ファンの喜びはミュージシャンの悪夢?アメリカ音楽配信サービス事情

インターネット以降、音楽の聞き方は大きく変わってきました。アメリカでは様々な音楽ストリーミングの聞き放題サービスが人気です。この新しい音楽の聞き方は、どのような変化を世の中にもたらすでしょうか。






CD、ダウンロード販売からストリーミングへ

CD、ダウンロード販売からストリーミングへ
みなさんが最後にお店でCDを購入したのはいつでしょうか?ひょっとしたらここ10年近くも新しいCDを購入していない、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際にアメリカでは2000年前半より、CDの販売額は右肩下がりです。
またiTunesなどを通したダウンロード販売も、売上高は頭打ちで、ここ数年は前年比マイナスを示しています。
音楽は我々の生活から消えてしまったのでしょうか?いえ、その聞き方が以前とは全く様相を変えて来ているのです。

好きな音楽を購入して、自分の所有物として楽しむことから、好きな音楽を好きなだけ好きな時にサーバーにアクセスして聴くという形態の楽しみ方に変わって 来ています。
このような方法で、音楽をサーバーから直接受信しながら同時に再生を行う方式をストリーミングといいます。

ストリーミングに特化した、定額制 (または無料)の音楽聞き放題サービスがアメリカにはいくつか存在し、現代のアメリカでの音楽聴取の主要な形式になっています。

様々なサービスが存在する米音楽ストリーミング業界

様々なサービスが存在する米音楽ストリーミング業界
現在アメリカには無料、有料の様々なストリーミングサービスが存在します。
最大の会員数を誇るスポティファイ(Spotify)は、広告やいくつかの制限がある無料会員、または月$9.99で広告や制限の無いプレミアム会員が存在します。
会員が自由に自分のプレイリストを公開できる等のサービスを古くから行っており、多くのストリーミングサービスの基礎を作ったといっても過言ではありません。
グーグルによるグーグルプレイミュージック(Google Play Music)は、同じく広告付きの無料会員と、$9.99の有料会員が存在します。
有料会員は音楽ストリーミングだけでなくYoutubeも広告無しで見 られるという特典があります。
アップルによるアップルミュージックは2015年に始まった比較的新しいストリーミングサービスで、月$9.99の有料会員 のみです。

この他にもアマゾンプライム会員は無料のアマゾンプライムミュージック(Amazon prime music)や月$20で高音質音楽が聞き放題のTidal などが存在します。







安さ、便利さ = ミュージシャンのワーキングプア化?

安さ、便利さ = ミュージシャンのワーキングプア化?
このように様々なサービスが乱立して過剰な競争のためか、我々消費者は無料でミュージシャンの作った音楽を、合法的に思う存分楽しむことが出来ています。
ほんの10−20年前でしたら、新しい音楽を探して聞くと言うことは非常に手間やお金のかかることでした。

それを考えると現代の我々はなんて恵まれた状況にいるのでしょうか。
新しい音楽を好きなだけ探し出して聞いたり、昔懐かしいあの曲も簡単に聞くことが出来ます。
ではなぜこんなにも安く、大量の曲を聞くことが出来るのでしょうか。
その理由の一つとして、ミュージシャンへ渡るお金が少ないと言うことがあげられます。

例えばスポティファイでは、一曲流れるごとに$0.006から$0.0084のお金がミュージシャンへ支払われます。
これは1000回流れると、ようやく 700円程度のお金が支払われると言うことです。

例えばスポティファイのみの活動で年収700万円を得るためには、1年間で100万回の再生数がないとい けないということです。
ではこのような社会状況で、音楽やミュージシャンはどのように変化していくのでしょうか?ミュージシャンはこれからどんどん貧乏になって、プロというより趣味で行うものになるのでしょうか?それともコンサートやライブを行うことで集金をし、ストリーミングはあくまでもその宣伝として位置づけるのでしょうか?

これからの音楽業界とミュージシャン

image by PIXTA / 17737217

現在のところ、まだはっきりとした将来像は見えていないようです。
しかし、この状況に異議を唱えるミュージシャンも出てきました。
アメリカの人気歌手のテイラー•スイフトは、スポティファイからミュージシャンへと支払われる曲の対価が不当に低いとし、すべての曲をスポティファイへと提供しないと決めました。

このような批判の高まりを受け、スポティファイはじめ他のストリーミングサービスでも無料会員を止めるのではないかという噂が絶えず聞こえてきます。
今の所は大手のサービスは無料会員を止める決定をした所はありませんが、もしかすると今後は止める所も出てくる可能性があります。

一方で我々ファンの方も、好きな音楽を楽しむためには、ミュージシャンへとお金と言う形で還元していく必要があるのではないでしょうか。

次のページでは『新しい音楽の世界へ』を掲載!
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wondertrip編集部

Writer:

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