1990年に世界遺産に登録されたイタリア・フィレンツェの西南に位置する「美しき塔の町」として知られた町「サンジミニャーノ」。
13世紀に貴族が教皇派と皇帝派に分かれ、権力誇示のために競って塔を建設。
当時は小さな町に塔が埋め尽くされていたといいます。
当時建設された72の塔のうち、現存のまま残されているのは14の塔。
中世の都市の雰囲気が色濃く残っているコンパクトな町です。
町のシンボルでもある一番高い「グロッサの塔」。
グロッソとは文字通り「大きい」という意味で、高さは54m。
唯一、内部公開されている塔で頂上まで登ることができます。
183段の階段をがんばって登ると、頂上からは絶景のご褒美が。
町全体だけでなく、トスカーナの丘陵地帯まで一望できます。
町の中心にあるのが三角形のチステルナ広場。
「チステルナ」とは井戸の意味で、13世紀の水源だった大きな井戸が今も残っています。
広場周辺にはホテルやレストランなども多く、地元の若者や観光客の憩いの場所になっています。
ドゥオーモは12世紀に建設されたロマネスク様式。
中に入ると左右の壁にびっしりと描かれたフレスコ画が奥まで続いています。
天上も美しく彩られていて感動的。
カラヴァッジョの「ロレートの聖母(巡礼の聖母)」も見応えがあります。
ドゥオーモ広場に面して建っているポポロ宮殿は現在市庁舎として利用されています。
内部は小さな美術館になっていて、13~15世紀のシエナ派とフィレンツェ派の絵画が展示。
フィリッピーノ・リッピ「受胎告知」などの価値の高い作品が収められています。
この町に来て、ワインを飲まないなんてありえない!
サンジミニャーノといえば、イタリアでも有数の白ワインの名産地。
近郊で栽培されているぶどうでつくられた「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」(Vernaccia di San Gimignano)という白ワインは、イタリアでも最上級のランクのもの。
辛口のおいしい白ワインをぜひ堪能しよう。驚くほど格安で売っているのでお土産にも。
とにかく街全体が美しいから路地をぶらぶら歩くだけでも異空間な気分に。主要地からは少し時間はかかりますが、訪れる価値のある場所。
中世のロマンを感じに、ぜひ足を伸ばしてみませんか。
サンジミニャーノ歴史地区(Centro storico di San Gimignano)への行き方
日本から飛行機でフィレンツェまで約15時間(乗り継ぎ1回)。
フィレンツェからバスでポッジボンシで乗り換え、サンジミニャーノまで1時間20分。
もしくはシエナからサンジミニャーノ行きバスで40分。
ベストシーズンは初夏の4~6月。