政府公認ガイドが伝授!ヴェネツィア観光これで完璧ガイド

数あるイタリアの観光地の中でも最も美しくロマンチックと言えるのがヴェネツィアの街です。干潟の上にできた街の移動は全て船。ヴァポレットと呼ばれる水上バスが走り、水上タクシー、そして小さな運河をゴンドラが行き交います。複雑に入り組んだ道、運河に架かる小さな橋、そしてカーニバルの季節には仮面姿の人々…気がつくと異世界に迷い込んだよう。思わずどこを歩いてもため息が出てしまうようなヴェネツィアを堪能できるプランを、イタリア政府公認ガイドの筆者がお届けします!

おすすめの観光ルートはこう!

おすすめの観光ルートはこう!

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旅行のプランを組むときに迷うのが、どの街にどれくらいの時間滞在するかだと思います。
ヴェネツィアのおすすめルートを参考にプランを立てましょう。

日数はどれくらい?

短期間でも訪れてみたい都市の一つがヴェネツィアです。
主要な都市からもそう遠くなく、ミラノからは2時間半、フィレンツェからは2時間程度。
他の都市を拠点に日帰りツアーを利用することも可能です。
ヴェネツィアの中心に当たるサン・マルコ広場から街を散策したり、水上バスで船の旅を楽しんだりするには1日でも堪能できます。
余裕のある方は宿泊してぜひ離島を訪れてください。
ヴェネツィアングラスで有名なムラーノ島やレース織のブラーノ島などに足を伸ばすのもおすすめです。

1日で回る観光ルート

日帰りで観光する方に一番気をつけていただきたいのが時間です。
サンタ・ルチア中央駅からサン・マルコ広場までは水上バスで約30分。
ただし急行バスに乗った場合です。
各駅停車に乗ってしまうと約1時間、そして最終電車前は混雑するので早めの移動を心がけましょう。
ヴェネツィアは街を歩くだけでも十分に観光になります。
そして各駅停車の水上バスの最前部からヴェネツィアの街をゆっくり見るのも、のんびりした日帰り旅行にぴったりです。

予算はどれくらい?

観光地で水上アクセスしかないヴェネツィアは物価が少し高めです。
ヴェネツィアの街でほぼ必ず利用するのが水上バス。
90分券が7.5ユーロ、1日券が20ユーロ、旅行のスタイルに合わせての購入できます。
食事は20〜30ユーロ程度ですが、カフェ・フローリアンなど伝統的なカフェに入るとお茶だけで20ユーロほどかかることもあります。
ホテルも中心部は高いので、費用を抑えたい方はジューデッカ島や陸側のメストレ地区に宿泊するのがおすすめです。

おすすめの季節は?

ヴェネツィアはイタリアの北に当たるので、冬になると冷え込みます。
寒くてもおすすめしたいのが、2月頃に行われるカーニバル。
時代衣装に身を包んだ人たちが街にあふれ、歴史的な建物と合わせて雰囲気を満喫することができます。
夏場は観光客で人が増えますが、夜遅くまで明るいので街を楽しむのにぴったりです。
秋から冬にかけてはアクア・アルタと言って高潮が発生することがあります。
交通に影響があるので、事前に確認しておきましょう。

カーニバルで盛り上がろう!

カーニバルで盛り上がろう!

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ヴェネツィアといえばカーニバル!時代衣装と仮面に身を包んだ人たちがヴェネツィアの街に溢れかえるイベント。
観光客でも楽しめる方法を伝授します。

カーニバルの歴史

カーニバルと聞くと何かとても華やかなイメージをされる方が多いのではないでしょうか。
カーニバルはキリスト教のお祭り。
復活祭の前の40日間は肉を控える習慣があり、その前にご馳走を食べてお祭りをするのが起源です。
ヴェネツィアでは豪華な時代衣装と仮面で飾った人たちで街がいっぱいになります。
ヴェネツィアでは12世紀からお祭りをしていますが、現在に近い形になったのは17世紀頃。
20世紀に復活して多くの観光客を呼んでいます。

どうして仮面をかぶるの?

ヴェネツィアのカーニバルで印象的なのが仮面です。
顔一面を覆ってしまうので、誰が誰かがわからない…実はそこに秘密があります。
カーニバルとはいわば無礼講。
身分関係なく楽しむことが目的でした。
当時身分の高い女性は自由に外出することができませんでした。
しかし、仮面をかぶれば皆同じ。
カーニバルを楽しむことができたのです。
18世紀にはヴェネツィアでは約半年もの間カーニバルが行われ、ヨーロッパの中で歓楽の街として知られるようになりました。

衣装を借りるには?

このゴージャスな衣装、ぜひ着てみたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?この衣装が着たいがために毎年各国から訪れる人もいるほど。
中には1年かけて衣装を用意するというファンもいます。
ヴェネツィアにはレンタルしているお店があり、フル・コスチュームで楽しむことができます。
ただし、本物の衣装を用意しているお店は人気が高いので、事前に予約しておきましょう。
そこまでではないけれど雰囲気を楽しみたい方には、街のあちこちで売っている仮面がおすすめです。

カーニバルの日程は?

では実際にカーニバルをお目当てに行くにはどうしたらいいでしょう?このお祭りは復活祭から計算するので、毎年変動します。
2017年は2/26、2018年は2/11です。
2月から3月始めにかけてのお祭りですが、約3週間ほど前から様々なイベントが開催されます。
当日でなくても十分に楽しむことができるので、日程やイベントを確認して計画しましょう。
特に必見なのが「水の上のヴェネツィア」というイベント。
着飾った人たちがゴンドラで漕ぎ出す様はヴェネツィアならではの雰囲気たっぷりです。

ゴンドラに乗ってみたい!

ヴェネツィアの名物とも言えるのがゴンドラです。
ゴンドリエールの歌を聴きながらのヴェネツィアの水上散歩。
その楽しみ方を紹介します。

ゴンドラの乗り方は?

ゴンドラの乗り方は?

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ヴェネツィアで体験したいのがゴンドラ。
ゴンドリエールと呼ばれる船乗りたちが、昔ながらの方法で船を操りながらヴェネツィアの運河の間をくぐり抜けていきます。
ヴェネツィアの街を歩いているとゴンドラ乗り場があるのでそこから乗ればOK。
ハイシーズンに日帰りで旅行する方は事前に予約しておくことももちろん可能です。
直接交渉が気になる方はホテルを通して予約するのがおすすめ。
ヴェネツィアならではの体験を安心して楽しめます。

カンツォーネって何?

12世紀から今世紀の半ばまで、ヴェネツィアの交通手段として利用されていたゴンドラ。
船乗りのゴンドリエールたちは歌を歌いながら船を漕いでいました。
カンツォーネとはイタリア語で「歌」を意味します。
現在は「セレナーデ」と呼ばれるツアーに申し込むと歌手とアコーディオン弾きがゴンドラの上で音楽を奏でてくれます。
一度は聞いたことがあるような歌を歌いながら船に揺られれば気分は最高!知っている歌であれば一緒に歌っても楽しいでしょう。

値段はいくらくらい?

気になるのがゴンドラのお値段。
一台6人で乗って40分、80ユーロです。
そのあとは20分ごとに40ユーロの追加料金がかかります。
また、7時以降は40分、100ユーロ、そしてそのあと20分ごとに50ユーロのチャージがかかります。
大勢で行く場合はお得に利用することができます。
コストを抑えたい方におすすめなのが、トラゲットと呼ばれる渡し船。
岸から岸を渡る約2分程度ですが、2ユーロで小さなボートに乗ることができます。

ツアーを利用するには?

日帰り旅行の方におすすめしたいのが、ツアーの利用です。
ヴェネツィアは道が入り組んでいて道に迷いやすい場所。
せっかくゴンドラに乗りたいと思っていても、道に迷って気がつくと帰る時間が迫っているなんていうこともあります。
その点ツアーだと案内が付いているので安心です。
そして1人での参加の場合はゴンドラをシェアするので、低料金で乗船できるのも魅力的。
ヴェネツィア名物のディナー付きのツアーもあるので、上手に利用しましょう。

観光名所は押さえておきたい!

観光名所は押さえておきたい!

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街歩きにゴンドラ、そして水上バスからの眺めでも十分に楽しめるヴェネツィア。
でも、せっかくなので、観光名所も回ってみましょう。

サンマルコ大聖堂

ヴェネツィアの中心になるのがこのサンマルコ大聖堂です。
起源は9世紀にエジプトから、福音書記者マルコの遺体が運ばれ、それを収めるための教会として建てられたことに由来します。
外には丸いドームが並び、異国の雰囲気を醸し出しています。
中に入ると天井いっぱいのモザイク画。
金色に輝くその姿は現代の私たちにも当時の感動を伝えてくれます。
東西の交差点として発展したヴェネツィアの財力と文化力を感じられます。

ドゥカーレ宮殿

サンマルコ大聖堂の隣にあるピンク色の建物がドゥカーレ宮殿です。
大聖堂が宗教の中心であるとするなら、ドゥカーレ宮殿は政治の中心。
貿易と十字軍遠征で栄えたヴェネツィアの力を誇るように、ルネサンスの巨匠たちが描いた絵が並びます。
中でもティントレットの「天国」は7×22mの大作。
世界で最も大きな油絵と言われています。
もう一つ忘れたくないのが「溜息の橋」です。
処刑前に通る橋でしたが、カサノヴァがここから脱獄した事でも有名になりました。

カフェ・フローリアン

世界で最も古いカフェの一つがこのカフェ・フローリアン、1720年に創業しました。
これまで数々の歴史的人物がヨーロッパ各地から訪れたことでも知られています。
中にはヴェネツィアを代表する画家カナレットの絵画が置いてあり、伝統的な雰囲気がたっぷり。
そして音楽の生演奏が高級感を盛り上げてくれます。
カーニバルの季節にはコスチュームに身を包んだ人がカップを傾けており、まるで18世紀にタイムスリップにしたような錯覚に陥ります。
お値段は張りますが、経験する価値ありです。

アカデミア美術館

13〜14世紀にかけて十字軍遠征と東西の貿易で栄えたヴェネツィア。
15世紀に入るとイタリアにルネサンスの波が押し寄せます。
16世紀には色彩と官能性を強調したヴェネツィア派と呼ばれる独自のスタイルを築きました。
そのヴェネツィア芸術の変遷を見ることができるのがこのアカデミア美術館です。
15世紀のベッリーニの美しい色彩、そしてその後の西洋美術に影響を与えたティツィアーノの作品などが並びます。
中でも早逝の天才ジョルジョーネの「嵐」はこの美術館の宝です。

ホテルに泊まるならどこ?

ホテルに泊まるならどこ?

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めいっぱいヴェネツィアを楽しみたい方のためにおすすめのホテルをまとめました。
高級なものからお手軽なものまで、プランに合わせて選んでください。

高級感たっぷり サンマルコ・エリアにあるバリオーニ・ホテル・ルナ

ヴェネツィアの中心サンマルコ広場のすぐ側にある5つ星ホテル、バリオーニ。
海に面したこの場所は観光にも最適。
そして部屋からは最高のヴェネツィアの海の景色を眺めることができます。
内装は伝統的なこの街にふさわしく落ち着いた家具でまとめられています。
レストランには天井画が描かれ、シャンデリアが飾られています。
向こう岸のサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会が見えるテラスがついたスイートでヴェネツィアの最高の贅沢を味わってください。

お手軽で便利なアンティカ・カーザ・コッポ

お手頃な価格でヨーロッパの雰囲気を味わいたい方にオススメなのがアンティカ・カーザ・コッポです。
サンマルコ広場やリアルト橋といった観光名所からも近い場所にありながら、お手頃価格で宿泊できます。
もともと裕福なヴェネツィアの商人の家を利用しており、天井や壁にはフレスコ画が描かれています。
チェックインが20時までという決まりなので、日本から直接入国する場合などは注意が必要です。
街中にありながら家に帰った気分で疲れを癒しましょう。

ビエンナーレ会場近くのホテル・コルテ・コンタリーナ

サンマルコ広場から徒歩10分。
そこには生活の場としてのヴェネツィアが広がっています。
12世紀に建てられた造船所アルセナーレのある地区は、歴史的な建物に囲まれながらも洗濯物が干されていたり、実際に住んでいる人の息遣いを感じられるエリアです。
現代アートの祭典ビエンナーレの会場としても使用されるこの場所にあるのがホテル・コルテ・コンタリーナ。
ファミリー用5人部屋を用意しているなど、生活の場ならではの気遣いがあります。
生活目線のヴェネツィアを感じてください。

ホテル探しのヒント

ヴェネツィアでホテルを選ぶ際に気をつけたい点がいくつかあります。
まずは大きな荷物を持っての移動です。
車がない上に、運河に架かる小さな橋には階段がついています。
車がないので、トランクを持って移動するのは一苦労。
そして小さな道が複雑に入り組んでいるので、観光の後にホテルに帰るのも大変です。
目印を覚えて帰り道を探すようにしましょう。
ホテルではのんびりと過ごしたい人には離島を利用するのもオススメ。
ヴァポレットを使えばそう遠くないので、検討してみましょう。

あなたのならではのヴェネツィアを体験しよう!

楽しみいっぱいのヴェネツィアの魅力を感じていただけたでしょうか?カーニバルにゴンドラ、ベネチアングラスのショッピングなど体験したいことがたくさんあると思います。
駅に降りて水上バスに乗った瞬間から日常とは懸け離れた世界が広がるのがヴェネツィアの街の特徴。
サンマルコ広場からカモメたちが飛び立つ様に感動したり、歩きながら運河に行き止まってしまったり、離島に足を伸ばしてみたり…あなたなりのヴェネツィアを発見してください。
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