私の見たイギリス…いまは斜陽の国イギリスが、新たな道を拓くには

私はイギリスに訪問したことがあります。とはいってももう20年ほど前のことですが、その時感じたのは、顔立ちや言葉は違えどどことなく日本と共通するものがありました。それは、民族の誇りであり、歴史であり、異国の人に向ける視線が上からくるものでした。

日本も持つ島国だからこそのプライド

日本も持つ島国だからこそのプライド

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言うなれば日本もイギリスも、陸を介さない島国です。
海越しに見る国々には、ある程度の距離があることを感じました。
それは、国民性も同じことがいえるでしょう。
とりわけ日本人もそうですが、他人をやっかむきらいがあると思うのですが、イギリス人は異国の人に対して直接的な態度をとってきます。

ロンドン市内に立ち並ぶ歴史の象徴

ロンドン市内に立ち並ぶ歴史の象徴

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ロンドン市内を見渡せば、歴史を象徴する建造物があちこちに立ち並んでいます。
これこそ英国人が世界の中心だったのだと、示している気がしてなりませんでした。

イギリスは2016年6月にEUから脱退を問う国民投票を実施しました。
これは民主主義における、また間接政治制度を貫く歴史のある国が、直接民意を問う選挙となり、投票前から世界中が注目をしてきた選挙でした。

もともとイギリスの議員内閣制は18世紀に誕生しました。
現在の日本の議員内閣制も英国から取り入れたものです。
ここからも、日本とイギリスの気風というか、国民性が似ているような気がします。

EU問題に揺れる英国

EU問題に揺れる英国

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そのイギリスですが、EUを巡る問題はこれまで何度か議論になってはいました。
EUとはご存知のように巨大な国々の共同体です。
一つの国としてみた場合、そこにはあらゆる民族や価値観の相違はあって当然なのです。
しかしかながら発足以来、EUの主導をずっと握り続けていた英国の影響力が薄れ始めると、次第に賛同から批判へと変わっていきます。

英国国内での景気も低迷を続け、失業率も上昇していきました。
イギリス人から見たら海を渡ってきたEU内の異国人のせいで、職を失ったのだと思い始めます。
そうした人間の中で燻る感情の摩擦が徐々に大きくなり、他国民族を排除することがイギリスにとって最も賢明な判断であるという国民の意見が沸騰し始めます。

歴史とプライドを積み上げすぎたのか

歴史とプライドを積み上げすぎたのか

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これには、賛否が当然起こりました。
ただ、外国人を排除したからといって自らの国がかつての国に戻ることは不可能です。
また経済的な観点からも、EU連合国として欧州の一つと数えられることへのメリットは、数知れません。
関税や、通貨、人の行き来を自由にできたこの連合の、強みをすべて捨てて新しい国造りをすべきだという、保守的な考え方を持つのは、高齢者や主に移民者と同じ居住区に住む人々でした。

その人たちは、自分たちの生活がひっ迫している理由を、異国の人に求めたのです。
対するEU残留派の多くはロンドンの都市部に限られました。
また残留を求める地域にスコットランドがありました。
彼らの歴史も多くの痛みと遺恨を残したものでした。







若者がEU残留を希望した理由

若者がEU残留を希望した理由

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いわゆる離脱派は、保守的な思想の下に英国の未来を託したといえましょう。
しかしながら若者の大多数は、EU残留を希望したと言われています。
それは何故か。
EUというのは、世界の縮図であるからだと考えます。
違う国、文化、人種などを超えて集合体として前進していくことが、未来の平和や安定を生むのだという主張だと私は考えます。

一国の利害だけを想うなら離脱もいいでしょう。
今回の投票は一時的な結果と見る人と、永続的な結果であると見る人がいます。

EU問題に揺れる英国5

しかし世界はこれからも回り続けます。
これから何十年、何百年と時を隔てたとき、今回のEU離脱の結果がどのように影響していくかは、これから未来を創る人々に託されることも間違いではありません。
現在も英国民を大きく二分した投票には、国内もまとまる気配がありません。

離脱を選びながら、これから単一国として先進国として、またかつての英国としての誇りを維持できるのか、世界が注目する壮大な社会実験が待ち構えています。

私個人の所感としては、イギリスがこれまで積み上げてきたかつての誇りを捨てることができるなら、新たな道が拓けるのかもしれません。
イギリスの若者はすでにそのような選択をしつつあると感じています。

日本はどうなるか

課題先進国である日本も、イギリスが持つ悩みをいくつか共有しているのではないでしょうか。
一筋縄ではいかない政治・経済に、国民のプライドと歴史。
私たちがイギリスを事例に学べることはもっとありそうです。
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