【フランスの世界遺産】42個の世界遺産を全部一挙ご紹介!(2017年時点)

長い歴史と豊かな文化を持つフランス。

この国の世界遺産は42件と世界で3番目の多さを誇る登録数です。
その中には有名な教会や宮殿もありますが、「こんな歴史があったんだ」と今まで知らなかったフランスの歴史や文化もあります。

今回はそんな多種多様なフランスの世界遺産の特徴を一挙ご紹介したいと思います。


1. [ノルマンディー] モン=サン・ミッシェルとその湾 (1979)

1. [ノルマンディー] モン=サン・ミッシェルとその湾 (1979)

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フランスの世界遺産の中でも日本人の中で最も有名なのがモン=サン・ミッシェルではないでしょうか。

ノルマンディー地方の西海岸、サン・マロ湾に浮かぶ小さな島の上に立つ修道院で、カトリックの巡礼地として中世のころから信仰の聖地としてたくさんの巡礼者を受け入れてきました。

「西洋の驚異」とも言われ、潮の満ち引きで島が湾の中に浮かびあがる景観は世界でも珍しい景勝美です。

この修道院は708年にアヴランシュ司教オベールが夢の中で大天使ミカエルから「岩山の上に聖堂を建てなさい」というお告げを聞いたことに始まります。
この島は元々墓の山と呼ばれる先住民のケルト人が信仰する聖地でもありました。

修道院の主要部分はゴシック様式がおおいのですが、内部にはカロリング朝の様式やノルマン様式を含む中世の様式を観ることができます。

フランスと英国との間にあるため、百年戦争の際には要塞として使用された軍事施設も残っています。

また世界遺産の「サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路」の一部としても登録されています。

2.[サントル・ロワール] シャルトル大聖堂 (1979)

2.[サントル・ロワール] シャルトル大聖堂 (1979)

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パリから南西に離れたシャルトルにあるフランスの中でも美しいゴシック建築の代表作と言われるカトリックの大聖堂です。

シャルトル大聖堂は何度も火災にあった歴史を持っています。

そのため、現在の聖堂の正面で観ることができる鐘楼はアシンメトリーで、時代の異なる鐘楼が並んでいます。

12世紀のロマネスクとゴシックの塔を残しているのが特徴です。

また壁面にずらりとたたずむ彫刻群と170以上の窓にはめ込まれたステンドグラスが大変美しく、13世紀の信仰の姿を現在に伝えます。

中でも「シャルトル・ブルー」と呼ばれる青のステンドグラスは特徴的で現在でも再現できない色で、その光がより聖堂内を美しく彩ります。

現在でもパリからの巡礼が絶えない聖堂です。

3.[イル・ド・フランス] ヴェルサイユの宮殿と庭園 (1979)

3.[イル・ド・フランス] ヴェルサイユの宮殿と庭園 (1979)

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パリ南西に20キロの位置にあるヴェルサイユにある、ブルボン王朝最盛期の王・ルイ14世が建造したフランス絶対王政を象徴するような壮麗な宮殿とその庭です。

宮殿は贅を尽くした装飾や彫刻で彩られたバロック建築で、オーストリアやプロイセンなどのヨーロッパの王宮のモデルになったほど。

その影響力の大きさを感じさせます。

また宮殿の裏側に広がる庭園は40年の歳月をかけて造られ、フランス式庭園の最高傑作といわれています。

ヴェルサイユの土地は元は沼地で水が豊かではない場所でした。

それを干拓し、水道技術を駆使してパリから水を引き入れています。

これによって自然をも支配できる権力を誇示する目的もありました。

また、この宮殿に貴族たちを住まわせ、パリの喧騒から政治の場所を動かしました。
さらに市民からの反感を得ないよう、民衆の出入りを許しその力を見せつけたのです。

4.[ブルゴーニュ] ヴェズレーの教会および丘 (1979)

4.[ブルゴーニュ] ヴェズレーの教会および丘 (1979)

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ブルゴーニュ地方の街ヴェズレーの丘とその上に建つサント=マドレーヌ大聖堂の世界遺産です。

この聖堂は878年にローマ法王ヨハネス8世によってマグダラのマリアに捧げられたもので、そのマリアの聖遺物が奇跡を起こしたという伝説が伝わります。

中世ではその聖遺物を一目見るために、当時の王などの権力者たちを含めた巡礼者がこの教会を訪れました。

教会はバジリカ式呼ばれる身廊と側廊を柱で分けられた教会堂で、初期カロリング様式の面影が残ります。

ノルマン人によって一度破壊されましたがロマネスク様式となりました。

また、教会正面の入口上にある「聖霊降臨」はロマネスクの彫刻の傑作とも言われています。

「サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路」の始点として、世界遺産を掛け持ちしている場所でもあります。

5.[アキテーヌ] ヴェゼール渓谷の先史時代の史跡および壁画洞窟群 (1979)

1940年に4人の少年たちが犬を探しているときに見つけたことで有名なラスコーの壁画を含めた、ヴェゼール渓谷に点在する旧石器時代の装飾洞窟です。

その装飾洞窟の数は25。

これらの壁画や史跡は民俗学、人類学、美術史学の中で非常に大きな価値を持ちます。

先史時代の15000年前のクロマニョン人がどのような生態を持っていたのかを知ることができる世界遺産なのです。

その鮮やかな色や野生動物の生き生きとした姿をとらえる観察能力は高く、それを再現するだけの工夫と技術を持っていたことが分かります。

観たものを描いただけでなく、中には鳥人間のように空想して描いたものもあります。
また洞窟内に絵を描いていますが、暗闇でも作業できるように灯を活用していたこともわかっており、さらに天井に煤がないことから油と芯を使ったランプの原型がすでにあったこともうかがえます。

先史時代の生活の場であった洞窟を後の世代にも引き継ぐべき世界遺産として登録されました。

6.[ブルゴーニュ] フォントネーのシトー会修道院 (1981)

6.[ブルゴーニュ] フォントネーのシトー会修道院 (1981)

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中世の時代に栄えたブルゴーニュ公国の首都ディジョンから北西にあるシトー会最古の修道院です。

シトー会とはブルゴーニュ出身の聖ベルナールが1098年に創設した修道会で、この修道院は1118年に建立されました。

清貧・質素を厳格に守る修道士たちが生活していた修道院は華やかな装飾はなく、慎み深い雰囲気が感じられます。

祈りと奉仕を中心に生活していた修道士たちが瞑想の時を過ごしたであろう中庭の回廊はとても心が落ち着きます。

その静けさは自分の心の中を見つめる手助けをしてくれそうです。

この修道院はフランス革命の後、敷地ごと売却・転売されました。

一時期、製紙工場として利用されましたが、エイナール家の所有となってから12世紀の佇まいに戻し、現在は一部を一般公開しています。

静謐な修道院の教会や、修道士たちの寝室など中世の時代に信仰とともに生きた人々の足跡を感じることができます。

7.[プロヴァンス] アルルのローマ遺跡とロマネスク様式建造物群 (1981)

「ガリアのローマ」と呼ばれたアルルの地に残るローマ時代の遺跡と巡礼の始点であるロマネスク建築などの建造物の世界遺産です。

アルルは紀元前1世紀にカエサルのガリア戦争でローマの属州となった街。
ローマにとってガリアを治める要地だったアルルには総督や軍隊が滞在していたため、ここはイタリアかと錯覚するほどのローマ遺跡がたくさん残っています。

アルルの街の中心には紀元前1世紀に建てられた円形闘技場や古代劇場と古代フォーロム地下回廊があり、ローヌ川のそばには4世紀のコンスタンティヌスの共同浴場が、北と東には城壁の一部も残っています。

劇場から発掘された「アルルのヴィーナス像」は現在はルーブル美術館に展示されています。

そんなローマの栄光の跡たちの間に、繊細なアーチと静謐な回廊をもつ12世紀に建てられたサン=トロフィーム教会があります。

ここには聖トロフィムスの聖遺物が収められており、元々は大聖堂でしたが、フランス革命の後に小教区となり現在に至ります。

正面入口の上部に刻まれたロマネスク期の美しい彫刻はロマネスク芸術の代表のひとつとされています。

8.[ピカルディー] アミアン大聖堂 (1981)

パリから北にあるピカルディー地方の都市アミアン。

その地のカトリックの中心になる「ノートルダム大聖堂」が「アミアン大聖堂」です。

この大聖堂はゴシック建築の様式で、フランス最大の規模を誇り、高さは42.5メートルもあります。

着工されたのは1220年。
当時は教会を100年単位で作ることが当たり前でしたが、この大聖堂は68年というとても短い工期で建てられたといわれています。

採石場で石を加工して運んだため工期を短縮することに成功。

さらに工期が短かったため、建設設計が変わったり、様式が混ざったりすることがなく、切り出した素材の揺らぎもなくとても画一的で整った聖堂となりました。

この大聖堂には「バプテスマのヨハネの頭蓋骨」という聖遺物が安置されています。

また、聖堂の内外には聖書にまつわるモチーフやキリストの生涯などをテーマにした彫刻があり、文字の読めない人たちへの教えを助けています。
その圧倒的な量から「石の百科全書」と呼ばれているほど。

そして、正面入口の上部にずらりと並ぶフランス国王の像も見ごたえがあります。

内部の床には大聖堂建築ではよく見られる、巡礼者が神に近付くための「ラビリンス」が描かれており、今でもひざまずく信者の姿をみることがあります。

9.[イル・ド・フランス] フォンテーヌブロー城および庭園 (1981)

パリ南西にあるフォンテーヌブロー。

ここには中世のカペー朝の王の時代から狩猟の場として過ごした森がありました。

ここに王の館を建てたことが城の始まりですが、フランソワ1世からルイ16世までの7代の王たちが増改築を行ったことから、12世紀から18世紀までの建築様式を観ることができる城となりました。

基本的な様式は16世紀のフランソワ1世が作ったルネサンス様式の建築が土台となっています。
フランソワ1世の回廊や舞踏の間の壁画と天井がなどが見どころです。

王だけでなくナポレオンもこの城を自分の居住とし、ナポレオン3世が作った劇場も修復され、現在では見学できるようになっています。

城の周りにある庭園はヴェルサイユの庭園を設計したル・ノートルによる花壇やカトリーヌ・ド・メディティスが造らせたでき亜布庭園、イギリス庭園など趣の異なる庭園があるのも特徴です。

イタリアのルネサンスの様式とフランスの伝統などが融合した城と庭園はフレンチルネッサンスの集大成ともいえます。

10.[プロヴァンス] オランジュのローマ劇場とその周辺及び「凱旋門」 (1981)

フランス南東部にある町オランジュに残る初代ローマ皇帝アウグストゥスの治世下に建造されたローマ劇場と紀元前20年ごろに建てられた凱旋門からなる世界遺産です。

ローマ劇場はヨーロッパのあちこちにその遺跡を観ることはできますが、オランジュのローマ劇場はその中でも保存状態が舞台背後の石壁は約2000年前の姿をほぼ完璧な状態で残しています。

大きさも全長103メートルの舞台幅をもち、その大きさから1万人の観客を収容することが可能で、現在も毎年夏に行われるフェスティバルでも利用されています。

凱旋門は当時ガリアを平定し、その主要地であったリヨンとアルルを結ぶアグリッパ街道にあります。

パリの凱旋門に比べるとその規模は小さなものですが、前面にレリーフが刻まれ、カエサルのガリア平定やアクティウムの海戦などのローマの戦歴を知ることができます。

これらの遺跡はローマから遠く離れたプロヴァンスの地にも、パクスロマーナの恩恵があったことを物語ります。

11.[ポワトゥー・シャラント] サン=サヴァン・シュル・ガルタンプ修道院付属教会 (1983)

フラン南西部にあるポワティエから東に40キロほど離れた場所にあるサン=サヴァンにある中世の教会。

この教会は12世紀に建てられたのですが、権力や税収などの欲にかられた修道士長や百年戦争・フランス革命などによって破壊と修復を繰り返し、時を刻んできました。

この教会の特徴は1100年ごろに描かれたといわれる天井一面に描かれたフレスコ画です。

天井画は36枚あり、「ノアの箱舟」「バベルの塔」など聖書や旧約聖書の物語が描かれています。

ロマネスク絵画がほぼ完璧な形で残っていることは大変貴重なのです。

12.[ロレーヌ] ナンシーのスタニスラス広場、カリエール広場、アリアンス広場 (1983)

フランス北東部のロレーヌ地方の中心都市ナンシーにあるロココ装飾が美しく、都市開発により広場の文化的価値を高めた広場を持つとして世界遺産に登録されました。

スタニスラス広場はルイ15世の義父であるロレーヌ公スタニスラス・レスチンスキーから命を受けたエマニュエル・エレが設計した広場です。

ロココ特有の植物の蔦が絡み、優美な曲線が特徴的の金飾で彩られた鉄の門と美しい豪華な噴水。

装飾の美しさだけでなく、大通りを境に分かれていた中世の旧市街地と新市街地の統一の役割を果たしています。

カリエール広場はスタニスラス広場に近く、凱旋門をくぐって北側に長方形に広がる、中世の時代は競技場(カリエール)であった場所。

この広場にはバロック式のロレーヌ公宮殿があり、ここも同様に市街を統一する広場の一部でもあります。

スタニスラス広場から少し離れた東側にあるアリアンス広場。

比較的こじんまりとした広場で中世の古典的な様相をもち、中央に噴水があります。

Writer:

旨いものとヨーロッパが大好きなアラフォー女子。背中に羽の生えたペガサスのようにジャンルを問わず様々なことに興味を持ってはアレコレと調べるクセがあります。 1人でも多くの方が、今まで見たことのない景色や面白さを感じていただけるような記事を書けるよう、精進の日々です。

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