昭和レトロ薫る富士山南麓「岳南電車」沿線の小さな旅へ

静岡県富士市は、富士山の湧き水という自然の恵みを利用した製紙業が古くから盛んな街。その製紙工場群を縫うようにのんびり走るかわいらしい赤と緑の電車が、岳南電車[旧岳南鉄道]です。JR「吉原」駅に接続する起点から終点「岳南江尾[がくなんえのお]」までわずか10駅、全長9.2kmの地元密着型私鉄ですが、近年は工場夜景と富士山という組み合わせを求めて訪れる人が急増中。木造の古い駅舎や紙の硬券切符がいまだ現役の、どこか懐かしい昭和レトロな「岳鉄」沿線をご紹介[丸かっこ内は岳鉄 / JR最寄り駅名]。

「日本夜景遺産」にも認定された岳南電車

「日本夜景遺産」にも認定された岳南電車

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「岳鉄」は戦前、富士市に自動車製造関連工場や製紙工場がつぎつぎと操業を始めたころ、東海道本線から各工場への引き込み線として開業したのがルーツで、1953年にJR「吉原」駅-「岳南江尾」駅間が全線開通して10駅からなる現行路線となりました。

現在、「岳鉄」には赤い車体の7000系[通称「赤がえる」]と緑色の8000系[「青がえる」]が運行されています。
近年、「赤がえる / 青がえる」電車と工場群、そして富士山を写真に収めようとする鉄道写真愛好家の姿も多く見かけるようになり、木造駅舎は映画やTVCMの撮影にも使われています。

岳南電車岳南線の住所・アクセスや営業時間など

名称 岳南電車岳南線
住所 静岡県富士市鈴川本町14−2
営業時間・開場時間 吉原駅:5:40~22:25
利用料金や入場料 全線1日フリー乗車券 大人700円 こども300円]
参考サイト http://www.fujikyu.co.jp/gakunan/home.html
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

岳南電車岳南線のスポットページ

だるま市で有名な富士毘沙門天(吉原)

だるま市で有名な富士毘沙門天(吉原)

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旧東海道沿いにある香久山妙法寺[こうきゅうざん みょうほうじ]は、「日本三大だるま市」のひとつとして有名な「毘沙門天大祭 だるま市」の開催される寺院、と言ったほうが通りがよいかもしれません。
その起源はひじょうに古く、山伏が富士登山する際の「みそぎ」の儀式を執り行った場所が寺院のはじまりだとされ、本尊の「主神毘沙門天」像は聖徳太子[厩戸皇子]作とも伝えられています。

一歩境内に入るとそこには中国風の龍神香炉堂、インド窟院風の洞窟七福神堂が建つなど、異国趣味あふれる寺院建築じたいも見もの。

香久山妙法寺

JR「吉原」駅南口より東へ徒歩約15分。

香久山妙法寺の住所・アクセスや営業時間など

名称 香久山妙法寺
住所 静岡県富士市今井2丁目7−1
営業時間・開場時間 24時間
利用料金や入場料 無料
参考サイト http://www.fuji-bisyamonten.com/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

香久山妙法寺のスポットページ

広重も描いた名勝「左富士」(ジヤトコ前)

旧東海道を西へ進むと通常、富士山は「右側」にその勇姿を現しますが、それが「左側」に見えるポイントが街道筋に2か所あります。
その「左富士」は浮世絵師の歌川広重も描き、「藤沢・南湖[なんご]の松原 左富士[五十三次名所図会]」と「吉原 左富士[東海道五十三次]」の2作品として残しています。

「吉原 左富士」が見られるポイントはいまでも残っており、その名を冠したバス停もあります。
「名勝 左富士」石碑と1本だけ残ったクロマツ以外、往時を偲ばせる風景は残っていませんが、旧東海道を行き交った先人たちに思いを馳せながらぶらり散策してみては。

「吉原の左富士」

岳鉄「ジヤトコ前」駅下車、徒歩約10分、またはJR「吉原」駅からバスで「左富士」バス停下車すぐ。

吉原の左富士の住所・アクセスや営業時間など

名称 吉原の左富士
住所 静岡県富士市依田橋町7
営業時間・開場時間 24時間
利用料金や入場料 無料
参考サイト http://www.jalan.net/kankou/spt_22210aj2202044586/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

吉原の左富士のスポットページ

「岳鉄」乗ったらご当地グルメ「つけナポリタン」も(吉原本町)

「岳鉄」乗ったらご当地グルメ「つけナポリタン」も(吉原本町)

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民放TV番組とのコラボ企画がきっかけで2008年に生まれた「つけナポリタン」発祥の地、吉原商店街も「岳鉄」の地元。
「つけナポリタン」はトマトソースと鶏ガラを合わせたWスープに桜えびをトッピングしたオリジナル麺をつけて箸で食べるスタイルのイタリアン、だけどどこか和風でもあるご当地グルメ。
今年[2017年]は「東海・北陸B-1グランプリ in 富士」も盛大に開催されました。

現在、「つけナポリタン」を提供するお店にはオリジナル麺ではなくカッペリーニや焼きそば用の太目の麺で提供したりと、それぞれ店ごとの個性がはっきり出ているのも特徴。
「つけナポ」食べくらべ歩きも楽しいでしょう。








Coffee Shop アドニスの住所・アクセスや営業時間など

名称 Coffee Shop アドニス
住所 静岡県富士市吉原2丁目3−16
営業時間・開場時間 11:00〜18:00 火曜定休
利用料金や入場料 つけナポリタン 1,200円
参考サイト http://adonis.yoshiwara-shoutengai.com/
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Coffee Shop アドニスのスポットページ

田子の浦港と山部赤人歌碑(吉原)

田子の浦港と山部赤人歌碑(吉原)

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この歌碑は奈良時代の歌人、山部赤人が詠んだ短歌[田子の浦ゆ うち出てみれば ま白にぞ / 富士の高嶺に 雪は降りける」とその長歌「富士山を望む歌[天地の 分れし時ゆ 神さびて 高く貴き 駿河なる 富士の高嶺を…]」翻刻文が地元産出の松野石8本に揮毫され富士山形に配置されたもので、1986年に建立されました。

この歌碑はもとは田子の浦港 – 土肥間を結ぶ「西伊豆フェリー」発着場付近に設置されていましたが、2012年3月に新しく整備された「ふじのくに田子の浦みなと公園」のシンボルとして移設されました。
この公園は今後も整備拡張され、幕末に富士市沖で沈没したロシアの軍艦「ディアナ号」を再現した教育施設も今年度中にオープンする予定です。

ふじのくに田子の浦みなと公園

JR「吉原」駅から徒歩約25分、駐車場[143台、8:00-17:00]

富士市広報広聴課

Phone 0545-55-2700 / Fax 0545-51-1456

ふじのくに田子の浦みなと公園の住所・アクセスや営業時間など

名称 ふじのくに田子の浦みなと公園
住所 静岡県富士市前田 地先
営業時間・開場時間 駐車場:8:00〜17:00
利用料金や入場料 無料
参考サイト http://www.city.fuji.shizuoka.jp/fujijikan/enjoy/kb719c0000000ruy.html
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

ふじのくに田子の浦みなと公園のスポットページ

「工場夜景電車」も走ります(吉原-岳南原田)

「工場夜景電車」も走ります(吉原-岳南原田)

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2014年に鉄道としてはじめて「日本夜景遺産」に認定された岳鉄は、2両編成8000系の後続車両のみ消灯して工場夜景を楽しめる「夜景電車」も定期的に運行しています。

近年、注目されているのがこの「工場夜景」。
製紙工場の高煙突群が林立する富士市はとくに富士山の雄大な姿とともに工場夜景が楽しめる人気の工場夜景鑑賞スポット。
2016年12月には「第7回全国工場夜景サミット in 富士」も開催されました。

岳南電車の「工場夜景電車」

1-3月の第2土曜日の夜、「鉄道夜景電車」は第4土曜日の夜にそれぞれ1往復運行(イベント時および異常発生時は中止)。

「富士山とかぐや姫」伝説の残る竹採公園へ(比奈)

岳鉄のほぼ中間地点にさしかかると、「比奈[ひな]」という変わった名前の駅に到着します。
この比奈地区は「かぐや姫」伝説と関わりのある土地としても知られ、それを記念する公園も整備されています。

かぐや姫の伝承は全国各地に見られますが、ここ比奈地区の伝説はすこし変わっていて、かぐや姫は月ではなく、富士山に登って帰っていったと伝えられています。
公園内には富士山溶岩でできた「竹採塚(建立年代不明)」や、臨済宗中興の祖の白隠禅師の墓所などがうっそうとした竹林の中に佇んでいます。

竹採公園

岳鉄「比奈」駅から徒歩約15分。

開園時間 3 – 9月 8:30 – 18:00、10 – 2月 8:30 – 17:00

休園日 木曜日、12月29日 – 1月3日

富士市みどりの課

Phone 0545-55-2793 / Fax 0545-53-2772

次のページでは『須津川と富士山(神谷)』を掲載!
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