タウシュベツ川橋梁もここ!北海道・ひがし大雪の大自然をスノーシューで歩く

札幌在住、ナチュラル派文筆家・写真家の吉田匡和です。自然を求めて海に山にと、年中あちこちを飛び回っています。

北海道の大自然を楽しみたいのなら、自ら自然の中に飛び込まなくてはなりません。今回は、糠平温泉にある「NPOひがし大雪自然ガイドセンター」のツアーに参加。スノーシューを使って東大雪の大自然に入り込んできました。

東大雪探検記

94096:東大雪探検記

撮影/吉田匡和

本日は大雪山系の秘湯「幌加温泉 鹿の谷」からスタートします。

現在この地区の住人は、幌加温泉鹿の谷の女将さんだけ。
車で30分ほど走らなくては隣人がいない山奥に、86歳の方が一人で住んでるなんてスゴイ話です。

幌加温泉 湯元鹿の谷の住所・アクセスや営業時間など

名称 幌加温泉 湯元鹿の谷
住所 北海道河東郡上士幌町幌加
営業時間・開場時間 日帰り入浴:8:00−20:00
利用料金や入場料 日帰り入浴500円 1泊4,000円〜
参考サイト http://www.nihon-kankou.or.jp/detail/01633dd5690171091
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

訪問販売お断り!

94097:訪問販売お断り!

撮影/吉田匡和

いやいやいや、こんな辺境の地に来る訪問販売はいないでしょう?

隣の三股地区も人口4人くらいしかいませんから!

タウシュベツ対岸アーチツアー

94098:タウシュベツ対岸アーチツアー

撮影/吉田匡和

幌加温泉から30分ほど走り、糠平源泉郷にあるNPOひがし大雪自然ガイドセンターに到着。
ここからガイドセンターの車で移動して「タウシュベツ対岸アーチツアー」を開始します。

ひがし大雪自然ガイドセンターの住所・アクセスや営業時間など

名称 ひがし大雪自然ガイドセンター
住所 北海道河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷北区44-3 糠平温泉文化ホール内
営業時間・開場時間 初春のタウシュベツ対岸アーチツアー:3/9〜3/30
利用料金や入場料 大人3,700円
参考サイト http://www.guidecentre.jp/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

幻の橋を目指す

94099:幻の橋を目指す

撮影/吉田匡和

このツアーでは、普段は糠平湖に沈む旧国鉄士幌線のタウシュベツ川橋梁を対岸から見に行きます。

文字にすると「古びた橋なんて見てどうする」という感じですが、そこには数々の感動と絶景が待っているのです。

森に吸い込まれる

94100:森に吸い込まれる

撮影/吉田匡和

何の変哲もない場所で車が止まり、そこでスノーシューに履き替えます。

スノーシューは金属製の西洋かんじきで、これを装着すると強い浮力が生まれ、雪に埋まらず歩くことができます。

国鉄・士幌線廃線跡

94101:国鉄・士幌線廃線跡

撮影/吉田匡和

この辺りは昭和初期まで林業が盛んだったため、1939年に伐採した木を運ぶことを目的として東大雪の山中である「国鉄・士幌線」が十勝三股まで開通しました。

その後、1955年に発電用の人造湖である「糠平湖」ができることになり、鉄道の一部が水没。
それがこれから見に行くタウシュベツ川橋梁です。

近寄りがたい秘境

94102:近寄りがたい秘境

撮影/吉田匡和

長らく人々から忘れられていましたが、10年ほど前から水位によって姿を現す「幻の橋」と評判になりました。

以前は林道を使って誰でも近づくことができましたが、人気と共に事故が多発したため、現在では専門のツアーに参加するか、特別な許可を受けなければ行くことができません。

動物たちの営み

94103:動物たちの営み

撮影/吉田匡和

夏は人を寄せ付けない獣道も、積雪がある間はスノーシューで歩くことができます。

注意深く観察すると、森にはたくさんの営みがありました。

ガイドの上村さんが指さしているのは、エゾモモンガのおしっこです。
夜行性のため昼間は姿を見ることができませんが、きっとこの木の上で眠っていることでしょうね。

ツメ跡

94104:ツメ跡

撮影/吉田匡和

この木に注目!

モンスターエナジー?

94105:モンスターエナジー?

撮影/吉田匡和

幹にヒグマのツメ跡が残っています。
この木に絡む山ぶどうの実を食べるためによじ登ったようです。

春の準備

94106:春の準備

撮影/吉田匡和

春に向かってハクサンシャクナゲが芽吹く準備を始めていました。
葉を落とさずに丸まっているのは、積雪から身を守るため。
自然の知恵ですね。

夏に白い花を咲かせますが、ここは獣道に戻ってしまうため近づくことができません。

不思議な木

94107:不思議な木

撮影/吉田匡和

樹木が傷ついたり虫が入った際に、自ら修復する「コブ」が巨大化しています。

自然が作るアートの数々

94149:自然が作るアートの数々

撮影/吉田匡和

自然は思いがけないアートを作ります。
流木の上に人が作ったような氷の板ができていました。

奇跡のフロストフラワー

94109:奇跡のフロストフラワー

撮影/吉田匡和

これは霜が花のように固まる「フロストフラワー」です。

マイナス15℃以下の気温、無風、それほど厚くない氷、積雪なしという条件が重ならなければ見ることができない超レアな現象ですよ。

この日は天気がよく気温が上昇していたので、出会えたことが奇跡です!

オジロワシが悠々と飛ぶ

94110:オジロワシが悠々と飛ぶ

撮影/吉田匡和

悠々とオジロワシが飛んでいきます。

対岸に到着してすぐに「オオワシ」も見ることができました。
毎日のように森を歩くガイドの上村さんすら、めったに見ることがない存在だそうです。

タウシュベツ川橋梁出現!

94111:タウシュベツ川橋梁出現!

撮影/吉田匡和

タウシュベツ川橋梁が見えてきました。
これが昭和30年に廃止されてから現在まで湖に浮き沈みする「幻のアーチ橋」です。

蒸気機関車が大量の木材を運んでいた当時が偲ばれますね。

タウシュベツ川橋梁の住所・アクセスや営業時間など

名称 タウシュベツ川橋梁
住所 北海道河東郡上士幌町字ぬかびら源泉郷
営業時間・開場時間 ツアーのみ見学可能
利用料金や入場料 ツアーによる
参考サイト http://www.kamishihoro.jp/place/00000072
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

いまが見納め?

94150:いまが見納め?

撮影/吉田匡和

劣化が進みコンクリートはボロボロ。

きっと数年のうちには朽ち果ててしまうでしょう。

エゾナキウサギの生息地

94114:エゾナキウサギの生息地

撮影/吉田匡和

彼方にそびえるのは、標高2,013 mのニペソツ山。

この山の岩場には「エゾナキウサギ」が生息しています。
超希少種なため、登山をしても逢えるかどうかわかりません。

神秘的な「きのこ氷」

94151:神秘的な「きのこ氷」

撮影/吉田匡和

切株からキノコのように氷が飛び出しています。

「きのこ氷」と呼ばれ、地形と気象条件が合わなければ見ることができません。

94113:

撮影/吉田匡和

きのこ氷は世界でも稀で「糠平湖でしか見られない絶景」といわれています。
これから評判になるかも知れませんよ!

大自然を貸し切る

94116:大自然を貸し切る

撮影/吉田匡和

スコーンと晴れた空に、きのこ氷とタウシュベツ川橋梁!

他にツアー客もいず、夢のような光景を独り占めです!

動物たちの世界

94117:動物たちの世界

撮影/吉田匡和

対岸にキタキツネを発見!

単独行動をするため、自然の中で複数見るのは珍しいことなんですよ。

94142:

撮影/吉田匡和

エサが豊富だったのか、瘦せもせず毛並みがフワフワです。

可愛いですが「エキノコックス」という寄生虫が付いていることが多いので、絶対に触ってはいけません。
野生動物にエサを与えることもやめましょう。

94143:

撮影/吉田匡和

東大雪は自然動物の宝庫です。

沢に目をやるとエゾシカがこちらを見ていました。
糠平では普通に街中を闊歩していますよ。

夢の時間終了

94144:夢の時間終了

撮影/吉田匡和

3時間ほどの夢の時間が終了!

普段の行いがいいのか、運の悪さの反動からか、ガイドさんも驚くくらい動物と希少な現象を見ることができました!

お昼ご飯は野生の味

94148:お昼ご飯は野生の味

撮影/吉田匡和

シカを見た後でナンですが、お昼は糠平源泉郷の「レストラン・ナウシカ」で、ちょっとだけ獣の匂いのする“シカ丼”を美味しくいただきました。

レストラン ナウシカの住所・アクセスや営業時間など

名称 レストラン ナウシカ
住所 北海道河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷南区35-1
営業時間・開場時間 11:00−15:30
利用料金や入場料 鹿丼 950円
参考サイト http://nuka-onsenhotel.sakura.ne.jp/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

一生忘れられない感動がそこにある

何もないと思もわれ素通りされがちな東大雪には、「大自然」という魅力が溢れています。
必要なのはわずかばかりの体力だけ。

それさえ惜しまなければ、素晴らしい絶景に出会うことができます。

現在の糠平地区の人口はたった80人程度。
多くが旅館などの観光従事者ですが、お客さんが少なく後継者もいないので、風前の灯です。
もっと東大雪のすばらしさを理解してもらい、ひとりでも多くの人に足を運んでほしいですね。