光を失いつつあった画家・モネの夢がかなった、「睡蓮」のために造られた「オランジュリー美術館」

フランス・パリにある「オランジュリー美術館」は、「パリのセーヌ川河川」に含まれる世界遺産。印象派の画家クロード・モネが、妻と長男の相次ぐ死、失明の危機…と晩年悲劇に見舞われる中、新たな光を求めて立てた壮大な計画、それが「睡蓮」の絵で一室を飾る美術館の創設でした。モネの死後に建てられたオランジュリー美術館。モネの人生の集大成とも言える「睡蓮」の連作を、唯一パノラマで眺められるこの場所へ行ってみたくはありませんか?

オランジュリー美術館がある場所

オランジュリー美術館があるのは、フランス・パリのセーヌ川のほとり。
コンコルド広場の隣にある、チュイルリー宮殿の庭園であるチュイルリー公園の中です。
チュイルリー公園を散歩しながら歩いていくと、コンコルド広場に出るすみっこにあるガラス窓の小さな建物がオランジュリー美術館。
ルーブル美術館やオルセー美術館にも徒歩で行けるので、美術館をはしごしてみてはいかがでしょうか。

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コンコルド広場全景。
写真右、緑に囲まれたこじんまりとした建物がオランジュリー美術館。

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コンコルド広場。

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チュイルリー公園。

オランジュリー美術館の住所・アクセスや営業時間など

名称 オランジュリー美術館
名称(英語) Orangerie Museum
住所 Jardin des Tuileries 75001 Paris
営業時間・開場時間 9時-18時
利用料金や入場料 大人:9ユーロ
参考サイト http://www.musee-orangerie.fr/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

モネの夢がかなった場所、オランジュリー美術館が出来るまで

1918年、印象派の巨匠クロード・モネは、連作「睡蓮」の国家への寄贈を提案。
1926年に86歳で死去する直前まで「睡蓮」に筆を入れ、自らの芸術の集大成を飾る美術館の設立を夢見ていました。
オランジュリー美術館は、そもそも1852年にナポレオン3世がチュイルリー宮殿に作った巨大なオレンジ栽培の温室。
長らくオレンジの貯蔵庫として使われた後、企画展用の美術館にする計画が進められますが、モネの死から1年後、時の大統領ジョルジュ・クレマンソーの指示で、モネの構想どおりの美術館に造りかえられました。
温室が美術館となった経緯と、晩年のモネを想うと胸を打たれてしまいますね。

モネの「睡蓮」のために造られた内部

2006年に大規模な改修工事が行われ、光を取り戻したオランジュリー美術館。
真っ白な柱と床、コンクリートの打ちっぱなしのモダンな内壁、ガラスの天井から降り注ぐ自然光は、モネの構想そのままの「光」を大切にしたもの。
モネが織りなす水面に咲く睡蓮の花のニュアンスは、光が必要だったのがわかる構造となっています。
まさにモネの「睡蓮」のためにある美術館!こじんまりとしていますが、それほど並ばずにモネの世界をゆっくり鑑賞できるのも魅力。

モネの世界観に圧倒される『睡蓮の間』

モネの大連作「睡蓮」をパノラマ展示するために構造された「睡蓮の間」。
「睡蓮」の連作が、カーブされた四方の壁全体に飾られ、天井のガラス窓から柔らかく差す光が作品に命を吹き込んでいるかのよう。
「睡蓮」は世界中に展示されていますが、どれもが自然光を受けることで浮き出る明るさや暗さを表現していると言われています。
この小さなオランジュリー美術館が人々を引き付けるのは、モネの構想どおりに絵画を鑑賞できるように展示されているから。
モネが遺したかった世界はこれだったんだと圧倒されることでしょう。

地下にあるモネ以外の印象派作品『ジャン・ヴァルテルとポール・ギヨームコレクション』

オランジュリー美術館では、モネの作品以外にも144点にのぼる名作が展示されています。
それは、「ジャン・ヴァルテルとポール・ギヨームコレクション」と呼ばれる画商たちが収集したもので、セザンヌ、ルノワール、ピカソ、マティス、モディリアーニ、ゴーギャン、シスレーなど、印象派とポスト印象派の画家の作品。
2006年の改装によって、地下でゆっくりと鑑賞できるようになったので見逃せません。
地下とはいえ、自然光を取り入れて設計されているので暖かい雰囲気に包まれています。
また、地下にはミュージアムショップもあり、充実した睡蓮グッズもあるのでおすすめ。

ジヴェルニー、モネの庭

ジヴェルニー、モネの庭

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モネの大作、睡蓮を見る前に是非訪れてもらいたい場所があります。
パリ郊外・ノルマンディー地方にあるジヴェルニー村。
そこには、晩年のモネが過ごした家があります。
4月~10月末の間だけ一般公開されるジヴェルニーの庭は、モネが43歳から86歳でこの世を去るまで過ごした場所。
創作以外を庭仕事に充てていたと言われる、モネの魂がこもったこの環境があったからこそ、生み出された傑作があったのですね。

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モネの家。

ジヴェルニー モネの庭の住所・アクセスや営業時間など

名称 ジヴェルニー モネの庭
名称(英語) Fondation Claude Monet
住所 84 rue Claude Monet 27620 Giverny
営業時間・開場時間 3月下旬-11月初旬 9時30分-18時
利用料金や入場料 大人:9.50ユーロ  学生(7歳以上):5.50ユーロ  7歳未満:無料
参考サイト http://fondation-monet.com/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

「光」にこだわったモネの想いが詰まったオランジュリー美術館

いかがでしたか?モネの想いが詰まったオランジュリー美術館には、大規模な美術館にはない魅力が凝縮されていましたね。
オランジュリー美術館が出来た経緯を知ることで、モネの、芸術や庭に対する慈しみや執念のようなものがより深く感じられたのではないでしょうか。
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