ハンガリーのおもしろ制度「ポテトチップス税」ってどんなもの?

日本から1歩世界に踏み出すと、日本の常識では考えられないようなおもしろい物や驚くようなことがまっています。今回ご紹介する東欧の国ハンガリーでは、世界でも例を見ないおもしろい制度があります。その名も「ポテトチップス税」。さて、いったいどんな制度なのでしょうか。

そもそもハンガリーってどんな国?

そもそもハンガリーってどんな国?
ヨーロッパのおそへと呼ばれるハンガリーは、ちょうどヨーロッパのど真ん中に位置している小さな国です。
日本から飛行機を乗り継いで15時間の場所にあり、国土は日本の4分の1ほど。

ドナウ川をはじめとする大自然に囲まれており、中世の歴史的な雰囲気を味わうことができる街並みが現在も残されています。
あまりの美しさに「ドナウの真珠」「東欧のパリ」などと呼ばれ、昼夜を問わずその魅力を堪能することができます。
また、おいしい食事や温泉、世界遺産といった観光名所が多いのも、ハンガリーのすばらしさの1つです。

ハンガリー人のお悩みとポテトチップス税のはじまり

ハンガリー人のお悩みとポテトチップス税のはじまり
そんな美しい国ハンガリーですが、なんとヨーロッパでは’最も肥満の多い国’としての一面があるのをご存知でしょうか。

WHO(世界保健機関)の統計によると、ハンガリー国民の肥満率は成人男性26.2%、成人女性20.4%。
日本国民の肥満率が4~5%代であることと比較すれば、かなり高い数値に驚くことでしょう。
このように、肥満をはじめとする生活習慣病に頭を悩ませていたハンガリーですが、こうした状況を改善すべく導入した制度があります。
それが「ポテトチップス税」なのです。

ハンガリー国民を救う「ポテトチップス税」とはいったい何?

ハンガリー国民を救う「ポテトチップス税」とはいったい何?
「ポテトチップス税」は2011年9月より’国民の食習慣の改善と肥満対策’のために施行されたといわれています。
この制度は、スナック菓子、ケーキ、アイス、クッキー、炭酸飲料など、砂糖・塩分・脂肪を過剰に含む食品や飲料を対象に、5~20%の課税を図ったもの。

例えば、ポテトチップスなどのスナック菓子は平均20%値上がりし、アイスは1キロあたり40円の増税となったのだそうです。
とあるスーパーの買い物客は「子供のスナック菓子を減らします。」と話しており、ポテトチップス税が国民の意識に影響を与えていることがうかがえます。

ハンガリー国民を肥満に導いた食生活とは

ハンガリー国民を肥満に導いた食生活とは
そもそもなぜハンガリーはこのように肥満が多い国なのでしょうか。
それは国民の食生活に秘密があるようです。

一説によると、ハンガリー人はとにかくラードが大好きだから。
朝はパンにラードを塗り、料理にはたっぷりのラードを使用し、バーベキューでは肉からこぼれ落ちる油をパンにつけながら食べるのだそう。
一般家庭にはバケツサイズのラードが常備されているほど手放せない食材なのだとか。

ハンガリー国民の高い肥満率は、こうした食生活を送っていた背景にも要因があるといえます。







ポテトチップス税でハンガリー国民を想いやる

ポテトチップス税でハンガリー国民を想いやる
ヨーロッパ内において、肥満率の高いハンガリーは心臓病での死亡率も非常に高いという結果があります。
肥満は心臓病だけでなく、糖尿病や脳卒中など様々な病気につながる怖いもの。
しかし‘肥満は予防できる’ということを忘れてはなりません。

この事実を 「ポテトチップス税」を通して伝えることで国民の生活改善に力を入れているハンガリー。
そんなハンガリーの国民を思う気持ちには脱帽ですね。
人々の健康志向に影響を与え、税収アップも期待できるこの「ポテトチップス税」はきっとハンガリーにしかできない制度といえるでしょう。

人のふり見てわがふり直す

日本は世界で見ても比較的肥満の少ない国ですが、食生活の変化がもたらす病気は他人事ではありません。
将来、日本でもポテトチップス税が導入されてしまうことだって充分考えられます。
ハンガリーのこうした制度を知ることで、日ごろから健康的な食生活や体調管理を心がけることがどれほど大切であるか学ぶことができますね。
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