ローマ在住者が伝授!「トレヴィの泉」の観光ガイドと見どころ

清らかな水と真っ白な大理石との対比が美しい「トレヴィの泉」。どうして街のどまんなかにこんなものが?と思うほど突然に、道の先に開けて登場するのが「トレヴィの泉」です。「トレヴィの泉」にコインを投げて、ふたたびローマに戻るか、あるいは素敵な恋に落ちるのか。あなたもコインを投げて、「トレヴィの泉」の魔法にかかってみませんか。

「トレヴィの泉」観光の前に知っておこう!

「トレヴィの泉」観光の前に知っておこう!

image by iStockphoto

テレビにも良く登場し、ガイドブックにも必ず載っている「トレヴィの泉」。
見学前にもう一度復習してみましょう。

世界遺産「トレヴィの泉」とは?

世界遺産「トレヴィの泉」とは?

image by iStockphoto

ローマには数多くの噴水が存在しますが、その中でも最も有名なのが「トレヴィの泉」ですね。
そして、イタリアは世界中で最もユネスコの世界遺産を有する国ですが、「トレヴィの泉」を含むローマ歴史地区は1980年に世界遺産に登録されています。
「トレヴィ」とは本来、「三本の道」というイタリア語が語源になっていると言われていて、「トレヴィの泉」に到達する道を指していました。

「トレヴィの泉」の中央で半裸に衣をまとっているのが、海の神「ネプチューン」。
貝の上に乗っています。
この貝を馬車のように引っ張っているのが、両際の馬です。
向かって左側の馬は、そのいななく様子から「暴れ馬」と呼ばれていて、逆に右側の馬は「穏やかな馬」というあだ名があります。
この二頭の馬は、海や水は穏やかであったり強暴であったりすることを表しているのだとか。

ポセイドンの向かって右側にいる女性は「健康の女神サルース」、左側の女性は「豊穣の女神ケレース」、彼女は果物が盛られた籠を手にしているのが見えますか?

その「豊穣の女神ケレース」の上に彫られた彫刻を見てみましょう。
ヴィルゴ水道の建設者マルクス・ウィプサニウス・アグリッパが水道建設を支持している様子、「健康の女神サルース」の上には乙女がローマ兵士に湧き水を示している伝説が、それぞれ彫られているのです。

「トレヴィの泉」はいつできたの?

「トレヴィの泉」はいつできたの?

image by iStockphoto

「トレヴィの泉」が現在の姿になったのは、1762年のこと。
当時の法王が、ポーリ宮殿の側面に噴水を建設するコンクールを開催し、勝者となったニコラ・サルヴィという建築家が1732年から建設を開始しました。

法王は、早くに完成を見たかったようで1735年には早くも落成式を行っていますが、工事はまだ進行中でした。

その後、「トレヴィの泉」の規模に技術が追いつかなかったり、財政面で問題が発生し、工事は一時期中断してしまいます。

ふたたび工事が再開するのは、1747年のことでした。
ジュゼッペ・パンニーニという芸術家がサルヴィ亡き後のプロジェクトを引き受け、完成したのは1762年5月22日。
じつに30年の年月を経て完成したことになります。

観光の前に知っておきたい「トレヴィの泉」の歴史

観光の前に知っておきたい「トレヴィの泉」の歴史

image by iStockphoto

「トレヴィの泉」と古代ローマ時代の水道は深い関わりがあることをご存じでしょうか。

古代ローマ時代には、ローマにはなんと11本の水道が存在していました。
そのほとんどは、蛮族の侵入によって破壊され現在は残っていません。

しかし初代皇帝アウグストゥスの時代、紀元前19年に完成した「ヴィルゴ水道」だけは、ルネサンスの時代になって整備され、現代にまで残りました。

その水が、「トレヴィの泉」の噴水からわき出ているのです。

「ヴィルゴ水道」は、現在の名は「アックア・ヴェルジネ ( 乙女の水道 ) 」。

古代時代のローマ兵が喉の渇きをうったえ、ある美しい乙女に水を乞うたところ、乙女がわき水に案内したという伝説があるからだといいます。

実際には、このヴィルゴ水道の水は乙女のように清らかで軽やかであることが理由なんですよ。
ローマの水道の水が石灰水を多く含むのに対し、ヴィルゴ水道からわき出る水だけは石灰分を含まない良質な水であるのが語源なのです。

「トレヴィの泉」という言葉が歴史上初めて登場するのは、1410年のこと。
「トレヴィの泉」の近くには、現在は大統領官邸となっているクイリナーレ宮殿がありますが、15世紀にはこの宮殿はローマ法王の夏の宮殿でした。
その当時、ヴィルゴ水道の水が宮殿のすぐ近くでわき出ていることを知った法王が、「トレヴィの泉」の建設を思いついたのです。

1453年に工事を委託されたレオン・バッティスタ・アルベルティは、当時残されていた三つの水槽を長方形の大きめの水盤に置き換え、古代ローマ時代から残っていたこれまた三つの怪人面で噴水を装飾。

1570年には、ヴィルゴ水道自体も整備されて、水量が増したのです。

17世紀にはいると、「トレヴィの泉」の周辺の広場の整備が進められました。
「トレヴィの泉」の近くには、バルベリーニ宮殿という美しい建物がありますが、これを建てたのも当時のローマ法王。
この宮殿の建築に伴い、ご近所ともいえる「トレヴィの泉」の改装が進められたのです。

彫刻家として名高いジャン・ロレンツォ・ベルニーニは、噴水の水の動きを美しくするために膨大な費用をかけて改築を行いました。
その際には、ローマ市民が購入するワインに別税がかけられたという記録が!

しかし資金不足はその後も続き、ローマ法王たちはクイリナーレ宮殿に近い「トレヴィの泉」の整備をつねに気にしながら、なかなか工事がはかどらないという時代が続きました。

完成したのは1762年ですが、最終的な工事を担当したサルヴィもパンニーニも、「天才」といわれたベルニーニの案をもとに完成させた模様。

現在に至るまで、なんどか修復・清掃が行われていますが、2014年にローマのメゾン「フェンディ」がスポンサーとなって行われた修復により、現在は真っ白な大理石が輝く「トレヴィの泉」を見ることができます。







「トレヴィの泉」が出て来る映画

どこをとっても絵になる「トレヴィの泉」は、多くの映画に登場します。

日本人に最もなじみがあるのは、「ローマの休日」。
若きオードリー・ヘップバーン扮するアン王女が宮殿を抜け出し、長い髪を切るシーンはこの「トレヴィの泉」の近くの床屋さん、という設定でした。

イタリア人が「トレヴィの泉」と聞いて真っ先に思い出すのが、フェデリーコ・フェリーニ監督の「甘い生活」。

ハンサムなマルチェロ・マストロヤンニとグラマラスなアニタ・エクバーグが、「トレヴィの泉」で戯れるシーンは一度見たら忘れられない美しさです。
とくに、黒のドレスで「トレヴィの泉に」入っていくアニタは、このシーンで一躍有名女優の仲間入りをしました。

最近では、老年の恋を描いた「トレヴィの泉で二度目の恋を」。

クリストファー・プラマーが演じる80才のフレッドに惹かれるこれまた老年のエルサは、フレッドに「トレヴィの泉」を訪れるのが夢、と語ります。

紆余曲折を経て二人は「トレヴィの泉」を訪れエルサは夢を叶えますが、そのあとに亡くなってしまうという甘く悲しいお話。

ローマのイコンともいえる「トレヴィの泉」は、その他のイタリア映画にも数多く登場しています。

「トレヴィの泉」に行くのは昼と夜どちらがいい?

「トレヴィの泉」に行くのは昼と夜どちらがいい?

image by iStockphoto

「トレヴィの泉」は、ローマでは一、二の人気を争う観光スポットです。

そのため、つねに観光客があふれてなかなか写真が撮れなかったり、コインを投げるのにも場所の確保にと苦労がたえません。

おすすめは早朝の「トレヴィの泉」。

教会や美術館と違い、トレヴィの泉は24時間公開しています。
宿泊ホテルがローマの歴史地区にあればめっけもの、バールでの朝食を兼ねて「トレヴィの泉」までお散歩をしてみてはどうでしょうか。
朝の7時頃であれば、「トレヴィの泉」とのツーショットも可能でしょう

昼間は、次から次へと観光客が押し寄せ、スリやひったくりの危険もありますから手荷物はくれぐれも気をつけてください。

夜の「トレヴィの泉」は、昼間の光とはまったく違う美しさになります。

ライトアップされた「トレヴィの泉」はぜひ見ておきたいところですが、夜もこの辺りは人でにぎわっていてよい写真を撮るのは難しいかもしれません。

また、夏時間になり日が暮れるのが遅くなると、ライトアップされた「トレヴィの泉」を鑑賞できる時間も遅くなります。
ホテルへの帰路を考慮して見学に行きましょう。

「トレヴィの泉」近くで美味しいジェラートを楽しもう

「トレヴィの泉」につながる小道は、車も入ってきません。
ジェラートを食べながら道沿いのお店のウィンドーを眺めながら散策するにはうってつけ。

トレヴィの泉周辺にはたくさんのジェラートやさんがありますが、「量よりも質」という方におすすめなのは、「サン・クリスピーノ ( San Crispino ) 」。
「トレヴィの泉」から歩いて1分ほどのところにあります。
「サン・クリスピーノ」のジェラートは、銀色のふたがかぶせてあり、店内でジェラートの種類を選ぶときにはジェラートの色を見ることができません。
ガラスに貼られた味を読んで注文しましょう。
あるいは、すでに注文して食べている人のジェラートを見て決めるのもオツですね。
お値段は少々高めですが、味はしかし絶品!イタリアのジェラートがいかにおいしいかを、実感できるお味です。

Il Gelato di San Crispino

Via della Panetteria, 42, 00187 Roma

営業時間 11:30~0:30(金・土曜日は1:30まで)

また、観光客だけではなく地元のローマっ子にも人気なのが「チェーチェレ ( Cecere ) 」。
こちらも、「トレヴィの泉」からは徒歩で1分もかからないところにあります。
人気は濃厚なクリーム味の「ザバイオーネ」。
コーンからこぼれ落ちそうな量も魅力!

Gelateria Cecere

Via del Lavatore, 85, 00187 Roma

営業時間 11:00~0:00

そのほかにも、「トレヴィの泉」を囲むようにしていくつかのジェラートやさんがあります。
味は悪くはないものの、観光客で混み合っている上、お値段も割高に。
それよりも、「トレヴィの泉」に到着するまでの小道沿い、その横道にあるジェラートやさんがおすすめです。

次のページでは『「トレヴィの泉」にコインを投げよう!』を掲載!
次のページを読む >>