【フランス建築の歴史】フランスの王道観光!歴史的建造物ってどのように造られたんだろう?

「近代建築の父」と呼ばれるル・コルビュジエの建築が世界遺産になり注目を浴びたように、世界中にはいろいろな建築物がありますね。フランスには美しいお城や荘厳な教会など、見ごたえのある歴史的建築物が多いと思います。そんな、フランスの建築物たちってどのような軌跡をたどり今に至るのか、気になりませんか?今回は、フランス建築の歴史について簡単に触れてみたいと思います。

美しさという歴史を持つフランスの建築物

美しさという歴史を持つフランスの建築物

image by iStockphoto

フランスで建築物を見る時って、その建物が持っている歴史と合わせてみることがほとんどだと思います。
建物が持つ古くからの歴史や独特の個性を生かすて建てられた近代建築が混在する魅力的な建物が多いのも事実です。
特に、歴史的建築物は、文化遺産として自由に改築できなくしており、国が個人の利益より公共利益を大切にしています。
シャンゼリゼ通りにある、「ル・フーケ(Le Fouquet’s)」は、こういう意味でも有名なんですよ。

そんな、社会的価値観があるからこそ、憧れのフランスという言葉が似合う街として発展したのではないでしょうか?ぜひ、フランスに行かれたら、ここの建物が持つ特徴と周辺との調和を楽しむのも醍醐味です。
その観光スポットの歴史的意味を知っていると、尚、楽しい観光になること間違いなし。
フランス建築の移り変わりを年代を追ってお話ししてみたいと思います。
少しだけ、お付き合いくださいね。

ガロ・ロマン時代

ガロ・ロマン時代

image by PIXTA / 1757264

紀元前56~後5世紀ごろのフランスは、ほとんど帝政ローマの支配下でした。
ローマ人たちが建てた都市には、必ず大型娯楽施設がセットになっています。
フランス全土に今でも点在している遺跡たちの保存状態は最高です。
いくつかの古代劇場は、現在もコンサート会場として使われており、円形闘技場や公衆浴場なども残されています。
大規模な建物は、美しい造形美を保っており、当時の建築技術を垣間見ることができます。

ここで訪れてみておきたいのは、紀元前1~2世紀に建設された、ブルゴーニュ地方にある、アエドウイ族の都の「ビブラクト遺跡」では、城壁ではローマ以前の小石を丁寧に積み上げた建築形式を見ることができます。
かつて、ローマ帝国時代に栄えたオランジュやアルルなどプロヴァンス地方には、特に多くのローマ遺跡が点在しています。

初期の教会とロマネスク

初期の教会とロマネスク

image by iStockphoto

3世紀以降は、キリスト教布教が行われ聖堂や教会が建てられましたが、ほとんどは破壊されました。
10~12世紀にフランス南部を中心にロマネスク建築が広まりました。
これは、フランス建築が飛躍したことを表しています。
特に、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路に点在しています。
地方によって若干スタイルは変わっていますが、外観は簡素で重厚な石造りの天井を支えるために壁は厚く、内部を広く見せるアーチ工法や窓が小さく薄暗いのが特徴です。
また、ファサードなどの彫刻はユニークなものとなっています。

4世紀にはポワティエのサン・ジャン洗礼堂があり、キリスト教建築としては、フランスでも最古級のものです。

ゴシック建築

ゴシック建築

image by iStockphoto / 3728783

12世紀には、ロマネスクの円熟期を迎えます。
12~15世紀にゴシック建築が花開き、時代によって次第に高く華美になっていきました。
イル・ド・フランスや北部の都市を中心に発展しており、尖頭アーチと交差リヴ・ヴォールド、フライング・パットレスという、新技術が生まれました。
天井を高くし、窓を広く取れるようになり、内部も明るくなりました。
窓には、色とりどりの、ステンドグラスがはめられています。

特にこの様式で数多く造られた教会で見られる、アーチが円柱に結集し、床までまっすぐ降りてくる柱が規則正しく林立する姿は壮麗です。
高窓から注ぐ柔らかな光と、天井を高くしたことで広がった空間の相乗効果は、まさに神の宿る場所として相応しく神秘的なものとして成長しています。

1135~1168年に建てられたブルゴーニュ地方北部にある世界遺産のブールジュ大聖堂が先駆けとなっています。
また、パリのノートルダム大聖堂のバラの窓も必見です。
ゴシックは13世紀にたくさん作られており、14世紀になって複雑なものに変化しています。

やっと到来!ルネサンス建築

やっと到来!ルネサンス建築

image by iStockphoto

15世紀にイタリアで開花したルネサンス建築が、16世紀にフランスに入ってきました。
高い装飾性を特徴としたこの建築様式は、国王や貴族の城館に採用されています。
要塞的な必要性もなくなってきており、防御より美しさを競った時代でもありました。
既にゴシック時代に、教会は各地方に出来ていたので、ルネサンス期にはさほど必要なかったようです。

image by iStockphoto

ロワール川流域には、ルネサンス期の城が点在しています。
シャンボール城やアゼ・ル・リドー城などが見どころです。
都市部の貴族館には広場や噴水などが美しく造られ、イタリア的な優美さを見ることができます。
パリ市内での見どころは、何といってもポン・ヌフ橋。
セーヌ川でも古いもので、ルネサンスを使った様式が有名です。

古典主義建築とバロック様式

古典主義建築とバロック様式

image by iStockphoto

17~18世紀になると、華美なルネサンス式から落ち着いた様相の古典主義建築が好まれるようになります。
ギリシャやローマの古代文化を表し、厳格で明快な構造と装飾の簡素化が求められたのです。
もちろんバランスにおける美しさも必要でした。
この時代の特徴は、広場から広がる都市計画に基づいて造られるようになったことです。
古典主義にモニュメントとしてのエッセンスを加えたものがバロック様式と呼ばれ、名建築家を指名して作られています。

image by iStockphoto / 84899155

ソルボンヌ教会やアンヴァリッドが有名です。
それ以上にバロックの代表といえば、何といっても豪華な建物と美しく壮大な庭園を持つ、「ヴェルサイユ宮殿」は外せませんね。

アールヌーヴォーの時代

アールヌーヴォーの時代

image by iStockphoto

19世紀には、素材に関わるこれまでにはない変化が出来上がります。
建築や芸術面で新スタイルを生んだ、アールヌーヴォー様式が流行しました。
ガラスや鉄、コンクリートを主材としたもので、緑地や公園をバランスよく配し、ガス灯や上下水道など景観におけるモノづくりを始めています。

特にパリには今でも数多く残っており、かつてはアールヌーヴォーを使った大改造が行われ、ヨーロッパでも類を見ない壮麗な都市として、また、フランスの首都として華やかに再デビューを果たしたのです。

アールヌーヴォーを観光する上で欠かせないのは、アールヌーヴォーの代表者「エクトール・ギマール」による、地下鉄の入り口。
特に、パリ16区にあるポルト・ドフィーヌ駅は見応えがあります。

近年のフランス建築の面白さ

近年のフランス建築の面白さ

image by iStockphoto

これまでのフランス建築の集大成ともいえる建築物が、20世紀には数多く造られています。
1977年のポンピドゥー・センターもこの時代の傑作の一つです。
ルーブル美術館の中庭に作られた透明なガラスのピラミッド。
ダ・ヴィンチコードのロケ地となったことでも有名ですね。
これは、フランス革命200周年に作られたモニュメントの一つで、他にもラ・ヴィレット公園の建物群や、西郊外のラ・デファンスの新凱旋門、アラブ文化センターなどがあります。

これらが、歴史的建造物と上手く融合できている立役者には、パリのシンボル的存在のエッフェル塔があることは忘れてはいけませんね。
1887~1889年に作られましたが、最初は「こんなものを…。」と不評でした。
でも、新しいものを取り入れることに長けているフランス人はすぐにこのエッフェル塔を受け入れました。
この国民気質こそが、憧れのフランスを造ったのではないでしょうか?

フランスには素敵な建物がいっぱい

フランスの魅力の一つに、美しい都市景観というものがあると思います。
ご紹介したように建築物の数々をみていると、国全体が美術館のように思えてきます。
ぜひ、フランスの歴史的建造物をアート的立場や建築技術的立場、歴史における重要性などを加味して、より一層素敵なフランスを楽しんでくださいね。
photo by PIXTA and iStock