長く苦しめられた干拓の歴史を語るオランダの世界遺産をぜ~んぶご紹介!

オランダの国花チューリップをはじめひまわりなど、色とりどりの美しい花が咲き誇り「世界の花屋」と称賛されるオランダには、2017年8月時点で、文化遺産が9つと自然遺産が1つ、合計で10件の世界遺産が登録されています。オランダの開拓事業を今に伝えるキンデルダイクをはじめ運河の恵みで繁栄した「水の都」という言葉がピッタリのアムステルダムの遺産など、オランダを知る上で外せない、世界遺産を10件全てご紹介したいと思います。


オランダってどんな国?

オランダってどんな国?

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オランダは、風車・花・運河など美しい風景が印象的な国です。
国土の4分の1が海抜0m以下にあり、英語名ではネーデルランド(低い土地)と呼ばれています。
洪水と戦い続けた歴史を持つだけに、人口の防壁やダム、水門や洪水コントロールシステムなどを造り、国民を海の脅威から守ってきた力強い国です。

でも、水の脅威に翻弄されただけでなく、脅威を便利に変えたオランダ人たちの知恵が経済効果を生み、世界最大の港「ロッテルダム」も、開かれています。
日本が鎖国をしていた頃、オランダとは交易があり、世界情勢を教えてくれていたのもオランダなんですよ。

世界文化遺産

世界文化遺産

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#1 スホクラントとその周辺(1995年)

スホクラントとその周辺(1995年)

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100年前まではゾイデル海に浮かぶ島だった場所が、今はフレヴォラント州の干拓地北東ポルダーにある、オランダの干拓技術を語る、初の世界遺産に認定された遺跡です。
元々陸続きでしたが、15世紀には海面の上昇により島になりました。
島には3つの集落があり641人が住んでいたのですが、1825年の大洪水でスホクラントは壊滅的な被害に遭ったのです。

1859年にウィリアム3世が国民を水没の危機から守るために、島民に集落を放棄させたため一端無人島となりました。
1932年に堤防が完成し、1937年には再入植がはじまっています。
現在でも素朴な島の雰囲気を垣間見られる地となっており、氷河時代の化石なども発掘され、貴重な住居跡も残っており、考古学的にも注目を集めています。

#2 アムステルダムの防塞線(1996年)

1883~1920年にアムステルダムを守るため、都市の周囲を全長135km以上に亘り建設された防御構造物です。
主な目的は侵略から身を守る目的であり、防塞線の中には45の要塞が設置されています。
もちろん洪水を防ぐ役目も果たしていました。

当時の戦争はほぼ陸上で行われており、水門を開いて敵の侵入を防いでいました。
海からの攻撃を防げるように水深は1.5~1m程度だったとか。
要するに色々な仕掛けがなされていたんです。
現在は、アムステルダム市議会が管理しており、観光することができます。
施設記念日には、入場が無料になります。

#3 キンデルダイク・エルスハウトの風車網(1997年)

キンデルダイク・エルスハウトの風車網(1997年)

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ロッテルダムの南東15kmほどの川沿いに19基の風車が立ち並ぶ、風車の国オランダらしい世界遺産です。
今は少なくなってしまったものの、かつてオランダには9000基以上もの風車があったとか。
この風車群は、1740年ごろに灌漑設備用として建てられたものです。
水が豊富だったオランダでは、水害対策による、水をくみあげる装置として、また粉挽き用の動力として風車が用いられました。

これにより、オランダが世界有数の酪農&園芸国に押し上げる原動力になったのです。
オランダでもまとまった形で風車が見られることは珍しく、人気の観光スポットとなっています。
また、7月と8月には風車が稼働し、いかにもオランダらしい風景を体感することができる世界遺産です。

#4 キュラソー島の港町ウィレムスタット市内の歴史地区(1997年)

キュラソー島の港町ウィレムスタット市内の歴史地区(1997年)

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カリブ海に浮かぶオランダ領キュラソー島にある、世界遺産です。
1499年、スペインのアメリゴ・ベスプッチによって発見された島で、1643年にオランダ西インド会社が奪還しています。
スペイン船を攻撃するための要塞が必要と判断し、オランダはアムステルダム要塞を築きました。

島は2つの町に分かれており、1643年に要塞の周辺には市壁に囲まれたプダンが造られました。
富裕層の居住地に対して、労働者階級中心の居住地として1707年にはオトロバンダが建設されました。
オランダ植民地時代だったため、アムステルダムの運河沿いをイメージした景色が広がっており、パステルカラーで破風のクラサオ・バロック様式の建物に彩られた街並みの美しさが見物となっています。
クイーンエンマ橋も見物です。

#5 Ir.D.F.ヴァウダヘマール(1998年)

近代以降の産業遺産も、世界遺産の魅力の一つですね。
産業革命以降に造られた、現在も現役で稼働中の蒸気水揚げポンプ場。
この遺産は、1920年に造られており、世界最大の設備を有していたことも世界遺産になった要因の一つです。

Ir.D.F.ヴァウダは、建築に携わった技師の名前から付けられています。
風車により農業を支えてきた遺産のキンデルダイク・エルスハウトの風車網と共に訪れて、19世紀後半から蒸気式装置へと変わった変遷を体感するのも醍醐味ですね。

Writer:

世界遺産ブームをきっかけに歴史に目覚めてから、国や城、庭園などの成り立ちに魅了された主婦です。何だろう?と思ったことを調べて、皆さんにお伝えすることで気持ちを共有できたら幸せだな~と感じながら仕事をしています。ちょっとマニアックな歴史記事ですが、軽い気持ちで触れてみてくださいね!

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