戦争にのみ込まれた庭園、世界遺産「緑地公園施設ムスカウパーク」の過去を知ったら行きたくなった!

世界遺産に登録されているムスカウパーク。ドイツ側の町バート・ムスカウとポーランド側のウェンクニツァにまたがる大きな公園です。国境に接する所には必ず何かがある。今回はムスカウパークについて歴史を絡めながらご紹介いたします。

イギリス風で構成された庭園

イギリス風で構成された庭園

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かつてのドイツ侯爵ヘルマン・フォン・ピュックラー=ムスカウは、広大な敷地を所有していました。
自然の景観美を生かし、大きな池から構成するという当時イギリスで流行していた「風景式庭園」を基に1815年から造園を開始しました。
それから30年間、彼は木や水流などをまるで風景画のようにレイアウトし、またそれに見合ったイギリス風の建物の建築・改築を行ってきました。

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1845年にはピュックラーは経済的な理由から、自身の所有地を手放すこととなってしまいます。
その後、次々とこの土地の所有者は変わりますが、最終的にこの土地を買い取ったオランダの侯爵が、ピュックラーの下で造園師として働いていたエドゥアルト・ペツォルトを雇い入れたことにより、ピュックラーの構想が引き継がれることとなったのです。

受け継がれたピュックラーの志

受け継がれたピュックラーの志

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起伏の多い土地を上手く利用し、人工の支流を川から掘って水を流し入れるといったアイデアも取り入れられていました。
公園内には草花や木で彩られた庭園があり、それらに囲まれるよう住居用の建物があります。
建物の一部には、有名な建築家カルル・フリードリヒ・シンケルが手掛け、他にも画家やイギリス人庭園設計家などあらゆる方面からのプロフェッショナルが集結し、庭園造りに協力をしていました。

戦争にのみ込まれた庭園

戦争にのみ込まれた庭園

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平穏だった庭園にも、やがては時代の波にのみ込まれることとなってしまいます。
第二次世界大戦の末期、ベルリンの戦いではこのムスカウパークも戦場と化し、庭園内の建物や橋も大打撃を受けました。
そして、戦争が終結するとナイセ川が新しい国境となり、庭園は2つに分割されてしまいました。
現在では、総面積700ヘクタールのうち約500ヘクタールがポーランド側にあります。







世界遺産への道のり

世界遺産への道のり

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破壊された建物のうち、旧城は1972年に修復され、新城と橋は現在修復が進められています。
第二次世界大戦という大変な時代を乗り越え、修復により蘇り1980年代にはドイツとポーランドの間で世界遺産への再評価対象となりました。
文化と景観を保護するために2つの国が手を取り合うというのはヨーロッパでは初の試みでしたが、その結果が実り、2004年にユネスコ世界遺産への登録という素晴らしい勲章を得たのでした。

爽快に公園内をサイクリング

爽快に公園内をサイクリング

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先にも述べた通り、かなり広い公園内。
見所だけさっと見て帰る人や1日じっくり周るという人もいたり様々なようです。
馬車で園内を周ることができるようなので、楽に周りたいという人は利用してみるのも良いでしょう。
園内は自転車走行が認められているので、レンタルバイクで爽快に走るのも気持ちが良さそうです。

新城から遠くまで見渡してみて!

新城から遠くまで見渡してみて!

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一番の見所はやはり新城。
内部に入り、展望台からは美しい庭園の様子を見渡すことができます。
かなり遠くまで緑を見渡せるので、癒しを感じてみてください。
園内にある建物の一部は宿泊可能となっているものもあります。
普段、町中の喧騒に囲まれたホテルに滞在することが多い人にとっては、喧噪を忘れリラックスした滞在ができるのではないでしょうか。
次のページでは『もう一つの観光のハイライト英国橋』を掲載!
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