【アメリカのテーブルマナー】最先端のフォークとナイフの使い方「ハイブリッド・スタイル」がオシャレで国際的!

アメリカ人のテーブルマナーがヨーロッパの人々と違うことを存知ですか?今回は、「アメリカン・スタイル」とヨーロッパの「コンチネンタル・スタイル」、そして最近アメリカで話題の「ハイブリッド・スタイル」について、それぞれにユニークな「ナイフとフォークの使い方」をご紹介します。


アメリカン・スタイルは、フォークを左手から右手に持ち替える

アメリカン・スタイルは、フォークを左手から右手に持ち替える
「左手に持ったフォークでビーフステーキを押さえて、右手のナイフで切る」のは、私たちにも馴染みのある西洋式のテーブルマナーですが、スタイルの違いが出るのは、この後です。

肉を切った後、アメリカ人の多くは、ナイフをプレートの右上に置き、左手のフォークを右手に持ち替えて食べ始めます。
右手のフォークで食べ終えると、再びフォークを左手に持ち替え、右手にナイフを持ち、切ったらまたナイフを置き、フォークを右手に持ち替えて食べる、という動作を繰り返します。

アメリカン・スタイルとして知られているこの方法は、フォークが左右の手を行ったり来たりするので ”zig-zag method (ジグザグ法)”とか ”cut-and-switch method (切っては持ち替える方法) ”と呼ばれていて、利き手でフォークを使えますし、フォークで刺すだけでなく、フォークの腹を上に、料理をスプーンのようにすくい上げて食べられる利点があります。

コンチネンタル(ヨーロッパ)・スタイルは、フォークを持ち替えない

コンチネンタル(ヨーロッパ)・スタイルは、フォークを持ち替えない
一方、ヨーロッパで主流のコンチネンタル・スタイルは、フォークを左手に、ナイフを右手に持ったまま、切りながら食べます。
フォークの持ち替えがないために動きが簡潔で美しいこのスタイルを常識とする人々の間では、アメリカン・スタイルは評判が悪いようです。

アメリカン・スタイルについて、あるイギリス人の紳士は、「フォークが左右の手を行ったり来たり、右手のフォークだけでは上手くフォークに乗せられず、皿の上でフォークが料理を追いかけ回す。
挙句の果てに、指を使って食べ物をフォークに乗せる人もいて、無駄が多く、エレガントな食べ方ではない。」と、話していました。

そんな彼らの指摘を受けることが増えてきた昨今、アメリカ人は、自分たちのスタイルがヨーロッパとの違いを認識し、自分たちのマナーを見なおそうという動きが出てきました。

アメリカン・スタイルのルーツはフランス

アメリカン・スタイルのルーツはフランス
アメリカン・スタイルは、19世紀の初めにイギリス人がアメリカに伝えたフランスのテーブルマナーが起源。
当時は、利き手であり「聖なる手」である右手でフォークを持って食べるために「フォークの持ち替え」は、必要なことでした。

ところが後にフランスもイギリスも「(フォークの持ち替えは)美しくない」という理由で、コンチネンタル・スタイルを正式のテーブルマナーと制定したので、情報に乏しかったアメリカだけが取り残されてしまいました。
ヨーロッパで却下されてしまったテーブルマナーがアメリカで今も健在なのは、とても興味深いことです。
((注)フランスでも古い習慣が残っている家庭では「切ったら持ち替える」風習も見られ、アメリカ人の「持ち替え」には、寛容とのこと。)

アメリカらしいハイブリッド・スタイル

アメリカらしいハイブリッド・スタイル
何をするにも「自由に、合理的に、楽しく」がアメリカ流。
ヨーロッパ文化の良い所を取り入れ、自分たち流にアレンジしてきた彼らですから、フォークとナイフの使い方にも工夫を加え始めたのは必然のこと。
古フランス流に習い「フォークを持ち替え」続けて200年のアメリカに、ついに登場したのが「ハイブリッド・スタイル」です。

特に西海岸で普及し始めているこの「ハイブリッド・スタイル」は、フォークを持ち替えません。
ナイフを右手に、フォークを左手に持ち、フォークを鉛筆のように持って、手首の向きを変えることで、左手でフォークの背と腹を自在に使いながら食べます。
つまり、フォークを持ち替えない点ではコンチネンタル・スタイルを、フォークの背と腹を使うという点ではアメリカン・スタイルを取り入れた、合理的なスタイルなのです。

この方法なら、ナイフを置いたりフォークを持ち替える時間的・動作的無駄を省くことができ、コンチネンタル・スタイルのようにフォークの背に食べ物を乗せる必要もありません。
しかも右手のナイフでアシストしながら左手のフォークの腹に乗せられるので、右手のフォークだけでは上手くすくえなかったアメリカン・スタイルの弱点も見事に克服しています。

ハイブリッド・スタイルの今後

典型的なアメリカの家庭では今日も伝統的なアメリカン・スタイルが正しいマナーとして子供たちに教育されています。
今後も「マム(お母さん)に習った」アメリカン・スタイルが維持されていくのか、それとも西海岸生まれのハイブリッド・スタイルが広まっていくのか。

マイペースのアメリカ人ですから、劇的な速さで広がることはなさそうですが、合理化や簡素化を愛するアメリカ人のことですから、見た目のスマートさも手伝って、西海岸のビジネスマンを中心にじわじわと広がっていくかもしれません。
その上、このスタイルならヨーロッパのコンチネンタル・スタイル支持者を不快にせずに済みます。

アメリカ生まれの、オシャレで最先端かつ国際的な「ハイブリッド・スタイル」を、どうぞお試しあれ!

Emi O.

Writer:

カリフォルニア州在住9年。家族は日本人の夫と3人の娘たちと犬二匹。
海外で異文化に親しみ多くの人々と深く知り合えたことは、日常の生活を楽しく豊かにしてくれただけでなく、日本の良い所を認識し自分自身の生き方や考え方を見つめ直す機会を与えてくれました。~人々が何に興味を持ち、何を考え、どのように暮らしているのか~ をテーマに、耳寄りな情報をお届けします。

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