「美しき塔の街」と呼ばれる、中世の情緒が漂うイタリアの古都!サン・ジャミニャーノ歴史地区の歴史

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日はイタリア「サン・ジャミニャーノ歴史地区」をご紹介します。

美しい塔で有名なサン・ジャミニャーノとは?

美しい塔で有名なサン・ジャミニャーノとは?

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サン・ジャミニャーノは、まるで時計の針が止まったように、中世の街並みが今も残る情緒溢れる古都です。
イタリアの中部トスカーナ地方のエルサ渓谷にあり、フィレンツェから日帰りで観光出来ることでも人気となっています。
標高324mの丘の上にある町で、世界一となったイタリアンジェラート店「ジェラテリア・ディ・ピアッツァ」も有名です。
街全体が城壁に囲まれた歴史地区には貴族や地元の富豪が競い合って建てた高い塔が14本も残り、街のシンボルとなっています。
黄金期にはこの塔は72本もあったようです。

サン・ジャミニャーノ歴史地区は、1990年にユネスコ世界遺産に登録されています。
このサン・ジャミニャーノの名前は398年に亡くなった聖人ジミニャーノから来ています。
彼の指と指輪が安置された聖堂に、巡礼者が訪れるようになり栄えました。
今でも、世界中から観光客が集まる人気の高い町で、綺麗に整備された道を歩けば土産物屋さんを始め、レストランやバールなども軒を連ね活気に溢れています。
名産の冷えた白ワインを堪能しながらの食事も素敵ですね!

今回は、雄大に広がる緑に囲まれた茶色い塔の街!サン・ジャミニャーノ歴史地区の歴史について少しだけ触れてみたいと思います。

サン・ジャミニャーノの住所・アクセスや営業時間など

名称 サン・ジャミニャーノ
住所 San Gimignano Italy
営業時間・開場時間 24時間
利用料金や入場料 無料
参考サイト https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%9F%E3%83%8B%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8E
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

サン・ジャミニャーノのスポットページ

サン・ジャミニャーノ歴史地区はこうやって始まった

サン・ジャミニャーノ歴史地区はこうやって始まった

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サン・ジャミニャーノは、エトルスクの時代からの住民移植が確認されており、ローマ期の時代の流れに沿って徐々に栄えた町です。
聖フランチェスコが通ったとされるフランジェナ街道を通ってローマを巡礼する者にとって、重要な中継地でした。
ここは、フィレンツェを結ぶピサーナ街道と先ほど説明した巡礼道のフランジェナ街道が交差する地点だったため交通の要所となり、10世紀ごろから人が集まり始め少しずつ発展していきます。
この街の11~12世紀は小さな町が大きく町へと進化する時代でした。
特に染料として重宝された、当時、金のように高価なサフランの生産や交易が盛んになり、膨大な富を得たようです。
1150年にコムーネが設立され、自由都市として独立しました。

サフランの順調な取引でこの時期までは意外と平和な時期を送っていた、サン・ジャミニャーノに変化が現れます。
町が皇帝派(ベギリン)と教皇派(ゲルフ)に分かれたのです。
これは、後に内戦状態にまで発展します。
町の繁栄より前から、貴族の権威の象徴として塔の建設が行われていました。
それはとても高い塔で、50mを超える高さの塔が、最盛期には72以上も建てられたのです。
両派とも襲撃に備え見張りや防衛のために高い塔をもつ邸宅を次々と造りました。

現存するサン・ジャミニャーノに聳える塔

現存するサン・ジャミニャーノに聳える塔

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14塔現存する塔の中で唯一上ることができるトッレ・グロッサの塔。
ドゥオーモ横の現市役所(パラッツォ・デル・ポーポロ)の右にあり、この塔は1300年8月21日に着工し、1311年に完成した街で一番高い約54mの塔です。
700年たった現在も威風堂々とした姿で立ち誇っています。
218段の螺旋状の階段はきついですが、途中の窓からは何百年も変わらない城壁内の街の様子や美しい風景を望め、塔の頂上まで上ると天気の良い日には、青い空、白い雲、緑のぶどう畑など、どこまでも続くトスカーナの丘陵地帯の眺望が特に感動的です。

塔の上から見る他の現存する塔たちの姿もまた一興ですよ。
ドゥオーモの向かいにある、1200年に建設された町で一番古いロニョーザの塔も見えます。
この塔は、グロッサに次ぐ高さの塔で約52mあるそうです。
他にもちょっと可愛らしい双子の塔や家主が旅行に行っている間に、いつの間にか上部が増築された悪魔の塔というユーモラスな塔もあります。

塔の他にも見どころがいっぱいのサン・ジャミニャーノ

塔の他にも見どころがいっぱいのサン・ジャミニャーノ

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1262年に建設された石落としのあるサン・ジョヴァンニ門をくぐると城壁に囲まれた旧市街地があり石畳の道が広がります。
町の中心部には三角形をしたチステルナ広場があり、13世紀に作られた貯水槽も魅力的です。
この広場に隣接する、街の中心的存在の7つの塔に囲まれた壮観なドゥオーモ広場。
この広場には12世紀のロマネスク様式のファサードを持つドゥオーモ(コレッジャータ教会)があります。
この教会は1148年創建で14世紀に完成しました。
この間には何度も改修されました。

何といっても見どころはギルランダイオ作の苦しい闘病の末15歳で亡くなった「聖女フィーナの伝説」を描いたフレスコ画です。
この伝説は「ブラザーサン・シスタームーン」という映画になり、撮影はこのサン・ジャミニャーノで行われています。

 








芸術品で一杯のサン・ジャミニャーノ

芸術品で一杯のサン・ジャミニャーノ

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先ほど説明した、街で一番高い塔グロッサの塔は、ポポロ宮殿(現市庁舎)に併設されています。
宮殿の2階はダンテが演説したというダンテの間があり、14世紀のシエナ派のフレスコ画で彩られ壮麗です。
中庭にある歴史を感じる壁には古いフレスコ画が描かれ、3階の市立美術館にはシエナ派の絵画があり、中でもフィリッピーノ・リッピによる『受胎告知』も飾られています。
また、お土産ショップなども併設しているので参考にどうぞ。

サン・ジャミニャーノの最北端にあるサン・マッテオ門の側には、13世紀に建てられた、可愛らしいロマネスク・ゴシック様式のサンタゴスティーノ教会があり、こちらも世界遺産に登録されています。
内部はバシリカ式の天井と、15世紀のマヨルカ焼きのタイルが印象的。
ピエーロ・デル・ポッライオーロの傑作「マリアの戴冠」やべノッツォ・ゴッツォーリの描いた「聖アゴスティーノの生涯」がありこちらは必見です。

競い合い塔を建てるほどに繁栄したサン・ジャミニャーノの衰退

競い合い塔を建てるほどに繁栄したサン・ジャミニャーノの衰退

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14世紀の初めに町は54mのグロッサノ塔を建設し、これ以上高い塔を建設してはならないというおふれを出しました。
それほどに、塔を建てる競い合いは過熱度を増していたのです。
日本のお城のように権力を立派な建物を建てることで示す行為は、いつの時代も変わらないものだなぁとしみじみ感じます。
でもこれがあるから、歴史が現代の人を楽しませてくれているのかもしれませんね!

1348年にはこの町にもペストが襲います。
ペストの流行と飢饉に見舞われ人口は3分の1に減少。
その上に内部の権力争いは血なまぐさい戦いとなり、町は一気に衰退しました。
対外的にも他国の争いに敗れてしまい、1353年にフィレンツェ共和国に組み入れられてしまいます。
一時期フィレンツェとシエナが争っていた時は、前線基地とされました。
1555年にシエナがフィレンツェに敗北したことと、ローマへの巡礼道のフランチジェーナ街道も利用されることがなくなり、完全に町としての機能を失ってしまったのです。
急速に衰えたため、町は汚されることなく15世紀当時のままの姿を温存することができたようです。

サン・ジャミニャーノの復興

サン・ジャミニャーノの復興

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これにより、競い合って建てられた塔は不要なものとして解体されてしまいます。
一応に町は再開発されましたが、サン・ジャミニャーノには自力で立ち上がる力もなく、既に寂れた状態で経済的に余裕がないことが幸いし、これ以降戦争に巻き込まれることもありませんでした。
17世紀のペストでは人口が3000人まで激減し、トスカーナ大公国内で一番貧しい町になってしまったようです。

廃れてしまったのは悲しい現実かも知れませんが、逆に混乱に巻き込まれることなく昔の情緒を残せたことでは、幸せな町だったような気がします。
ルネッサンス時代から今日に至るまで、15世紀ごろの町の美しさは健在で、訪れる人々を中世にタイムスリップしたような気分にさせてくれる素敵な町となりました。
町を歩けば、随所でかつて貴族たちが味わった豪華な生活ぶりや収集された絵画を始めとした芸術に触れることができます。

次のページでは『競い合って造られた14本の塔が美しい丘の上の町サン・ジャミニャーノを旅してみませんか?』を掲載!
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