世界遺産「白神山地」の魅力と歴史。「役立たず」の森はいかにして世界的な山地になった?

公開日:2019/3/18 更新日:2020/3/6

今回のテーマは、「世界遺産・白神山地」です。「世界遺産」も「白神山地」も、社会の授業で習ったという方が多いことでしょう。しかし、世界遺産とは何でしょうか?なぜ世界遺産登録が重要なのでしょうか?そして、白神山地は何がどう価値を認められて世界遺産登録されたのでしょうか?白神山地にはどういった歴史があるのでしょうか?今回はこういった疑問にすべてお答えします!読み終えた頃には皆さんも「白神山地博士」になっているはずですよ。

今さら聞けない「世界遺産」について

 

今さら聞けない「世界遺産」について

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白神山地は「世界自然遺産」です

 

「世界遺産」という言葉を聞いたことのない方はいらっしゃらないと思います。
地球上の豊かな自然や歴史上の貴重な遺産を保護し、後世に残していくために登録されるものです。
1972年、ユネスコで採択された「世界遺産条約」という条約で定義されました。
2016年現在、全世界で1,052件の世界遺産が存在し、そのうち日本のものは20件となっています。

世界遺産には三種類あります。
人工物を対象とする「文化遺産」、自然物を対象とする「自然遺産」、その混合が「複合遺産」です。
日本には文化遺産16件、自然遺産4件、複合遺産0件があります。
白神山地は自然遺産です。
日本にある文化遺産の例としては奈良の法隆寺、原爆ドーム、「古都京都の文化財」などが挙げられます。
自然遺産は白神山地の他に屋久島、知床、小笠原諸島があります。
ちなみに複合遺産とは、自然遺産と文化遺産の登録基準をそれぞれ一つ以上満たした物件が対象です。
日本には存在しませんが、世界的に有名な複合遺産なのがペルーのマチュピチュですね。
インカ帝国の遺跡と周辺環境の景観がともに認められたことから複合遺産として登録されました。

世界遺産はどうやって選ばれるのか

 

国内と国外の両方で、世界遺産としてふさわしい「普遍的な価値」をアピールする必要があります。
ここで「普遍的な価値」と言っているのは、要するにいつの時代でも、誰が見ても、その物件の素晴らしさを認識できるという意味です。
もちろん個人の好みはありますが、確かに京都の神社仏閣や屋久島の屋久杉、もちろん白神山地の原生林はどれも迫力があり、価値を認めざるを得ませんよね。

白神山地のような大自然の場合、必ず問題になってくるのが開発と保護の兼ね合いです。
地元の人の利便性からすると、開発をどんどん進めて観光や耕作地・住宅地などに変えていくほうが、短期的な価値は上がるかもしれません。
こうした開発の波から自然を守り、受け継いでいく仕組みを作らなければ、世界遺産登録は遠い夢です。
日本の場合は、国が保護に乗り出し、世界遺産の推薦候補としてリストアップされることが世界遺産登録への第一歩となります。

こうしたリストに記載されている物件が「暫定リスト」として各国からユネスコに推薦され、ユネスコの委員会が審議を重ねて認められたものだけが世界遺産として登録されるのです。

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