カラフルな家がかわいいチェコの世界遺産「テルチ」

テルチはプラハとウィーンの半ばほどのところにある小さな街です。カラフルで美しい装飾の家が並ぶ旧市街は池に囲まれており、まるで島のよう。1992年に世界遺産に登録された美しい街並みを紹介します。

旧市街広場のカラフルな家々

旧市街広場のカラフルな家々

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旧市街は沼と池で囲まれています。
300~400mはあるかと思われる細長い三角形の形をした広場を取り囲み、カラフルな家がひしめきあうように並んでいます。
淡いグリーン、ピンク、クリーム色、水色など思い思いの色で塗られた家は、窓枠を白く塗っている家もあります。
どの家も一回にアーケードを作り、そこが公共の通路となっています。
広場には市民がくつろぐためのベンチが置かれ、アーケードにはたくさんのお店や喫茶店が軒を連ねています。

いろいろなデザインの家々が並ぶ

いろいろなデザインの家々が並ぶ

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このような美しい建物ばかりが軒を連ねた優れた景観がつくりあげられたのは、壁の外観の美しさと規模によって自分の富と社会的地位を周囲にアピールしていたためと言われています。
住民たちは競うようにして美しい家を建て、どの家も屋根まで装飾が施されているため、多くの建物の屋根はかなり低いところに位置しています。

絵画のような美しい街並み

絵画のような美しい街並み

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街は1530年に大火災が発生し、その時ほとんどの建物が消失しました。
再建にあたって、どの家もそれまでよりも4m広場に張り出してよいということになりました。
つまり、大火災の前、広場は両側合わせると8m広かったというわけです。
この時すべての家がルネサンス様式で建てられ、街路や広場などに面する建物の正面部分の装飾は家主が自由に決めて良いことになりました。
後にバロック様式に改築された家もありますが、間口の幅、天井丈などの基本構成はその時に決められました。

美しい絵が描かれた館も並ぶ

美しい絵が描かれた館も並ぶ

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スグラフィット技法という方法で製作されている美しい館も広場に並んでいます。
2色の色の違う漆喰を2層に重ね塗りしたものを、後で引掻くなどして下の色の漆喰を出して2色の装飾とする技法で、繊細で美しい絵が描かれています。






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広いイギリス庭園のあるテルチ城

広いイギリス庭園のあるテルチ城

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テルチは1339年にボヘミア王ヨハンから、この地方の貴族ウルリヒ・フォン・ノイハウスに与えられました。
ノイハウス家の支配は1604年まで続きました。
ノイハウス家によって建てられたテルチ城は17世紀にイエズス会の所有となり、その後はリヒテンシュタイン家に受け継がれていきました。
もともとは13世紀に建てられたゴシック様式の城でしたが、16世紀半ばにイタリアの建築家が呼び寄せられ、ルネッサンス様式の城に改築されました。
美しく整備された中庭では、のんびりとピクニックを楽しむ人たちの姿も見られます。

内部も見学できるテルチ城

内部も見学できるテルチ城

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第二次世界大戦後は国の管理下に置かれ、現在はいくつかの部屋が城博物館となって公開されています。
歴代城主が手入れを怠らなかったため、内装がとても良い状態で保存されています。
陶磁器コレクションのデフレトの間、武器の間、狩りの獲物を飾った黄金の間などは、素朴な城の外観から想像もつかない華やかな広間です。
城内はガイドツアーでのみ見学することができます。
ツアーでは豪華な内装のルネッサンス様式の部屋の数々を見て回り、アフリカン・ホールのおびただしい数のはく製や毛皮、ギリシア神話を題材に描かれた天井画などを見ることができます。
次のページでは『池から見たテルチ城』を掲載!
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