えりも発!シーカヤックでアザラシの赤ちゃんに逢いに行く

自称ネイチャー系文筆家・写真家の吉田匡和です。

みなさんは「えりも岬」という場所をご存知でしょうか。むかし森進一が「♪えりもの春は~何もない春です」と歌った場所です。

冗談じゃない!何もないどころか、国内有数のアザラシの生息地として有名です。

今回は、赤ちゃんアザラシをシーカヤックで見に行っちゃいます!

つねに風が吹き荒れる場所

99201:つねに風が吹き荒れる場所

撮影/吉田匡和

えりもは風が強い場所で、風速10m以上の風の吹く日が年間260日以上もあります。
そのため岬周辺には木が生えません。

強風体験で台風レポーター気分

99202:強風体験で台風レポーター気分

撮影/吉田匡和

岬にある「風の館」には強風を体験する設備があり、風速25mの風を受けることができます。
このレベルになると、話し声は聞こえず、何かにつかまらないと立っていることもできません。
台風のレポーター気分が味わえますよ。

まず、これだけ風が強い場所だということを覚えておいてください。

襟裳岬「風の館」の住所・アクセスや営業時間など

名称 襟裳岬「風の館」
住所 北海道幌泉郡えりも町字東洋366-3
営業時間・開場時間 5月、6月、7月、8月 :9:00-18:00(入館は17:30まで) / 3月、4月、9月、10月、11月9:00-17:00時(入館は16:30まで)
利用料金や入場料 大人・大学生 300円 / 小・中・高校生 200円 / 幼児 無料
参考サイト http://www.town.erimo.lg.jp/kaze/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

シーカヤックツアーとは?

99203:シーカヤックツアーとは?

撮影/吉田匡和

シーカヤックは、簡単にいえば海用の手漕ぎボートです。
全国のあちこちでシーカヤックツアーが行われていますが、えりものウリは、なんといってもアザラシが見られること。
それに尽きるでしょう。

99204:

撮影/吉田匡和

えりも岬沖には、ゼニガタアザラシが600頭ほど定住し3~4月にかけて出産、4月下旬から6月にかけて子育てをします。
まさにその時が赤ちゃんアザラシを見るチャンス!

岬の上から見られないこともありませんが、肉眼では点にしか見えません。
上の写真は、ズームレンズを使い、さらにトリミングしています。

何とそれは「幻のツアー」だった!

99205:何とそれは「幻のツアー」だった!

撮影/吉田匡和

近くで見るには、シーカヤックで近づくのが一番。

「楽しそう」「ぜひ参加してみたい」誰もが思うことでしょう。
しかし、それは実施率が極めて低い「幻のツアー」だったのです!

99206:

撮影/吉田匡和

アザラシを見るシーカヤックツアーは、えりも岬にある「クリフカヤックス」が実施しています。
今年度のツアーがスタートとなる4月29日に申し込むも中止。
2度目となる5月末も中止。
前泊しなくては参加できないため、そのたびに宿泊費や交通費が飛んでいきます。

「このツアーの参加、やめようか」と思いましたが、3度目の正直を願って賭けに出ました!

クリフカヤックスの住所・アクセスや営業時間など

名称 クリフカヤックス
住所 北海道幌泉郡えりも町字えりも岬59番地 
営業時間・開場時間 8:00-17:00
利用料金や入場料 2時間 : 6,500円(税込)から(カヤック・装備一式付) 
参考サイト http://www5.plala.or.jp/clifferimo/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

望洋荘に泊まるという保険

99207:望洋荘に泊まるという保険

撮影/吉田匡和

ツアーを実施する「クリフカヤックス」は「柳田旅館」という旅館が経営していますが、今回の宿泊は同じえりも岬にある「望洋荘」にしました。

99208:

撮影/吉田匡和

この宿は、宿泊客を船でアザラシの見える沖合まで連れて行ってくれるツアーを実施しています。
シーカヤックツアーの実施決定が前日の20時に分かるため、中止の場合は船で見に行こうと保険を掛けたのです。

しかし宿のご主人から思いがけない言葉が!

「明日は用事があるので、船は出せませんよ」

ガーン!←死語

これってヤバくない?「ほけんの窓口」に相談しようか?

一体、どうなってしまうことやら!

天気がよければ凪がよいわけではない

99209:天気がよければ凪がよいわけではない

撮影/吉田匡和

大きな太陽が太平洋に沈んでいきます。
シーカヤックは波や風に弱いため、少しでも時化るとツアーは中止になるという、まったくえりもに向いていないレジャーです。

聞くところによると、天気がよいから凪がいいというわけでなく、晴れている日でも風が強いのだとか。
相当な気難し屋といえます。

旅館 望洋荘の住所・アクセスや営業時間など

名称 旅館 望洋荘
住所 幌泉郡えりも町字東洋312
営業時間・開場時間 チェックイン 15:00-18:00 / チェックアウト-10:00迄
利用料金や入場料 1泊2食 6,804円から
参考サイト http://www.town.erimo.lg.jp/kankou/pages/qot0ek00000003a6.html
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

そして、その時を待つ

99210:そして、その時を待つ

撮影/吉田匡和

1泊2食付き6800円とリーズナブルなため、食事は期待していませんでしたが、さすが漁師の宿だけあり、新鮮な魚介が並びました。
どれも美味しくて、おひつのご飯をカラにしちゃいましたよ!

食事が終わり、明日のツアー実施を確認すると「実施予定です」とのこと。
ヤッターという気持ちよりも、「ほんとだろうな」という疑いが強く、まだ素直に喜べません。

ついに「幻のツアー」に参加!

99211:ついに「幻のツアー」に参加!

撮影/吉田匡和

翌日の海は穏やかな凪です。
とうとう念願のツアー参加決定!ようやく、喜びがこみ上げてきました。
4月は実施せず、5月は2回、6月も中旬だというのに、今日で3回目の実施だそうです。
こりゃあ、誰も参加できないですね。
ネットで探してもレポがないはずだ。

そんなワケで、このツアーを詳しく紹介するのは、日本初かも知れません。

アザラシウォッチングツアー・レポート

99212:アザラシウォッチングツアー・レポート

撮影/吉田匡和

まずは、簡単にレクチャーを受けた後、シーカヤック歴30年の柳田旅館5代目のご主人の案内で浜に向かいます。
「今年は、波の状態が悪く、あまり実施できませんね。
まあ、気分がのらないときや、電話の応対が悪い時に断ることもあります」といいます。

99213:

撮影/吉田匡和

「あのー、2日前に電話で予約したときに『その日は満杯』って一回断られたんですけど、今日の客が一人ってどういうことですか?」

思わず出そうになった言葉を飲み込みました。

海へ

99214:海へ

撮影/吉田匡和

波が穏やかになるのを待って沖に出ます。
浜辺を出てしまえば、ほとんど波はありません。
後ろで柳田さんが漕いでくれるので、負担なく進むことができます。

アザラシのいる岩場

99215:アザラシのいる岩場

撮影/吉田匡和

しばらく漕ぐと、アザラシが水面に顔を出しているのに出くわしました。
興味深そうにこちらを覗き、危険を察知するとサッと潜っていきます。
白目がないので亡霊のようにも見えます。
ちょっとコワイですね。

テリトリーがある

99216:テリトリーがある

撮影/吉田匡和

アザラシの生息地に入りました。
柳田さんいわく、「岸に近いのが弱い個体で、沖にいるのが強い個体」だそうで、それぞれテリトリーがあるそうです。

「ゼニガタ」といえば「とっつあん」

99217:「ゼニガタ」といえば「とっつあん」

撮影/吉田匡和

身体の丸い模様がお金(銭)のように見えることから、ゼニガタアザラシと呼ばれています。
日本には5種類のアザラシが生息していますが、この付近はゴマフアザラシやワモンアザラシ、ゼニガタアザラシ、クラカケアザラシなど4種類が集まる「アザラシ天国」です。

人とアザラシの難しい関係

99219:人とアザラシの難しい関係

撮影/吉田匡和

アザラシが集まるのは、エサが豊富だから。
そのおかげで漁業被害も大きく、漁師を悩ませています。
人と野生の動物が共存するのは難しいですね。

赤ちゃんアザラシみっけ!

99220:赤ちゃんアザラシみっけ!

撮影/吉田匡和

写真左はじの小さなアザラシは、赤ちゃんです。
ようやく出会うことができました。
生後1か月ほどで親離れするので、この子は遅く生まれたのでしょう。

命を落とす確率10パーセント

99221:命を落とす確率10パーセント

撮影/吉田匡和

アザラシを狙ってシャチが来ることもありますが、人を襲うことはまずありません。
他の動物に食べられたり、高波で岩に打ち付けられて死んでしまったり、約10%が大人になることなく命を落とします。
「大人になる」ということは簡単なことではないのですね。

夢から覚める時間

99223:夢から覚める時間

撮影/吉田匡和

いつまでも洋上に浮かび、アザラシを眺めていたいですが、戻る時間になってしまいました。
シーカヤックの先端を岬に向けます。
今度、このツアーが実施されるのは、いつの日のことなのでしょうか?

99224:

撮影/吉田匡和

柳田旅館に戻り、シャワーを浴びてランチタイムとなります。

なぜハンバーグ?そして野菜山盛り?以前泊まった時の食事が、シンプルながらおいしかったので、これはちょっと残念。
最後にオチが付いてしまいました。

野生のアザラシに逢いに行こう

99226:野生のアザラシに逢いに行こう

撮影/吉田匡和

3度目の正直で、ようやっとアザラシを見ることができました。
成長してしまって数は少ないですが、赤ちゃんアザラシに逢えて感激です。
一応「毎日実施」の予定ながら、実施する確率の低い幻のツアー。
挑戦してみませんか?