政府公認ガイドが伝授!イタリア観光で行きたい「ポンペイ遺跡」の魅力

約2000年前に突如火山で消滅してしまったポンペイ。人口約2万人を誇る古代ローマ時代に最も栄えた都市の一つでしたが、火山噴火後およそ1000年以上忘れ去られた存在で火山灰の下に埋もれていました。18世紀に発掘されると、その高度な文明と数々の屋敷から出てきたフレスコ画が注目を浴びました。当時ヨーロッパでは裕福な貴族の子供達がイタリアなどに旅行して見聞を広めるという、現代の留学のような旅行が流行していました。ポンペイは十数世紀を超えた遺跡を見られる場所としてグランツアーの名所となりました。街一つ分の広大な土地に広がる遺跡の見どころを紹介します。
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ポンペイを歩いてみよう!見どころと概要

ポンペイを歩いてみよう!見どころと概要

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ポンペイは2000年近く前の実際の街。
広大な土地に遺跡が広がります。
ポンペイをより楽しむための見どころと歴史を紹介します。

街が一瞬の内に火山灰の下に…ポンペイの歴史

街が一瞬の内に火山灰の下に…ポンペイの歴史

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古代ローマが力を持った紀元前1世紀頃、ポンペイの街はローマ共和国の一部となりました。
肥沃な火山灰からできるぶどうの産地でもあったため、ワインの醸造が盛んでした。
さらに海に面している地理的な利点を生かして、ローマへ荷物を運ぶ拠点として大きく栄えました。
しかし紀元後79年近くのヴェスヴィオ火山が大噴火。
火山灰で街は真っ暗になり、その後発生した火砕流が流れ込み街は全て飲み込まれてしまうのです。
水道が通っていたり、道路が舗装されていたり、当時としては高い文明を誇った街も火山の前にはなすすべもありませんでした。
その後何世紀も忘れ去られていましたが、発掘の際には多くのものが当時の姿のまま残っていたのです。

どこを見ればいい?ポンペイの名所概要


ポンペイの街は東京ドームの約65倍の大きさ。
見どころはたくさんですが、効率よく見て回る必要があります。
特に夏は南イタリア特有の強い日差しを遮るものがないので、ポイントを押さえておきたいもの。
まず駅に着いて入り口から入るとまずアポロ神殿に迎えられます。
この辺りは街の中心でジュピターやヴィーナスの神殿、そして街の市場が並びます。
ポンペイの面白いところは当時の生活がそのまま残されているところ。
居酒屋や道路標識に当時の生活を伺うことができます。
モザイクの床やフレスコ壁画を見たい方はこのそばの悲劇詩人の家、そしてちょっと離れた秘儀荘を見に行きましょう。

猛犬に注意して入りたい「悲劇詩人の家」


ポンペイにはたくさんの屋敷跡がありますが、市場の近くにあるのが「悲劇詩人の家」。
家自体は他と比べてそれほど大きくないのですが、フレスコ画とモザイクの床は必見です。
中に入ってまず迎えられるのが床にモザイクで描かれた犬の絵と「猛犬注意」という注意書き。
吠えてくる声が聞こえてきそうです。
モザイクの床をもう少し見たい方は奥の部屋へ。
ギリシャ演劇を演じる姿を描いたモザイク画が描かれており、この絵から「悲劇詩人の家」と名付けられました。
中庭の壁に描かれたギリシャ悲劇「イピゲネイア」のフレスコ画は色合いや人物の表現など、現代にも通じるような質の高い絵画作品です。

ポンペイのフレスコ最高傑作と言われる「ヴェッティの家」

ポンペイのフレスコ最高傑作と言われる「ヴェッティの家」

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ポンペイは2000年前のフレスコ画が良い保存状態で残されていることで知られています。
その中でもこの「ヴェッティの家」は規模の大きさや建築様式も含めて質の高さで有名です。
1100平米という巨大な家に住んでいたのは元奴隷からローマ市民になったヴェッティ兄弟で、裕福なだけではなくのちに政府高官になりました。
ポンペイの壁画は時代によって4つに分類されますが、これは一番装飾的な第4期にあたるもの。
壁に描かれた絵は絵画館のような役割をしていました。
ひときわ目を引くのが大きな男性器を秤にかけている図。
一見びっくりしますが、これはギリシャ神話の豊穣を司る神でこの家の繁栄を願って描かれています。

ローマ時代の浴場を見られる「スタビアーネ浴場」

ローマ時代の浴場を見られる「スタビアーネ浴場」

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映画「テルマエロマエ」でも有名になりましたが、ローマ時代は公衆浴場が大人気でした。
ローマ人たちはお風呂に入るだけでなく社交の場としても使用していました。
政治について話したり、ジムとして利用したり、サウナがあったりと現代に通じるような施設でした。
男女別に分かれており、お湯も水からぬるま湯、熱いお湯と全て揃っていました。
ローマ人の街だったポンペイにももちろんこの施設があり、その中でもスタビアーネ浴場は最も古いものとして知られています。
日本の銭湯のように装飾が施されているのも比較すると面白いでしょう。
2000年前にどんな会話がここで繰り広げられたか、想像力を膨らませてみてください。

謎の壁画が面白い「秘儀荘」

謎の壁画が面白い「秘儀荘」

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ポンペイ遺跡の中でも名高い「秘儀荘」。
遺跡の中心部からは離れていますが一番人気です。
赤い背景に等身大に描かれた人間たちが並んだ部屋が名前の由来。
この部屋はワインの神デュオニュソスを信仰する宗教の儀式と関わっていると考えられています。
ローマ時代、この宗教は禁止されていたのでこの部屋はいわば秘密の部屋。
真ん中にいるのはデュオニュソスと一部見えなくなっていますが、妻のアリアドネです。
デュオニュソスと何人かの半身半獣以外は、描かれているのは全て女性。
様々な格好で描かれていますが、内容は全て解明されていません。
想像力を膨らませながら鑑賞してみましょう。

ポンペイから足を伸ばしてみよう!

ポンペイから足を伸ばしてみよう!

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ポンペイの遺跡の周りにはたくさんの見どころがあります。
ギリシャ神殿からカプリ島までポンペイから足を伸ばして行きたい名所を紹介します。

エルコラーノで貴族の別荘跡を見る

エルコラーノで貴族の別荘跡を見る

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ポンペイと同じく紀元79年にヴェスヴィオ火山で灰の下に埋まってしまったのが、ナポリとポンペイの間にあるエルコラーノ。
ここは貴族の保養地として別荘が建てられました。
分厚い土石流の層に覆われたため、木や紙でできたものもそのまま炭化して残ったのがポンペイと異なる点です。
「パピリの別荘」からは数多くのブロンズ像に加えてパピルスも発見されています。
ポンペイに比べると小ぶりで見やすいのが特徴のエルコラーノ。
その中でも「ネプチューンとその妻アンピトリティスの家」のモザイク画は色彩が美しく、陰影まで表現されていて必見です。

南イタリア最大の街ナポリ

南イタリア最大の街ナポリ

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イタリアの中でも独特の文化を誇るのがナポリ。
クラクションが鳴りっぱなしの道、建物の間に干されている洗濯物とまるで映画のような世界が広がります。
美味しいものが集まる街としても有名で、特にピザはイタリアで一番美味しいことで有名です。
歌にも歌われたサンタ・ルチア港から卵城、そしてポンペイの壊滅の原因となったヴェスヴィオ火山を見ることもできます。
ポンペイやエルコラーノで発掘されたオリジナルが展示されている考古学博物館も必見。
中でも「アレクサンドロス大王の戦い」は5.83m×3.13mと圧倒される大きさです。
ポンペイを見た後は是非足を伸ばしてみましょう。

真っ青な海とカラフルな家が並ぶアマルフィ海岸

真っ青な海とカラフルな家が並ぶアマルフィ海岸

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ナポリからポンペイに向かう電車の終点で降りると、アマルフィ海岸の入り口にたどり着きます。
世界遺産にも登録されたこの海岸線は、断崖絶壁に張り付くようにして様々な色の家が立ち並ぶのが特徴です。
冬でも真っ青な空にブーゲンビレアが咲き、エキゾチックな教会が建っている様子はまるで一片の絵を見るよう。
夏になると世界各地から海水浴客が訪れます。
絶壁をさらに登っていくと「神の道」と呼ばれるハイキングコースがあります。
そこから眺める海の景色はまさに神様のために作られたような美しさ。
健脚の方はぜひ挑戦して絶景を堪能してください。

パエストゥムでギリシャ神殿を見てみよう

パエストゥムでギリシャ神殿を見てみよう

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ポンペイでは古代ローマの遺跡を見ることができました。
しかし南イタリアは古代ローマの一部となる前に、古代ギリシャの植民地としても栄えました。
その様子を見ることができるのがここパエストゥム。
ナポリから電車で約1時間程度です。
ゼウスの妻ヘラに捧げられた2つの神殿は、それぞれ紀元前5世紀と6世紀に建てられたもの。
大きさもさることながらその歴史にも圧倒されます。
ギリシャ神殿の特徴はたくさん並ぶ柱です。
特にヘラIIと呼ばれる新しい神殿は柱が上下2段になっており、当時の建築技術を伺うことができます。
時間があれば考古学博物館に行って紀元前5世紀に描かれた「飛び込み男の墓」を鑑賞してみてください。

イタリアのヴェルサイユ宮殿カゼルタ

イタリアのヴェルサイユ宮殿カゼルタ

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18世紀にナポリ王国のカルロス7世が築いた宮殿がこのカゼルタ。
ヴェルサイユ宮殿をモデルに作ったと言われるこの宮殿ですが、規模が大きいのが特徴。
巨大な宮殿は縦247m、横184m、部屋の数は1200。
映画「スターウォーズ」シリーズでアミダラ女王の宮殿としても使用されました。
カルロス7世は海から離れたこの場所を新しい首都にしようという計画があったため、ヴァンヴィテッリの水道橋を建築して水を引きました。
3kmの遊歩道を誇る庭にはたくさんのバロック様式の噴水があり、イタリア初のイギリス式庭園も広がります。
広大な敷地の中、王様の気分を味わうことができます。

ポンペイに行こう!観光便利情報

ポンペイに行こう!観光便利情報

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ポンペイに行くにあたって気になる交通情報や天気など便利情報を紹介します。

どうやって行ったらいい?ポンペイへの行き方


ポンペイはナポリの近くにあります。
そのほかの都市からアクセスする場合もまずはナポリにアクセスするのが一番です。
ナポリ中央駅からCircumvesuviana(ヴェスヴィオ周遊鉄道)のソレント行きに乗って約30分程度。
Villa di Misteri(秘儀荘)駅で降りてマリーナ門から入場するとアポロ神殿や市場、悲劇詩人の家など見どころにすぐアクセスすることができます。
ローマからナポリまでは約1時間半、ナポリ空港からはシャトルバスもしくは市バスで約20分程度。
ヨーロッパの各地域からナポリ空港にも飛んでいるので便利です。

所要ポイントを絞ってツアーを利用

所要ポイントを絞ってツアーを利用

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ポンペイは街一つ分の遺跡。
ゆっくり見て回ろうと思うと1日掛かりの観光になってしまいます。
特に夏は日差しを遮るものがないので効率よく回るのがとても重要です。
また、ローマなどほかの都市を拠点とする場合、ナポリでの乗り換えなどに手間取りたくないもの。
そんな方にはツアーの利用をおすすめします。
ローマからであれば観光バスに乗って直接ポンペイやエルコラーノに到着。
現地では日本語の説明を聞きながら、広いポンペイの遺跡の中で見ておくべき場所を案内してもらえます。
現地のガイドは専門の教育を受けているので、ガイドブックだけではわからない歴史的な話が聞けるのも楽しみです。

気になる天気

気になる天気

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イタリアは日本と同じく四季があるので、夏は暑く冬は寒くなります。
ポンペイの位置する南イタリアは冬でも暖かいのが特徴。
屋外が多い遺跡の中でも観光するのに大きな支障はありません。
その分夏の観光は日差しが強く、遮るもののない直射日光を浴びることになります。
屋内でモザイク画などを鑑賞する際は問題ありませんが、外に長時間いるのは禁物。
またイタリアの日差しは日本と比較して強いので、日本にいる時よりも気をつける必要があります。
小さなお子さんやお年寄りと一緒の方は特に気をつけてください。
ツアーの場合は日陰の場所を事前に確認しておくことをおすすめします。

どんなものを持っていけばいい?

どんなものを持っていけばいい?

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旅行で気になるのが持ち物。
旅行の荷物はできるだけ少なく、帰りのお土産にとっておきたいですよね。
ポンペイの遺跡を回るのに必須なのは日差し対策。
前述の通り夏は日本以上に日差しが強いので、日焼け止めや帽子、日傘などが必須です。
また暑くても直射日光を避けるために一枚羽織るものがある方がいいでしょう。
また日本で使用していなくても、イタリアの日差しではサングラスは必須。
乾燥しているのでお水もしっかり飲むようにしましょう。
また忘れたくないのが歩きやすい靴。
夏にサンダルを履く場合も歩きやすさを重視したものを選ぶようにしてください。

1日じゃ物足りない方に…宿泊について

1日じゃ物足りない方に…宿泊について

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ポンペイ遺跡は見どころたくさん。
ひとつひとつのモザイクやフレスコ画を見ていたら1日では物足りなく感じる人もいると思います。
そんな方には宿泊しての観光がオススメ。
遺跡の研究で訪れる人は何泊もするので、様々なタイプのホテルがあります。
また宿泊の良さはエルコラーノやパエストゥムといった他の遺跡、そしてアマルフィ海岸にまで足を伸ばせること。
ナポリへも30分程度なので、都会の喧騒が苦手な方はポンペイに宿泊してナポリに足を伸ばすという手もあります。
ポンペイを見てからナポリに行く場合は考古学博物館でオリジナルを見ることをお忘れなく。

2000年前に生きた人たちの息遣いを感じよう!

2000年前に生きた人たちの息遣いを感じよう!

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ポンペイの見どころは実際に人が生きた街であること。
2000年前とはいえ、ここには人の生活がありました。
居酒屋があったり、水道が通っていたり、劇場があり浴場があり、そして家の玄関には猛犬への注意書きがあったりと、現代と変わらない生活があったことが感じられるのが特徴です。
他の遺跡が時間とともに衰退していったのに対し、ここは1日で消え去ってしまったために人の生活がそのまま残されています。
当時の裕福な貴族達の目を楽しませたフレスコ画も後の芸術家達に影響を与えました。
時代を超えて人々の生活を感じられるポンペイに足を運んで見るのはいかがでしょうか?
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政府公認フィレンツェ観光ガイド 加藤まり子

Writer:

イタリア政府公認観光ガイド。本場イタリアから最新のイタリア情報をお届けします。 大手外資系企業で勤務中のある日「トスカーナの風に吹かれたい!」と思いつき、キャリアを捨ててイタリアに移住。フィレンツェ公認観光ガイドとして、大好きなルネサンス発祥の地フィレンツェで、現代にも通じる芸術、歴史、ライフスタイルを紹介しています。 Twitterでほぼ毎日イタリアの「生」の情報を提供中。

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