重要な建築物が建てられます。
モスクワのクレムリンが有名です。
ここ、スズダリのクレムリンはモスクワほど大きくなく、小規模ですが、中には古くからの美しい建物群が残されています。

カメンカ河に囲まれた丘の上にあり、のどかな景色に取り囲まれています。
周囲はかつて囲まれていた土塁が残されおり、ゆっくりと散歩するのも良さそうです。

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素朴な木の橋を渡って、内部へ入っていくことができます。
中へ入ると、周囲の風景とは打って変わって、中には、聖堂や教会、大理石の白亜の建物の世界が広がりますよ。

ここは1992年、「ウラジーミルとスーズダリの白亜の建造物群」世界遺産に登録された建物群の一つです。

ウラジーミルとスーズダリの白亜の建造物群の住所・アクセスや営業時間など

名称 ウラジーミルとスーズダリの白亜の建造物群
名称(英語) White Monuments of Vladimir and Suzdal
住所 Vladimir, Russia
営業時間・開場時間 24時間
利用料金や入場料 無料
参考サイト http://whc.unesco.org/en/list/633/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

白と青のコントラストが美しい ロジェストヴェンスキー大聖堂

白と青のコントラストが美しい ロジェストヴェンスキー大聖堂

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クレムリン内に入り、ひときわ目立つのは、ロジェストヴェンスキー大聖堂です。
13世紀に建立された、この地域では、最も古い建物です。
青い玉ねぎ型の屋根は、ロシア正教独特のもの。
青い五つの屋根には、金色の星がちりばめられています。
日本では見慣れない色彩が、エキゾチックで美しいですね。

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内部に入ると、壁面や柱、一面にフレスコ画やイコンで埋め尽くされており、圧巻です。
ロシア正教では、偶像を崇拝せず、このようなフレスコ画やイコンを大切に扱います。
信仰の迫力が感じられる場所です。

聖堂の玄関に残された両開き扉も「黄金の門」と呼ばれ、とても古いもの。
黒い銅製の扉には、繊細な金箔の絵が描かれており、じっくりと眺めてしまいそうな美しさです。

懐かしくも、美しい 木造建築博物館

懐かしくも、美しい 木造建築博物館

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スズダリには、様々な顔の教会がありますが、大理石の白い壮大な教会があると思えば、木造の素朴な古い教会も多く点在しています。
クレムリンから小川を渡っていったところにあるのが、木造建築博物館。
近郊から教会を含む木造建築を移築してきた、野外ミュージアムとなっています。

広い敷地には、聖堂や風車、農家なども木造建築が並んでいます。
17世紀から19世紀にかけて建造されたものだそうで、1970年に移築されてきました。

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民家の建物内には当時の生活用具などがそのまま展示されて、どこか懐かしい雰囲気です。

博物館の中の木造の教会は、白亜の教会とは全く違う素朴さが素敵です。
中ではミサが行われていることもあるようですので、訪れた際に偶然のタイミングで目にしてみたいものですね。

歴史あるリスパラジェンスキー修道院と聖なる門

歴史あるリスパラジェンスキー修道院と聖なる門

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町の入口近くに、リスパラジェンスキー修道院があります。
この修道院も13世紀に建てられた歴史ある建物です。
また、町一番で高いと言われる鐘楼があり、60m以上もの高さです。
鐘楼は登ることもできるので、高いところからのスズダリの景色を楽しむことができますよ。
釣鐘は、ナポレオンに勝った戦勝記念碑だとか。

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こちらは、二つのテント風の屋根を頂く「聖なる門」と呼ばれる門です。
17世紀に建てられたスズダリの有名な建築です。

美しい城壁に囲まれたスパソエフフィミエフ修道院

美しい城壁に囲まれたスパソエフフィミエフ修道院

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こちらも、修道院ですが、なんと高さ8m、長さ1500mもの立派な城壁に守られた修道院です。
14世紀半ばに建てられたもので、世界遺産の建物群の一つです。
城壁には12もの塔があり、まるで砦のようです。

18世紀には、宗教的異端者や政治犯を収容する刑務所としても利用されていたというのも納得です。
とはいえ、やはり城壁の周辺は、のどかな景色が広がり癒されます。

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城壁の中に入ると、また立派な聖堂や鐘楼を見ることができます。
こちらは、一番目を惹くスパソ・プレオブラジェーンスキー聖堂 。
屋根の緑色と金色の色彩が素敵ですね。

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聖堂の横にある鐘楼があります。
こちらでは、なんと1日に数回、ベルコンサートが催され、実際その音色を楽しむことができます。
大小17個の鐘を、奏者が手足を駆使して鳴らす様子を、ぜひ見てみてください。

中世のロシアの町にタイムスリップ

世界遺産の教会の古都、スズダリの風景はいかがでしたでしょうか。
美しい古風な建造物と、素朴な風景の組み合わせを見ていると、まるで中世の都市にタイムスリップしたかのよう。
小さな街ですので、ぜひのんびり歩いて散策してみてください。
街並みの中にも、ここには載っていないような、味わい深い古風な建物や人々など、心打たれる風景を発見することができるはずですよ。
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