イタリア観光、リピーターにおすすめのマニアックコース3選【ローマ在住15年超の筆者が伝授!】

イタリア旅行者はリピーターが多いのが特徴。

世界中で最も「ユネスコ世界遺産」の数が多いイタリアは、主要都市ローマ、フィレンツェ、ミラノ以外にも、素敵な観光地が数え切れないほどあります。観光客が集中しない小さな街や教会にも、ガイドブックには載らない魅力が詰まっているのがイタリア。

なんどか旅行をしていれば、ご自身でもイタリアのどこが好きなのかきっと認識できるはず。

イタリアに住むこと15年、イタリア各地を旅行してきた在住者が送るちょっとしたアドヴァイスします。

それぞれの趣味、個性にあわせたイタリア旅行のコースを計画してみてください。


#1 南イタリア周遊コース

南イタリア周遊コース

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抜けるような青い空、乾いた空気、レモンの鮮やかな黄色。

南欧の美しさを凝縮した南イタリアは、食事もおいしく、異文化にどっぷりつかる旅行ができるのが嬉しい。

中世からアラブ文化との交差点でもあった、南イタリアを楽しみましょう。

1-1.ローマからナポリへ

1-1.ローマからナポリへ

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ローマからナポリへ向かうには、電車が便利。

イタリア国鉄「Trenitalia」だけではなく、新たに運行を始めた「Italo」でも格安チケットがあり、ローマのテルミニ駅から気軽に赴くことができます。
価格も15ユーロからとお得。

車窓からイタリアの景色を楽しみながら旅行をするのは、バス旅行とは違った楽しみがあるはず。

(1)火山に埋もれた街 ポンペイ

(1)火山に埋もれた街 ポンペイ

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世界でも類を見ないローマ帝国時代の遺跡「ポンペイ」。
もちろん、「ユネスコ世界遺産」です。

ナポリからポンペイに向かうには、私鉄の「チルクムヴェスヴィアーナ鉄道」、「イタリア国鉄」などを利用し、およそ30分。

「ポンペイ」は、西暦79年8月24日に発生したヴェスビオ火山の噴火により、火山灰に埋もれて街としての機能を失いました。

推測では、5時間で1メートルの火山灰が積もったとも。

1748年、火山灰の下から「ポンペイ」の街が発見され、その特異性から1997年に「ユネスコ世界遺産」に認定されました。

火山灰が積もったことによって非常に良好な状態で保存されていた当時の家屋、装飾、また空洞化した人体など、当時の人々の生活を体感できる遺跡、それが「ポンペイ」なのです。

最盛時には人口2万人と言われた「ポンペイ」は広大な遺跡ですが、公開部分はその一部。
また、公開部分をすべて見学するのも大変時間がかかります。

「フォーロ」、「悲劇詩人の家」、「パン屋の家」、「ヴェッティの家」、「娼婦の家」など、有名な遺跡をめぐるだけでも2時間ほど。

今年、ポンペイはさらに公開地区が広がりました。
事前に地図などを入手し、見学した場所を調べておくのが無難。

オンラインチケットは、こちらで。

(2)さまざまな国の為政者たちを受け入れてきた街「ナポリ」

(2)さまざまな国の為政者たちを受け入れてきた街「ナポリ」

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ナポリ湾に面した港町「ナポリ」。

古代から大都市として栄えた街です。
しかし、歴史の中でスペインやフランスに占領された時代も長く、さまざまな文化が交差してきました。
旅行者にも開放的な気分を感じさせてくれる「ナポリ」の空気は、さまざまな外国人たちを受け入れてきた歴史に因があるのでしょう。

また、ナポリは「ピッツァ」や「スパゲッティ」発祥の地!

昨今の研究で「ナポリのピッツァ・スパゲッティの発祥説」に反論する学者もいますが、それはともかく厚めのピッツァや南イタリアの太陽で育ったトマトを原料とするトマトソースのおいしさは格別。

そして、水がいいのか空気がいいのか、コーヒーやお菓子もおいしいことではイタリア国内でも定評がある街、それが「ナポリ」なのです。

(3)「ナポリ」の繁栄の象徴「王宮」

(3)「ナポリ」の繁栄の象徴「王宮」

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「ナポリ中央駅」から最寄りの地下鉄の駅「ピアッツァ・ガリバルディ」から「トレド」駅で下車。

1600年から建設が始まった宮殿は、1734年からフランスのブルボン家が「ナポリ」を支配下に置いて以降「王宮」に。
完成したのは、1858年。

イタリアが統一後は、イタリア王家の所有となり、第三代イタリア国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ三世はこの「王宮」で誕生しています。

(4)中世の要塞「卵城」

(4)中世の要塞「卵城」

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数々の権力者が通過した「ナポリ」の街で、最も古い城それが「卵城」です。
海に突き出るように建てられているのが特徴。

その不思議な名の由来は、帝政初期のローマの詩人ヴェルギリウスが伝えた伝説にまで遡ります。
この城を建造する際、土台部分に「卵」を埋めて城が強固であれと祈ったのだとか。

中世にはノルマン王家、ホーエンシュタウフェン王家、アンジュー王家などの権力者の手に渡ります。
まさに、ナポリの歴史を映す「卵城」、現在はここからの景色が大人気。
入場は無料です。

1-2.ナポリの下町「スパッカナポリ」へ

1-2.ナポリの下町「スパッカナポリ」へ

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「卵城」の最寄りの駅「ムニチーピオ」から「ダンテ」駅に向かうと、徒歩で行くことができる「スパッカナポリ」。

「スパッカーレ」というイタリア語の動詞は、「真二つに割る」という意味ですが、文字通りナポリの街を北から南に分けているのが「スパッカナポリ」地区。

紀元前から人々が住んでいた痕跡があるこの辺り、中世から近世にかけては有力な修道院や貴族たちの住居があった場所でもあります。

頭上を洗濯物がひるがえり、ナポリ弁が飛び交う喧噪の中で、歴史ある教会や宮殿を見ながら散策してみてください。

見どころは、特徴的な石積みが美しい「ジェズー・ヌオーヴォ教会」。

マヨルカ焼の黄色がナポリの空気に映える中庭が特徴の「サンタ・キアラ大聖堂」。

また、イタリアのクリスマスを飾る「プレゼーペ」がならぶ「サン・グレゴリオ・アルメーノ通り」も必見。

(1)ナポリが誇るふたつの美術館「国立考古学博物館」と「カーポディモンテ美術館」

時間に余裕があり、美術に興味があるかたならば、外せないのが「国立考古学博物館」と「カーポディモンテ美術館」。

「国立考古学博物館」には、ポンペイをはじめとする古代ローマの遺跡から発見されたモザイクや彫刻などが1万平方メートルを超える館内に展示されており、世界でも最も重要な考古学に関する博物館とされています。
とくに有名なのは、1831年にポンペイで発見された「イッソスの戦い」のモザイク。
アレクサンダー大王の横顔が美しい作品。

オフィシャルサイトはこちら

また、ラファエロ、ティツィアーノ、カラヴァッジョなどの作品が鑑賞できる「カーポディモンテ美術館」は、ローマ法王パウルス三世を輩出した名門ファルネーゼ家とブルボン家の美術コレクションが結集。
広々とした館内で、数々の名作を鑑賞できます。

オフィシャルサイトはこちら

(2)ピッツァの本場でピッツァを食べる!

(2)ピッツァの本場でピッツァを食べる!

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ナポリはまさにイタリアのピッツァの本場。

ローマが薄いカリカリとした食感のピッツァをウリにしているのに対し、ミラノのピッツァは少し厚め。

イタリア人たちの間でも、とくに有名なのがこちらの3店。

ピッツェリア・ジーノ・ソルビッロ

Via dei Tribunali 32 Napoli

tell 081 446643

アンティカ・ピッツェリア・ダ・ミケーレ

Via Cesare Sersale 1/3 Napoli

tell 081 553 9204

ピッツェリア・スタリータ

Via Materdei 27 Napoli

tell 081 557 3682

いずれも、長蛇の列を覚悟でトライしてみてください。
ストリートフード感覚のピッツァの店は、長蛇の列でも案外早く注文にまでこぎつけることができるかも。

また、ナポリのフェデリーコ二世大学周辺には、学生が集まる安価でおいしいピッツェリアがあります。

お店の雰囲気で入ってみても、外れることはまれ。

1-3.皇帝たちも愛したリゾート地「カプリ島」へ

1-3.皇帝たちも愛したリゾート地「カプリ島」へ

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「ナポリ」から「カプリ島」へ向かうには、水中翼船とフェリーがあります。

時間の節約のためには、高速の水中翼船がお薦め。

価格は時期や時間によっても変動します。

水中翼船の予約や時刻表についてはこちらをご覧ください。

また、フェリーについてはこちらを。

(1)神秘的な「青の洞窟」

(1)神秘的な「青の洞窟」

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「カプリ島」と聞けば、ぜひ見たいのが「青の洞窟」。

しかし、降雨量や水位の高さによっては、洞窟に近づけない日も多いのが実情。

また、洞窟の前で小舟に揺られて洞窟の中に入る順番を待つことになるので、船酔いが心配な人は酔い止めも忘れずに。

カプリ島は車の乗り入れが禁止されているため、リゾート地らしい高級ブティックのウィンドーを見ながら散策するのには持ってこい。
街並みも美しく、特産品のレモンを使ったチョコレートやリモンチェッロなどのおみやげにも事欠きません。
ただし、物価は少々高め。

日本人を見ると「ウニのスバゲッティはどう?」と日本語で声をかけてくるレストランも。

味で失敗をしたくなければ、星つきホテルのレストランがお薦めです。

(2)「カプリ島」に残る皇帝の豪邸跡「ヴィッラ・ジョビス」

(2)「カプリ島」に残る皇帝の豪邸跡「ヴィッラ・ジョビス」

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街の中にある一本の通りを、標識に従って歩いていくと、山の上にあるティベリウス帝の宮殿跡「ヴィッラ・ジョビス」へ。
ティベリウス帝は、古代ローマ帝国の二代目皇帝。
彼はカプリを愛し、晩年をここで過ごしました。

車の通行がない「カプリ島」は、かわいらしい家や道のわきに咲く花々を楽しみながらのんびりと散策できます。

「ヴィッラ・ジョビス」の裏手にある断崖から眺める青い海はまさに絶景。

孤独を愛した古代のローマ皇帝に思いを馳せるのも一興。

(3)「ナポリ」の郊外にある欧州一広い「カゼルタ王宮」

(3)「ナポリ」の郊外にある欧州一広い「カゼルタ王宮」

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「ナポリ」から電車で40分、「カゼルタ」にあるのが欧州一の広さを誇る「王宮」です。

1752年から18年をかけて建設されたナポリ・ブルボン王家の宮殿は、1994年に行われたナポリサミットの会場としても利用されました。

1997年に、「ユネスコ世界遺産」に認定。

フランスのヴェルサイユ宮殿を意識して建設された「カゼルタ王宮」は、「スターウォーズ」をはじめとするさまざまな映画の撮影が行われたことでも知られています。

(4)映画にも登場する「アマルフィ」、強力な海軍力を誇った街

(4)映画にも登場する「アマルフィ」、強力な海軍力を誇った街

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映画「アマルフィ 女神の報酬」に登場する街「アマルフィ」。

ナポリから、特急電車で2時間ほどの所にあります。

美しい街並みが有名な「アマルフィ」は、イタリア海軍の旗にもその紋章が描かれるほど強い海軍力を誇った街。

9世紀から建設されたドゥオモを初めとして、背後に山が迫り海に面した中世の街並みには、南国の甘さが漂っています。

(5)南イタリアの「フィレンツェ」と呼ばれる美しい街「レッチェ」

(5)南イタリアの「フィレンツェ」と呼ばれる美しい街「レッチェ」

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ブーツの形をしたイタリア半島の、ちょうどかかとのヒール部分にある「レッチェ」。

バロック様式で建てられた街には、高名な大学もあり、街全体に高雅な雰囲気が漂います。

ローマからはおよそ600キロ、ナポリからは400キロ。

イタリア半島をちょうど横切るように旅をすることになりますが、長旅をする価値有りの美しい街です。

街の中心にある広場に、古代ローマ時代の劇場跡があるという特異性も。

イタリア人たちも、夏のバカンスに南イタリアのプーリア州を選ぶことが多いのは、風光明媚の上、食事もおいしく物価も安いというのが理由。

イタリア人たちも絶賛する南国の美味をぜひご堪能あれ!

(6)おとぎの国のようなとんがり屋根「アルベロベッロ」

(6)おとぎの国のようなとんがり屋根「アルベロベッロ」

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青い空にむかってつき上がるとんがり屋根が特徴の「アルベロベッロ」。
「レッチェ」からは、120キロほどアドリア海沿いを北上したところにあります。

他に類を見ない美しい街並みは、1996年に「ユネスコ世界遺産」に認定されました。

日本にある「白川郷」とは姉妹都市。

屋根の部分に描かれた可愛くも謎めいた絵文字や、セメントを使わない独特の建設様式の家屋はまるで絵のよう。

ゆっくりお散歩をしながら、南イタリアの空気を満喫してください。

#2 のんびり田舎満喫コース

のんびり田舎満喫コース

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都市から少し離れれば、ヨーロッパらしい美しい田舎の風景が広がるイタリア。

アクセスがよい田舎町をのんびり歩きたい、という方にお薦めの街をご紹介いたします。

田舎といえども、かつての権力者たちが建てたお城や教会があり、ローマやミラノとは違う空気の中でイタリアを感じることができるのが魅力。

次のページでは『2-1.イタリアの首都「ローマ」があるラツィオ州の田舎へ』を掲載!
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Writer:

ローマ在住十数年。かつてはコロッセオを横目に見ながら通勤し、現在はローマの街を見下ろす山暮らし。歴史と美術と書籍に耽溺中。 ブログ「ルネサンスのセレブたち」 (http://blog.livedoor.jp/cucciola1007/) 連載「ダ・ヴィンチの食堂」 (https://goo.gl/9xnp9W)

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