ローマ在住者が伝授!「ナヴォーナ広場」の観光ガイドと見どころ

バロックの天才ジャン・ロレンツォ・ベルニーニが作り上げた噴水が人々を圧倒する「ナヴォーナ広場」。ローマの街の中心にある「ナヴォーナ広場」には、歴史や美術の見所がてんこ盛り!壮麗な広場の魅力に迫ってみます。

「ナヴォーナ広場」とは

「ナヴォーナ広場」とは

image by iStockphoto / 26351188

「ナヴォーナ広場」は、ローマに数多くある広場の中でも「スペイン広場」などと並んで最も有名な広場のひとつです。
その特徴は、古代ローマ時代の競技場の跡地を広場として設計したところ。
伝統的にクリスマス・マーケットが建つ広場としても有名。
12月から1月の初旬にかけて、クリスマス独特の空気を楽しむことができます。

ナヴォーナ広場の住所・アクセスや営業時間など

名称ナヴォーナ広場
名称(英語)Piazza Navona
住所Piazza Navona, 00186 Roma
営業時間・開場時間24時間
利用料金や入場料無料
参考サイトhttp://www.turismoroma.it/cosa-fare/piazza-navona
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

ナヴォーナ広場のスポットページ

「ナヴォーナ広場」はいつできたの?

「ナヴォーナ広場」はいつできたの?

image by iStockphoto

「ナヴォーナ広場」の前身は、古代ローマ帝国時代の「ドミティアヌス競技場」。
第11代皇帝ドミティアヌスが、西暦85年に完成を祝った競技場です。
全長276メートル、幅106メートル、最大で3万人を収容できた巨大な競技場でした。

古代ローマ時代の競技場は、数々の彫刻が飾られていたそうです。
その一つが、現在は「物言う銅像」としてナヴォーナ広場のほど近くに置かれている「パスクィーノ」。

1644年にローマ法王となったインノケンティウス10世は、実家であるパンフィーリ家の宮殿を競技場の一角に建設、周辺を広場として整備しました。
ローマンバロックのシンボル、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニが手がけた美しい広場を、我々はそのまま目にしているのです。

「ナヴォーナ広場」の名前の由来は?

「ナヴォーナ広場」の名前の由来は?

image by iStockphoto

「ナヴォーナ広場」の辺りはその昔、「イン・アゴーネ広場」と呼ばれていました。
「in Agone」とは、ラテン語の「イン・アゴニス ( in agonis ) 」で、意味するところは「娯楽」。
ローマ帝国時代に娯楽施設として使われていた名残が、そのまま名前になったというわけ。
年月とともにこの言葉が徐々に変化し、「ナヴォーナ広場」となったのです。

広場の一角に立つ教会は、「イン・アゴーネ」の名前をそのまま残して「サンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会」と呼ばれています。

観光前に知っておきたい「ナヴォーナ広場」の歴史

観光前に知っておきたい「ナヴォーナ広場」の歴史

image by iStockphoto

「ナヴォーナ広場」の前身「ドミティアヌス競技場」が完成したのが西暦85年。
その後、帝国の衰退とともに「競技場」はすたれて、10世紀から11世紀かけてはローマ郊外にあるファルファ修道院の所有地となっていました。

13世紀頃からローマの行政官の支配下に置かれ、軍馬の訓練場となります。
また、毎年カーニヴァルの時期には市民たちが変装して楽しむ広場に早変わりしたのだとか。

ルネサンス時代までこの慣習は続きますが、1644年にパンフィーリ家出身の法王インノケンティウス10世が宮殿とその周辺の整備をジャン・ロレンツォ・ベルニーニに委託。
現在の姿になります。

1810年から30年間は、「ナヴォーナ広場」で競馬が行われていたという記録も。
2000年前から、ローマ市民の娯楽を提供し続けてきたのが「ドミティアヌス競技場」と「ナヴォーナ広場」なのです。

「ナヴォーナ広場」の治安は?

「ナヴォーナ広場」の治安は?

image by iStockphoto

バティカンからほど近く、周囲にはイタリア上院もある「ナヴォーナ広場」周辺は、ローマ市内では非常に治安がよい地区。
ただし、観光客も多くとくに人で混み合うクリスマスマーケットの時期は、スリにはじゅうぶん注意してください。

また、「ナヴォーナ広場」へのアクセスで利用するバスもスリが多いことで有名。
用心にこしたことはありません。

「ナヴォーナ広場」へのアクセス

「ナヴォーナ広場」へのアクセス

image by iStockphoto

「ナヴォーナ広場」は、地下鉄A線「スペイン広場」駅からは歩くと徒歩で25分ほどの距離にあります。
町並みやお店のウィンドーを見ながらならば、ぶらぶら歩ける距離。

交通手段を使うのであれば、バスが一番便利。
テルミニ駅からなら64番か40番。
この2本はバチカン方面に向かいますから、バチカン周辺を見学したあとに64番か40番に乗っても「ナヴォーナ広場」に寄ることができます。
最近は、以前にはなかった車内アナウンスがあるので、「ピアッツァ・ナヴォーナ」という地名がアナウンスで流れたら下車。
1つくらいバス停の降りまちがいがあっても、歩ける距離なのでご心配は無用です。


「ナヴォーナ広場」と美術

「ナヴォーナ広場」と美術

image by iStockphoto

ローマ有数の貴族たちの美々しい宮殿、ベルニーニの噴水、教会に囲まれた「ナヴォーナ広場」。
その細部を見ていきましょう。

「ナヴォーナ広場」の噴水

「ナヴォーナ広場」の噴水

image by iStockphoto / 95471489

「ナヴォーナ広場」には三つの噴水があります。

中央でオベリスクを支えているのが「四大河の噴水」。

サンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会を背にして、右手奥にあるのが「ムーア人の噴水」。

左手奥にあるのが、「ネプチューンの噴水」です。

「ナヴォーナ広場」の主役ともいえるこの噴水をそれぞれ見ていきましょう。

#1 「ナヴォーナ広場」の顔「四大河の噴水」

「ナヴォーナ広場」の顔「四大河の噴水」

image by iStockphoto

ベルニーニと並ぶバロックの顔フランチェスコ・ボッロミーニが設計した「サンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会」の真前に立つ「四大河の噴水」。

真ん中にたつオベリスクを囲むように四人の巨人の彫刻があります。
それぞれ、ナイル川、ガンジス川、ドナウ川、ラプラタ川を表しています。

また、この噴水の制作をベルニーニに依頼した法王インノケンティウス10世の実家パンフィーリ家の紋章が法王冠をかぶせられて麗々しく彫刻されていますね。
パンフィーリ家の紋章は、オリーブの枝を加えた鳩が特徴。

「四大河の噴水」は、1648年から1651年にかけてバロック様式で制作されました。

1651年、古代ローマの遺跡マクセンティウスの競技場に置かれていたオベリスクを、ベルニーニが「ナヴォーナ広場」に移動し、「四大河の噴水」の中心に据えました。

オベリスク自体の高さは17メートル弱、しかし噴水部分を土台にしているため地上からオベリスクのてっぺんまでの高さは30メートル以上あるのだとか。

伝説によると、バロック美術の大家ベルニーニとボッロミーニは同時代人にしてライバルであったため、ボッロミーニが設計したサンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会を向いている巨人「ラプラタ川」は、片手を大きくあげて「防御」の姿勢を取っている、などという楽しい噂話もあり。

また、ボッロミーニにライバル心メラメラのベルニーニが、法王に取り入るために彼の嫂であった悪名高きドンナ・オリンピア・マイダルキーニに、銀で作った噴水の模型を送り、発注までこぎ着けたという言伝えもあります。

ローマ法王インノケンティウス10世は、前任者のウルバヌス八世がパンフィーリ家のライバル、バルベリーニ家の出身であったことから、彼らに対抗心を燃やしてベルニーニを採用、ナヴォーナ広場を整備したという説もあり。
二重三重にも男たちの野心が絡み合った噴水設計計画であったのです。

クリスマスシーズンになると、「ナヴォーナ広場」ではクリスマスマーケットが開催されます。

それにあわせて、「四大河の噴水」も美しくイルミネーションされるのです。

四大河の噴水の住所・アクセスや営業時間など

名称四大河の噴水
名称(英語)Fontana dei Quattro Fiumi
住所 Piazza Navona, 00186 Roma
営業時間・開場時間24時間
利用料金や入場料無料
参考サイトhttp://www.060608.it/it/cultura-e-svago/beni-culturali/beni-architettonici-e-storici/fontana-dei-fiumi.html
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

四大河の噴水のスポットページ

#2 「ナヴォーナ広場」の北側にある「ネプチューンの噴水」

「ナヴォーナ広場」の北側にある「ネプチューンの噴水」

image by iStockphoto

1570年、古代ローマ時代から残る水道「ヴィルゴ水道」が再整備され、その水が「トレヴィの泉」に使用されるようになります。

それと同時にローマの下水道も整備され、ヴィルゴ水道の水は「ナヴォーナ広場周辺」にも行き渡るようになりました。

1574年に、建築家のジャコモ・デッラ・ポルタは法王グレゴリウス13世の命令でナヴォーナ広場の南北に噴水を設置。
デッラ・ポルタによる噴水は、曲線が特徴の大理石製の水槽であったそう。

当時、現在の「ネプチューンの噴水」が置かれた辺りは台所用品や食器を売る店が軒を連ねていたので、別名を「カルデライ(台所用品を扱う店の総称)の噴水」と呼ばれていたのだとか。

ベルニーニは、この噴水もある程度は整備したものの、「ネプチューンの噴水」の由来となる海をテーマにした彫刻が施されたのは19世紀になってからです。
そのため、「ナヴォーナ広場」にある三つの噴水のうち、「ネプチューンの噴水」だけはその彫刻がベルニーニ以外の彫刻家の手により完成。

1651年に、ベルニーニが「四大河の噴水」を完成させたとき、南側にある「ムーア人の噴水」も整備されました。
財源不足のためしばらくはそのままにされていましたが、最終的にベルニーニは「ネプチューンの噴水」も広場の雰囲気に合わせて改装しています。

cucciola

Writer:

ローマ在住十数年。かつてはコロッセオを横目に見ながら通勤し、現在はローマの街を見下ろす山暮らし。歴史と美術と書籍に耽溺中。 ブログ「ルネサンスのセレブたち」 (http://blog.livedoor.jp/cucciola1007/) 連載「ダ・ヴィンチの食堂」 (https://goo.gl/9xnp9W)

この記事のカテゴリ

イタリア
ヨーロッパ
歴史

関連記事を見る

イタリアの記事を見る

【イタリア在住者が伝授】イタリア観光の攻め方&モデルコースを徹底解析
イタリアの観光名所が目白押し?!夫婦の離れた心の変化を描いた映画『イタリア旅行』をご紹介
「ローマの休日」を辿るイタリア・ローマ観光のすすめ。観光スポット・舞台はここ!
ヨーロッパ最大の帝国となったローマ!ローマはなぜ帝国になったの?ローマ帝国への道
政府公認観光ガイドが伝授!アルベロベッロとプーリア州
ローマ在住者が伝授!ローマのおすすめの美術館20選
政府公認観光ガイドが伝授!愛の小道を歩きたいチンクエテッレ
政府公認観光ガイドが伝授!美食を巡るボローニャとエミリア=ロマーニャ州
初めてのベネチアなら見逃せない!1000年の栄光を感じる歴史スポット11選
イタリア旅のリピーターは要チェック!日帰りできるおすすめの美しい街7選
政府公認観光ガイドが伝授!コロンブスの生まれた町ジェノヴァをご紹介
ローマ在住者が伝授!「真実の口」の観光完璧ガイド