観光の前に知りたい「武雄温泉」の昔と今、周辺の歴史的スポット

美味しいもの満載の楼門朝市

人が集まる湯治場には、湯治客相手の出店がよく似合います。
もしかしたら武雄温泉にも、豊臣秀吉軍の兵に酒や食べ物を売ったり、長崎街道を行き来する人々にお菓子をふるまったりする店が並んでいたかのかもしれません。
そんな光景を思い描きながら歩くと、一層楽しさが増すはずです。

武雄温泉に宿泊するなら是非楽しんで欲しいのが楼門朝市。
毎週日曜日、朝7時半から10時半頃まで、楼門を正面に様々なのぼりが立ち、たくさんの露店が軒を連ねます。
並ぶ品は多種多様。
武雄周辺の様々な名産品や採れたて野菜、名物の温泉たまごや雑貨など、とにかくいろいろなものがところ狭しと賑やかに並びます。
地元の人たちと会話しながらそぞろ歩くのが朝市の醍醐味。
また、抽選会やスイカ割り、流しそうめんなどイベントをやる日もあるので、見てまわるだけでなく参加して楽しむのも一興です。

数ある品の中で特におすすめなのがスイーツ。
佐賀は長崎街道(シュガーロード)の影響で、昔から砂糖を使ったお菓子がたくさん作られてきました。
もちろん武雄も例外ではありません。
朝市にも様々なスイーツが並びます。
昔から作られてきたものから今風のものまでいろいろあるので、お気に入りを見つけていただきたいです。

2017年で10周年を迎える武雄温泉の朝市。
古い歴史のある武雄温泉で新しく始まった、素朴で温かいおもてなし。
これからもどんどん盛り上がってほしいです。

廣福寺で仏像拝観

武雄温泉の東側の小高い場所に建てられた静かなお寺。
特に秋の紅葉は美しく、散策を楽しむ観光客の姿も多く見られます。
創建はおよそ800年前の鎌倉時代。
豊臣秀吉軍が湯治にやってくるよりずっと前から武雄温泉を見守っている、そんな歴史ある名刹です。

おすすめは紅葉の時期ですが、境内を彩る豊かな緑と静寂はどの季節でも堪能できます。

また、このお寺の釈迦堂には、国指定重要文化財の「木造四天王立像」が祀られていて、仏像ファンた足しげく通う場所でもあるのです。
やはり鎌倉時代に作られたもので、鎌倉初期に活躍した仏師運慶の作か、あるいは運慶の流れを汲む仏師の手によるものだとも言われています。

四天王とは仏教における守護神。
帝釈天がいる須弥山の四方を守っている神様で、名前を持国天(じこくてん)、増長天(ぞうちょうてん)、広目天(こうもくてん)、多聞天(たもんてん)と言います。
多聞天は単体で祀られることも多く、その場合は毘沙門天と呼ばれるそうです。

ご利益としては、戦勝祈願や国家鎮護といったことが挙げられます。
どういういきさつでこの四天王が祀られることになったのか、詳細は不明ですが、神功皇后の伝承や豊臣秀吉朝鮮出兵にゆかりの武雄温泉に四天王像が奉納されているとは、実に感慨深いです。

境内には他にも、銅鐘や犬切観音、七体地蔵など、文化財がたくさん。
心が休まります。
拝観料は大人300円、子供150円、朝9時から、16時まで入場可能です。

少し足をのばして~周辺のおすすめスポット







武雄の三本の大楠

武雄の三本の大楠

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武雄市の木でもある楠。
市内には、”武雄の三大楠”(川古、塚崎、武雄)と呼ばれる樹齢1000年を超える大樹があり、古くから大切に扱われてきました。
巨木名木が数多く点在するのも佐賀県の魅力のひとつです。

神話の時代からこの地にあって、武雄の地の移り変わりを見つめ続けてきた大楠。
3カ所まわって大楠の見比べを楽しむ人も多いようです。

まず、最も大きいのが川古の大楠。
推定樹齢3,000年、樹の高さはおよそ25m、幹の周囲が21mという、全国でも指折りの巨木でもあります。
大正13年には国の天然記念物の指定を受けました。
古木とは思えないほど見事な枝ぶりで、葉が生い茂っています。
奈良時代に行基(東大寺大仏建立に尽力した名僧)がこの地を訪れ、幹に2.4mもの観音像を彫ったとの伝承も。
武雄温泉駅からは少し離れていますが、わざわざこの巨木を見に足をのばす観光客も少なくないのだそうです。

塚崎の大楠は推定樹齢は2,000年で、樹の高さはおよそ18m、幹の周囲は13.9m。
昭和38年の落雷で幹が9mほどそぎ落とされてしまいましたが、根回りはおよそ35mにもなり、まるで一軒家のよう。
どっしりと風格があります。
比較的市街地に近い場所にあるところも、人気の理由となっているようです。

武雄の大楠は推定樹齢およそ3,000年、樹高27m、幹周20m。
武雄神社の御神木として大切にされてきました。
竹林に囲まれた一角に突如として現れるその姿は雄大で荘厳、見る人に力を与えてくれます。

大楠はパワースポットとしても観光客に人気。
温泉で温まって楠から力をもらえば運気上昇間違いなしです。

御船山楽園で景色を堪能

武雄の大楠の南方に、御船(みふね)山という標高210mの山があります。
とがって突き出たような、山水画に出てくる山のような独特の形をしたこの山の西側に広がっているのが、15万坪もの敷地面積を有する御船山楽園です。

もともとは武雄の第28代領主・鍋島茂義の別邸として、1842年からおよそ3年かけて造られた「萩の尾園」という広大な庭園。
茂義は鎖国時代の日本の中でも積極的に海外の学問や技術を取り入れたことで知られた名君。
佐賀藩の財政改革の傍ら大砲や蒸気船の導入を試みるなど、幕末の佐賀藩の軍事力・技術力の礎を築いたとも言われています。
きっと庭園造りにも多くのこだわりを見せたのでしょう。
御船山はかの神功皇后が朝鮮半島より戻った際に”御船をつながれた”と伝わる山で、まさに武雄のシンボル。
この山を借りて美しい庭園を造るべく、茂義は狩野派の絵師を京都より招いて庭園の完成予想図を書かせたのだそうです。

現在の御船山楽園は明治以降に整備されたもので、新たに様々な植栽が施され、四季折々、訪れる人の目を楽しまています。

圧巻は5万株・20万本とも言われる色とりどりのツツジが織りなすツツジ谷。
御船山をバックに丸くかわいらしく刈られたツツジが幾重にも連なって見ごたえ満点。
春先には多くの観光客がカメラ片手に笑顔を花咲かせます。

20m四方に広がって美しい花を揺らす大きな藤棚も見どころのひとつ。
また、5千本の桜が植えられていてお花見シーズンも賑わいます。
もちろん秋は園全体が紅葉し、紅葉狩りに訪れる人も。

御船山でロッククライミングをする人たちも多いそうです。
もしかしたら岸壁をよじ登っている人の姿を見ることができるかも?茂義公が見たらさぞ驚くことでしょう。
いや、茂義公なら「自分もやりたい」と言い出すかもしれませんね。

武雄で窯元めぐり

佐賀というと、有田や唐津など、陶器が有名な町が数多くあります。
古来より良い土がよく採れ、大陸よりいち早く陶磁器の技術が入って来たため、やきものの技術が発展したのです。
もちろん武雄市にもたくさんの窯元があり、やきものはさかん。
文録・慶長の役の際に同行した陶工たちによって始められ、400年の歴史があると言われています。
その技法は多種多様。
鉄絵・緑釉・鉄釉・刷毛目・叩きなど様々な技法が用いられ、大皿や瓶、壺、茶碗などが作られていました。

現在では市内各所に、個性的な窯元がおよそ90カ所。
野趣あふれる重厚なやきものから滑らかな手触りの繊細なものまで、窯元をめぐってお気に入りを見つけるのも武雄観光のおすすめポイントです。

いろいろ見てまわりたいけどどうしたらいい?という場合は、武雄温泉駅の構内に焼き物コーナーがありますので、足を運んでみてください。
いろいろな窯元の作品を見比べることができますし、購入も可能。
また、武雄温泉通りにある「緑青(ろくしょう)」という陶磁器もおすすめ。
えりすぐりの作品に触れることができます。

自分でも作ってみたい!という人は、陶芸体験ができる工房を訪れてみてください。
車で25分ほど、川古の大楠より少し手前の山深い場所に「竹古場キルンの森公園 飛龍窯」というところがあって、ここで絵付けや手びねりなど陶芸体験をすることができます。
広大な敷地の中に大きな登り窯があり、一度に12万個の湯飲みを焼くことができるんだとか。
やきものがお好きなら楽しめること間違いなしのスポットです。
また、やきもの体験は武雄温泉新館横にある工房でも楽しむことができます。

武雄観光の思い出にもお土産にもなる窯元めぐりや陶芸体験。
ご家族連れやグループにもおすすめです。

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