インド初のイスラーム様式建築「クトゥブ・ミナールと複合建築群」

世界文化遺産である「クトゥブ・ミナールと複合建築群」は、インド観光において定番の観光地の一つです。一番のみどころであるミナレットは、今でもインドで最も高い石造の塔で、当時のイスラーム建築のレベルの高さ、美しさを現在の私たちに教えてくれます。今回は、そんな「クトゥブ・ミナールと複合建築群」の観光情報や歴史、みどころを紹介していきたいと思います。

アクセスは?

アクセスは?

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クトゥブ・ミナールは、インドの首都デリーの郊外に位置しています。
ニューデリーの中心部からは車で行くか、デリーメトロを使って行くことになります。
デリーメトロの場合は、Qutab Minar駅で下車した後、オートリキシャか徒歩で遺跡まで向かいます。
徒歩だとおよそ15分程度です。
到着したらチケットを購入していざ中に入ってみましょう!

クトゥブ・ミナールとは

クトゥブ・ミナールとは

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クトゥブ・ミナールは、1200年ごろ奴隷王朝の建国者であるクトゥブ・アッディーン・アイバクによって北インド制服の勝利の記念のため建設されました。
1993年には、ミナレットとその周辺の遺跡を含めて「デリーのクトゥブ・ミナールとその建造物群」として世界文化遺産に登録されました。

インド初のイスラーム様式建築

インド初のイスラーム様式建築

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クトゥブ・ミナールは、インドで最初のイスラーム王朝を興し、北インドを支配したクトゥブ・アッディーン・アイバクによって建設されました。
モスクなどは、ジャイナ教やヒンドゥー教の寺院を破壊し、その石材で作ったと考えられているため、その名残が随所に見られます。

世界最高のミナレット

世界最高のミナレット

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ミナレットの高さは72.5メートルにもなり、これは今でもインドで最も高い石造の塔となっています。
5層からなる構造になっていて、下の3層は赤砂岩、そして上部の2層は左岸と大理石でできています。
円柱と三角柱が組み合わされた独特の構造が、非常に美しいコントラストを作り出しています。

内部には378段の階段があり、最上部まで登ることができる構造になっていますが、1982年に修学旅行中の少女たちが内部の階段で折り重なって倒れ、十数名が亡くなってしまうという事故が起きてからは、立ち入りが禁止されています。

コーランの装飾

コーランの装飾

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遺跡の外部には、いたるところに美しいコーランの章句やイスラーム特有の装飾が施されています。
その一方で、偶像崇拝が禁止されているはずのイスラム建築の中に様々な動物や人間の装飾が見られるところがありますが、これは取り壊したヒンドゥー教やジャイナ教の寺院の石材をそのまま用いて建設されたためなのだそうです。

幾度も崩れ、修復されてきた

幾度も崩れ、修復されてきた

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元々は100メートル近くあったとも言われているクトゥブ・ミナールですが、これまで幾度も崩れては修復が繰り返されてきました。
14世紀には4層目が落雷によって崩壊し、その時の修復で5層目の白大理石のドームが付け足されました。
しかし、その後、地震によってまた崩壊したため再築がなされました。

イスラムとヒンドゥーの様式が混在するクワットゥル・アルイスラーム・モスク

イスラムとヒンドゥーの様式が混在するクワットゥル・アルイスラーム・モスク

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将軍アイバクは、北インドを制圧すると、その勝利の記念にこのクッワト・アルイスラーム・モスクを建設しました。
「イスラームの力」を意味するインドの中でも最古のイスラームのモスクです。

1600年間錆びない、チャンドラヴァルマンの鉄柱

1600年間錆びない、チャンドラヴァルマンの鉄柱

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こちらのチャンドラヴァルマンの鉄柱は、見た目は地味ですが、大きな見所の一つとなっています。
注目を浴びる理由は、1600年以上、雨ざらしの状態で時が流れているにもかかわらず、錆びずに今もその形をとどめているためです。

昔は鉄柱に背中を向けて後ろで両手を組むことができると幸せになれると言われており、多くの人が試していたそうですが、今は柵が取り付けられているので、残念ながら試すことはできません。

アイバクの後継者、イレトゥミシュの廟

アイバクの後継者、イレトゥミシュの廟

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イレトゥミシュは、奴隷王朝の2代目スルタンでありアイバクの後継者として知られています。
ここのドーム屋根は崩壊してしまい今は完全に野ざらしになってしまっている棺ですが、内側の唐草模様などの装飾は素晴らしく、インドの職人たちの高い技術をここにも観ることができます。

未完成に終わった、アラーイーの塔

未完成に終わった、アラーイーの塔

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クトゥブ・ミナールから少し離れたところにあるこちらの奇妙な建造物は、アラーイーの塔です。
14世紀にスルタン(イスラムの世界における君主号の一つ)によって建築が進められましたが、財政難やスルタンの暗殺などが理由で完成には至りませんでした。
直径は25メートルもあり、もし完成していたら今のミナレットよりも高い、100メートルを超える高さになったと考えられています。

イスラームの力を高々と示す「勝利の塔」

クトゥブ・ミナールと複合建築群の魅力や歴史などについて紹介してきました。
デリーを代表する観光地の一つですので、インド旅行に行かれた際には、ぜひ足を運んで見て下さい。
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