まるでおもちゃの世界?!テトリスのモデルとなったロシアで最も美しい聖ワシリイ大聖堂の歴史

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日はロシア「聖ワシリイ大聖堂」をご紹介します。






聖ワシリイ大聖堂ってどんな聖堂?

聖ワシリイ大聖堂ってどんな聖堂?

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ロシアの首都モスクワの赤の広場の一番奥に建つ、カラフルな9つの玉ねぎ型の帽子をかぶった塔が印象的な大聖堂。
ロシアにはたくさんの聖堂がありますが、その中でも一番有名?といえる存在の大聖堂です。
建設当時はとっても地味だった聖堂は、今ではまるで”おもちゃの世界?”といわれるほどキュートな聖堂になっています。
実は、人気を博したゲーム「テトリス」のモデルとなったことでも有名です。

独特のポップなカラーが美しい塔は、主聖堂を中心に8つの小聖堂が取り囲んだ形状で、それぞれが独立した教会になっています。
塔の一つ一つが異なった高さやデザインをしているのも見物です。
また、昼はとってもメルヘンチックで可愛らしい聖堂ですが、夜にライトアップされた美しさには惚れ惚れします。
1990年に「モスクワのクレムリンと赤の広場」として、ユネスコ世界遺産に登録されました。
今回は、ロシアの聖堂の中で美しい建築物の一つとされる「聖ワシリイ大聖堂」の歴史に少しだけ触れてみたいと思います。

聖ワシリイ大聖堂の住所・アクセスや営業時間など

名称 聖ワシリイ大聖堂
名称(英語) Saint Basil\’s Cathedral
住所 Red Square, Moscow, Russia, 109012
営業時間・開場時間 現地時間11:00-17:00(火曜定休)
利用料金や入場料 大人250ルーブル、学生50ルーブル
参考サイト http://www.moscow.info/red-square/st-basils-cathedral.aspx
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

聖ワシリイ大聖堂のスポットページ

ロシアの聖堂で一番有名な聖ワシリイ大聖堂の始まり

ロシアの聖堂で一番有名な聖ワシリイ大聖堂の始まり

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ロシア正教を代表する教会のひとつで、群を抜いてユーモラス&メルヘンチックは大聖堂です。
ロシアという国のイメージを良い意味で裏切ってくれる素敵な聖堂は、1560年に建てられました。
1551~1560年にかけて当時、モンゴルから分裂してできた2つの国のひとつで驚異的な権力を誇っていたカザンハン国を、「生神女庇護」の日に討ち破りました。
その戦勝を祝ってイヴァン4世(在位モスクワ公国1533-1574年、モスクワ・ロシアの初代ツァーリ(在位1576-1584年)が建てた聖堂です。
カザンハンの戦いからイヴァン4世が返ってきた年に木造で建てられました。
当初は全然カラフルでなく玉ねぎ頭もなかったのです。

この大聖堂の正式名称は「堀の上の生神女庇護大聖堂(ポクロフスキー聖堂)」と呼ばれています。
カザンハン国を制圧した日が、聖母マリアの庇護祭だったことで名づけられました。
クレムリンは赤の広場の側にあるお堀によって、1813年まで守られていたという立地も名前の一部になっています。
「聖ワシリイ大聖堂」という呼び名は、1547年にロシアで起こった火災を天から授かった予知能力で予言した「ワシリイ」というユロージヴィ(佯狂、「聖愚者」)から付けられたものです。

悲劇の伝説が残る聖ワシリイ大聖堂

悲劇の伝説が残る聖ワシリイ大聖堂

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その2年後には石造への改築が始まり、5年の歳月をかけて1559年に完成しました。
この石造の聖堂を設計したのがポストニクとバルマの二人と伝わっています。
この大聖堂を造ったイヴァン4世という人物は専制政治を敷き「雷帝」と呼ばれ恐れられた人物です。
このイヴァン4世が、とても美しい姿をした教会の出来栄えに恐れおののき、「またこのような美しい教会が二度と建てられることがないように」と、二人の設計者の目を潰すよう命じたという伝説です。

このような背筋も凍るような恐ろしい伝説は、イヴァン4世が残虐・苛烈の性格だったことを伝えるための作り話といわれています。
その証拠に、ポストニクはモスクワ・クレムリンの生神女福音大聖堂やカザン・クレムリンの城壁と塔をこの後で造っています。
何より、この大聖堂が完成したころイヴァン4世もオプリーチニナ制に代表される恐怖政治はまだ行われていなかったからです。
3歳で即位して1584年に亡くなるまで半世紀にも及び一国の主として君臨した凄い人物だからこその伝説かも知れませんね。

しかし、この後イヴァン4世は、息子で同姓のイヴァンが貴族たちと友好的な関係を築いていたことなどもあり猜疑心を抱き、長杖を振り下ろし撲殺しています。
彼は複雑な性格の持ち主で残虐な一面を持っていました。
残虐な性格を証明するかのような逸話がいくつも残されているのも事実です。
しかし、敬虔な一面も持っていたようです。

現在のようなカラフルかつ壮大になった聖ワシリイ大聖堂

現在のようなカラフルかつ壮大になった聖ワシリイ大聖堂

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イヴァン4世のころの大聖堂にはカラフルなデザインではありませんでした。
現在見られる高さ47mを最高に8本の独特な色づかいをした玉ねぎ頭は、17~19世紀にかけて施されたものです。
迷路のような内部の美しさも見事なもので、壁画や旧ソビエト時代の飾り物などがあり、聖母マリアのイコン像やイコンで覆われた天井まで見上げるようなイコノスタスなども魅力的。
このイコノスタスの前ではアカペラが行われ、美しい歌声は高い天井に反響し素敵な音色を響かせます。
運が良ければ聞くことができるかも。

聖堂前に立つミーニンとポジャルスキーの像も見る価値あり。
この二人は1612年にモスクワをポーランド軍から解放した英雄。
この像は1812年に、イヴァン・マルトスによって造られた青銅の像です。
この大聖堂には16世紀に建てられた時に据えられたオリジナルの鐘が一つだけ残されています。
1929年に旧ソビエトは青銅製の鐘を作り直しました。
理由は分かりませんが、今でもそのオリジナルの鐘は16世紀の音色を響かせています。








2度の危機を乗り越えてきた聖ワシリイ大聖堂

2度の危機を乗り越えてきた聖ワシリイ大聖堂

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この聖ワシリイ大聖堂は現在ロシアのシンボル的存在です。
目立つからこそかもしれませんが、ナント2回も“壊されてしまうかも”という危機に直面しています。
一度目は1812年に英雄ナポレオンが目覚ましい活躍を見せフランスの領地を拡大していた時代です。
驚くことにロシアまでその勢力は伸びていました。
彼はモスクワを占領し撤退する前に、この聖ワシリイ大聖堂を壊そうとしたようです。
何ともったいないことを…!でも彼だけではありません。
もう一度この大聖堂は危機に直面しています。

それは旧ソビエトが社会主義になってからのことです。
スターリンの社会主義体制に入った時、宗教迫害が起こりました。
1930年ごろにはロシア正教会は3万もあったようですが、1931年には半減し1932年には活動していた修道院は次々と破壊され、修道士や修道女が強制収容所に送られたのです。
この時の寺院撤去はモスクワではナント400以上の聖堂と修道院が爆破されています。

こんな時代だったのですからもちろん目立つ存在の聖ワシリイ大聖堂も破壊の対象となりました。
それを救ったのは、建築家で修復家のピョートル・バラノフスキー。
彼はスターリン直々に嘆願の電報を打ってまで、この大聖堂の救済を求めたのです。
さすがのスターリンもこんなに美しい大聖堂を壊すのには忍びないと思ったのでしょうか?ピョートル・バラノフスキーとスターリンのお陰で、この聖堂は現在もキュートな姿を保つことができています。
感謝!感謝!

現在の聖ワシリイ大聖堂

現在の聖ワシリイ大聖堂

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ソビエトが社会主義になっていち早くソビエト政権の経営下に移りました。
1923年には聖堂内に歴史博物館がオープンし、1929年には国立歴史博物館の分館としても使われるようになりました。
嬉しいことに1990年初頭には祭壇を含めて教会の祭儀が行われるようになりました。

現在はロシアでも大人気の観光スポットとなっています。
紆余曲折の時代を経て今も玉ねぎ型の色鮮やかな塔を持つモスクワのシンボル的な存在として異彩を放っています。
モスクワのパンフレットなどに登場するだけでなく、テトリスのモデルとなり世界中の人に愛される幸せな聖堂です。
赤の広場はモスクワ国際マラソンの発着点になっています。
選手はこの聖ワシリイ大聖堂の雄姿をバックにスタートします。
大聖堂は今日もキュートな姿を誇っています。
興味のある方は訪れてユニークな姿に癒されてくださいね!

カラフルな玉ねぎ坊主型のドームが印象的な聖ワシリイ大聖堂に訪れてみませんか?

まるで、おもちゃの世界に迷い込んでしまったようなキュートな姿で赤の広場の南側に建つ聖ワシリイ大聖堂。
ロシアの中で最も美しい建物の一つとされています。
昼間の青空に映える大聖堂もキュートですが、オレンジ色に染まる夕暮れや赤の広場と共にライトアップされる夜の大聖堂も素敵ですよ!
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