あなたも浮いてる?旅先で、ど派手な服を着てしまう人たち

久しぶりの海外旅行に行くのなら、キャリーバックを新調して、一番の勝負服を身にまとい、現地の人たちの着こなしに負けないように、かっこよくいきたいものです。ですが、お金と頭を絞って考え抜いたその頑張りは、かえって現地の人に嫌な思いをさせてしまっているかもしれません。


旅行先で浮いてしまう、あなた

「古ぼけたピンクに、くすみんだ黄色、暖色系のカラーで塗装されたレンガ造りの建物が並ぶ。

通りには、様々な形に削られた石が敷き詰められ、灰色と黒のグラデーションが美しい。

街を行き交う人々の髪の毛は、ブロンド。
モノトーンのファッションで統一され、まさに異国情緒にあふれている。」

ここローマはもちろん、世界中のすべての街や人、日常はたくさんの色であふれ、色がその土地ならではの光景を作り出しているといっても過言ではありません。
統一された色に囲まれた場所で、ど派手なビビッドカラーの装いをした観光客が浮いてしまうことは言うまでもありませんし、せっかくの異国の雰囲気を台無しにしてしまうことも予想がつく話です。

訪問先で好まれる色、嫌われる色を事前に知っておくことは、旅行者としてのあなたが現地に溶け込み、一体となるために欠かしてはいけないマナーなのかもしれません。

赤は、幸せの色!?

日の丸にも使われている赤は、日本をはじめとするアジアでは、幸せの色として使われることが多いと言われます。

中国の多くのレストランが赤い店構えを設けているのを目にしますが、中国では、商売繁盛をはじめとする幸運や幸福を願う色として使われ、地域によっては、紅白饅頭のように、結婚式でも赤い装飾をほどこして新郎新婦の幸せを祝福するそうです。

アメリカやヨーロッパでは、赤は情熱をイメージさせるとされていて、各国の大統領が熱意や統率力を表現する演説の場面では、赤いネクタイを着用したイメージ戦略を多く見かけることができます。

多くの国でポジティブなイメージがある赤ですが、もちろん世界共通のものではありません。
イランやパキスタンなど、特にイスラム教が信仰される中東地域においては、赤は、危険や警告を意味し、地域によっては「悪の色」として見られることもあるそうです。

緑は、自然を表す平和な色!?

青々とした木々や草原のように、自然由来の色である緑。
アメリカやヨーロッパ、アジアの多くの国では、「グリーン・ビジネス」という言葉もあるように、環境志向や健康志向な自分を表現するために選ばれるカラーの一つです。

その一方で、アメリカでは紙幣が緑色であることからなのか、お金を想像させたり、また中国では魔除けに使われるなど、少しネガティブなイメージがもたれることも事実です。

メキシコの南、カリブ海周辺などのラテンアメリカでは、緑がもつ印象は一変します。
緑をポジティブにとらえるヨーロッパに対し、それらの国の植民地だったこの地域では、反対に「死の色」として敬遠されることは、その歴史と無関係ではないかもしれません。

紫は、ラグジュアリー!?

604年、聖徳太子が冠位十二階を制定したときに、紫はもっとも位の高い者が身に着ける色とされ、紫が与える高貴な印象は、現代の日本にも今もなお残っています。

日本はもちろん、欧米の各国でも、紫は富を象徴し、高貴な印象を与え、地域によっては国王がまとう衣服のために使用されることがある、ラグジュアリー・カラーの一つです。

ですが、タイではその印象は変わり、喪に服す色として使用されます。
未亡人となった女性は、夫の死後に紫色の喪服を着ることとされています。
ブラジルをはじめとするラテンアメリカも同様で、死を象徴する色として使われることが一般的だそうです。

天使は白で、悪魔は黒?

「天使は白、悪魔は黒」という私たちのイメージも地域によって異なっているのかもしれません。

日本人が好きな色No.1、真っ白なウェディングドレスに、白衣の看護師、純白、潔白というように、白は純粋で、洗練されたイメージを与え、海外を訪れる際のファッションカラーとしても着こなしやすいもののように感じます。
ところが、イタリアでは、白は葬儀の際に使用され、そうした場には白い菊の花を並べることとされています。

そして黒ですが、タイやチベットでは悪魔と関係する色と言われて、欧米やアジアの多くの国でも、死のシンボル色として喪服に用いるようですが、ところ変わって中国では、男らしさを表す色とされ、男の子の成長や、富、健康を祈願するために用いられることがあります。

旅先で浮かないために

ある日本人カップルが中国の友人の結婚式に参加したときのエピソードです。

「私は、祝福の色である赤のドレスを着て、彼氏は礼儀正しく白いネクタイを結んで出席しました。
ところが、中国では、赤は花嫁の色で、ゲストが身に着けることはタブー、白いネクタイは葬儀の時に着用するものだったんです・・・本当に失礼なことをしてしまいました。」

国や地域によって異なる色の解釈ですが、もちろん、こうした意味は、それを見る人や場面によって変わってくることは言うまでもありませんし、観光旅行程度であれば、そこまで細かく気にする必要はないのかもしれません。

ですが、旅行者として私たちがもっと気にかけるべきは、たとえ観光であっても、その場所に降り立った瞬間に、私たちは現地の人々の生活にすでに入り込んでいるということです。
色だけに限らず、振る舞いや、手振り、普段の何気ない行動の一つ一つが、旅行を良くも、悪くもする可能性があることは知っておくべきかもしれません。

(参考:WebdesignerDepot

色を追いかけると、文化が見えてくる

現地の風習や文化を知る方法のひとつとして、訪れた街で使われている色使いや、ファッションのカラーリングなど、視線に入ってくる一つ一つの色を追いかけてみると、その土地の人々の生活スタイルや、守られている習慣など、ガイドブックには載っていないような生の姿が見えてきます。
色を起点にした旅は、きっと旅行の新たな一面を見せてくれるはずです。
Takashi Wada

Writer:

人はなぜ旅行をするのでしょうか。観光、食事、お土産・・・ その理由がなんであれ、私たちは、その土地に生きる人々から、多くのことを学べるはずです。 心理学専門、「人の心を読むライター」として、異なる環境に住む人々の文化、考え方、大切な価値観、生き様など、「 心 」をテーマにしたコラムを投稿していきます。

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