ローマ在住者が伝授!バチカン市国「サン・ピエトロ大聖堂」の観光ガイドと見どころ

世界で最も小さい独立国バチカン。世界中に存在する12億人のカトリック信者たちの大本山です。そのバチカン市国のシンボルが、「サン・ピエトロ大聖堂」。世界で最も大きな教会です。歴代のローマ法王たちの権力を背景に、その威信のすべてをかけて建てられてきた「サン・ピエトロ大聖堂」は、外観だけではなく内部にも目をみはるような文化遺産が。

バチカン市国「サン・ピエトロ大聖堂」観光の前に知っておこう!

バチカン市国「サン・ピエトロ大聖堂」観光の前に知っておこう!

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世界で一番小さい、とはいえ「バチカン」は立派なひとつの国。
入国や見学のしかたをおさらいしてみましょう。

ローマから行くのに出国手続き、パスポートなど必要?

ローマから行くのに出国手続き、パスポートなど必要?

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ローマからバチカンに入るのに、パスポートは必要はありません。
ただし、イタリアを初めとするヨーロッパの国々では、身分証明書の提示を求められる可能性がありますので、パスポートのコピーは旅行中は携帯しているのがベター。

バチカンへのアクセスは、地下鉄A線の「オッタヴィアーノ駅」から徒歩、あるいは市内を走るバスを利用しましょう。
テルミニ駅からであれば、64番と40番が「サン・ピエトロ大聖堂」付近に停車します。
その他、19, 32, 34, 40, 62, 81, 87, 115, 590, 982, 990 のバスが、バチカン市国周辺に停車するバスの番号。

注意しなくてはいけないのは、「サン・ピエトロ大聖堂」と「バチカン美術館」入り口が別というところ。

「バチカン美術館」は、地下鉄オッタヴィアーノ駅あるいはチープロ駅から徒歩で5分ほどですが、「サン・ピエトロ大聖堂」の入口はもう少しテベレ川寄りのコンチリアツィオーネ大通りから入っていくことになります。

パスポートは必要ありませんが、昨今のテロの頻発で入口でのチェックが非常に厳しくなっています。

手荷物の検査からボディーチェックがあるため、入場希望者が列をなしているのが普通。
時間に余裕を見て「サン・ピエトロ大聖堂」を見学するのがおすすめ。

また、「サン・ピエトロ大聖堂」は観光地ではなくキリスト教信者の教会。
ミニスカートやタンクトップを着用していると、聖堂内に入ることはできません。
肌はなるべく隠した服装で向かいましょう。
肩を出した服装の観光客目当てに、肌を覆うストールなどを販売する人々もたむろしています。
法外な値段をふっかけられないようにくれぐれもご注意を!

バチカン市国を見て回るのに必要な時間は?

バチカン市国を見て回るのに必要な時間は?

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バチカン市国は小さな国とはいえ、見所が満載。

まず、「サン・ピエトロ大聖堂」と「バチカン美術館」を一日で制覇するのは時間的にも体力的にもキツい。
時間に余裕があるのならば、二つは日にちをずらしたほうがベター。

「バチカン美術館」は、著名な作品やシスティーナ礼拝堂を見学するだけでも3時間は見ておくのがよいでしょう。

「サン・ピエトロ大聖堂」は、朝の7時から入場可能。
これを利用し、なるべく朝早く「サン・ピエトロ大聖堂」に赴き、列に並ぶ時間を節約するのがお勧め。
内部の見学は、個人の興味の差もありますので1時間から2時間といったところ。

「サン・ピエトロ大聖堂」含むバチカン市国が世界遺産になった理由は?

「サン・ピエトロ大聖堂」含むバチカン市国が世界遺産になった理由は?

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ユネスコの世界遺産に登録をされるには、ユネスコが制定した基準があります。
詳しくは、下記のリンクをご覧ください。

これらの基準の中で、バチカンがクリアーした条件はこれです。

「・人類の創造的才能を表現する傑作であること

・ある期間を通じて、またはある文化圏において建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すものであること

・人類の歴史上、重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例であること

・顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、直接にまたは明白に関連するものであること」

具体的に言えば、8世紀の半ばからローマ法王が法王領を所有し、ローマ法王がカトリック教徒たちに対して神の代理人として君臨し、歴史的建造物、芸術品、書籍などを大量に所有するという歴史的事実に対して適用されたのでしょう。

実際、バチカンに行けば見るものばかりでどこから手をつけていいのかわからない、という状況に陥ります。
「バチカン美術館」には、レオナルド、ミケランジェロ、ラッファエッロといった世界史の教科書にも登場する偉大な芸術家の作品が所有されているだけではなく、歴代の法王たちが収集してきた古代ローマのコレクション、膨大な量の貴重な書籍を有するバチカン図書館などが含まれていて、その歴史的価値は天井知らず。

「サン・ピエトロ大聖堂」には、名高きミケランジェロの「ピエタ」を初めとする芸術品はもとより、イエス・キリストからキリスト教会を任された聖ピエトロの墓、ミケランジェロを初めとする数々の芸術家によって建設されたクーポラなど、歴史的文化遺産がこれでもかと詰まっているのです。


観光の前に知っておきたい「サン・ピエトロ大聖堂」の歴史

観光の前に知っておきたい「サン・ピエトロ大聖堂」の歴史

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歴史上初めて「サン・ピエトロ大聖堂」が建てられたのは4世紀、キリスト教を後任したコンスタンティヌス大帝によってと伝えられています。
イエス・キリストの愛弟子であったペトロ(イタリア語ではピエトロ)の墓所があり、歴代の法王たちに深く信奉されてきた大聖堂。
数々の神聖ローマ皇帝の戴冠が行われた場所でもあります。
ちなみに、ローマの街の守護聖人はこのペテロとパウロ(イタリア語ではパオロ)。

古い「サン・ピエトロ大聖堂」が壊され、現在の「サン・ピエトロ大聖堂」の建築がはじまったのは1506年。
大聖堂前の広場を含めて完成したのは、161年後の1667年でした。

1506年に新聖堂建築の音頭をとったのは、ミケランジェロのパトロンでもあったローマ法王ユリウス二世。
けんかっ早いことで有名であったユリウス二世とミケランジェロは、しじゅう大げんかをしていたというエピソードもあります。

クーポラの高さ133メートル、横幅218メートル、総面積2万3千平方メートルを誇る大聖堂は、2万人あまりの信者を収容できると言われており、その建造に関わった芸術家にはミケランジェロ、ブラマンテ、ラッファエッロ、サンガッロ兄弟、ドメニコ・フォンターナ、ピッロ・リゴーリオ、ジャコモ・デッラ・ポルタ、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニといった天才たちがズラリ。

建築上の問題や物理学上の問題、果ては財政難もあり、大聖堂の建築は試行錯誤と紆余曲折を経て成し遂げられたといっても過言ではありません。

「サン・ピエトロ大聖堂」に行くのは昼と夜どちらがいい?治安は?

「サン・ピエトロ大聖堂」に行くのは昼と夜どちらがいい?治安は?

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「サン・ピエトロ大聖堂」の見学可能時間は、朝の7時からです。

季節によって閉館時間が異なります。

10月1日から3月30日 18:30 見学終了

4月1日から9月30日  19:00 見学終了

しかし、毎週日曜日にはローマ法王によるミサが10:00から開催され、また平日にもローマ法王による謁見が行われることがあります。
その場合には、観光客の入場や見学が禁止されますので、オフィシャルサイトなどでチェックをしましょう。
また、現法王フランシスコは南米の出身らしく、サプライズのパフォーマンスが大好き。
神出鬼没でイベントが行われることもあり、「サン・ピエトロ大聖堂」が突然入館禁止になる可能性もゼロではありません。
「サン・ピエトロ大聖堂」は、あくまでキリスト教信者の聖なる場所であることを熟慮して、その場合には潔く諦めましょう。

また、イタリアは3月の最終日曜日夜半から夏時間がはじまり、1時間ずれが生じます。
夏時間が終わるのは、10月の最終日曜日の夜中。
その期間にご旅行される方も、見学時間にご注意を。

「サン・ピエトロ大聖堂」を見学するのには、厳しいセキュリティーチェックがあります。
大聖堂見学は無料ですので、当然美術館のように予約などは不可能。
なるべく短い列に並んですませたいのならば、開館の朝7時を待つのがベスト。
一概に、欧米からの観光客は朝寝坊が多いので、7時にバチカンに並ぶ人は少ないからです。

大聖堂の内部見学は、18:30まで、あるいは19:00までで終了ですが、日没後には「サン・ピエトロ大聖堂」のクーポラがライトアップされます。
漆黒の闇に浮かび上がる美しいクーポラとテベレ川の美しさは、また格別。

「サン・ピエトロ大聖堂」周辺は、とくに治安が悪いと言うことはありません。
ただし、ローマやイタリアの他の都市と同様、観光客目当てのスリや置き引きなどには油断なくご注意ください。

いざ「サン・ピエトロ大聖堂」へ出発

いざ「サン・ピエトロ大聖堂」へ出発

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それでは、実際に「サン・ピエトロ大聖堂」を訪れてみることにしましょう!バチカン市国の入口っていったいどこ?

cucciola

Writer:

ローマ在住十数年。かつてはコロッセオを横目に見ながら通勤し、現在はローマの街を見下ろす山暮らし。歴史と美術と書籍に耽溺中。 ブログ「ルネサンスのセレブたち」 (http://blog.livedoor.jp/cucciola1007/) 連載「ダ・ヴィンチの食堂」 (https://goo.gl/9xnp9W)

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