【ポーランドの世界遺産】激動の歴史に翻弄された国の世界遺産一覧

7つの国に囲まれており、地図の上から何度も消えてしまった激動の歴史を繰り返したポーランド。多彩な過去を持つ国だからこそ、独自の文化を開花ことができたのではないでしょうか?今回は、そんなポーランドの14の世界遺産を全部ご紹介したいと思います。

文化遺産

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#1 クラクフ歴史地区(文化遺産:登録1978年)

クラクフ歴史地区(文化遺産:登録1978年)

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11世紀から16世紀にワルシャワに首都が移されるまでは、このクラクフが、ポーランドの首都でした。
1386~1572年までのヤギェウォ王朝時代に、最も栄えています。
クラクフは第二次世界大戦の時に、ナチスドイツの司令部が置かれたので、奇跡的に戦火を免れました。
中世の佇まいを今も残しており、ヨーロッパで最も美しい都市のひとつとされています。

中央市場広場を中心に町が造られており、この広場は中世の広場の中ではヨーロッパ最大のもの。
広場を見守るように建つ聖マリア教会や歴代ポーランド王が暮らした旧王宮のヴァヴェル城、ルネッサンス様式の織物会館も見る価値があります。
世界遺産第一号の12件のひとつのクラクフは、ポーランドの中世を感じながらそぞろ歩きするのに最適な都市です。

#2 ヴィエリチカとボフニアの王立岩塩坑群(文化遺産:登録1978年,2013年に拡大)

ヴィエリチカとボフニアの王立岩塩坑群(文化遺産:登録1978年,2013年に拡大)

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クラクフの南東約15kmにあり、町にある1044年に創業した世界最古の岩塩採掘抗です。
約3.5kmの坑道が残っており、神話上やソ連に統治されていた歴史を語る彫像も岩塩で作られています。

また、地下には深さ327m、長さ300m以上の岩塩採鉱場があり、岩塩で作られた聖キンガ礼拝堂や最後の晩餐レリーフを見ることができます。
ガイドツアーでは、この採鉱場のことを詳しく教えてくれます。
また、礼拝堂にある豪華なシャンデリアも見る価値ありです。

#3 アウシュヴィッツ・ビルケナウ – ドイツ・ナチの強制・絶滅収容所(1940-1945年)(文化遺産:登録1979年)

アウシュヴィッツ・ビルケナウ - ドイツ・ナチの強制・絶滅収容所(1940-1945年)(文化遺産:登録1979年)

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『アンネの日記』や映画『シンドラーのリスト』でも知られる、ナチスドイツの強制収容所です。
第2次世界大戦中の1940年にナチスにより建設が始まり、ドイツの占領下だった1945年までの間に、28の民族150万人以上が殺されました。

ここに着いて即座にガス室に送られ殺された者や過酷な労働の末に殺された者など、かつての悲劇を現在に伝える負の遺産ともいえるのではないでしょうか。
見るに耐えない展示もありますが、ユダヤ人やロマ人、ポーランド人などが虐殺されたという、現実に起こった歴史の一部として学ぶべきことも多い遺産です。

#4 ワルシャワ歴史地区(文化遺産:登録1980年)

ワルシャワ歴史地区(文化遺産:登録1980年)

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ワルシャワは、クラクフから遷都され1611年に首都となり、ゴシック様式や新古典主義様式などの歴史的建造物も見られる、美しい街が形成され「北のパリ」と呼ばれました。
しかし、第二次世界大戦中に残念ながらほとんどの建物が跡形もなく破壊されました。

世界遺産のワルシャワ歴史地区は、13世紀に建設された最も古い街で、ここも85%が瓦礫となっています。
戦後市民の手によって、完全な形で再建されました。
しかも、ワルシャワの人々は、この街が全壊することを感じており、詳細なスケッチを残していたのです。
これを元に、ひび一本に至るまで復元されており、現在は中世の趣を取り戻しています。

#5 ザモシチ旧市街(文化遺産:登録1992年)

ザモシチ旧市街(文化遺産:登録1992年)

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ポーランドにはイタリア風ルネッサンス様式を取り入れた、可憐な都市が形成されています。
これが、ザモシチ旧市街です。
イタリアに留学経験を持つ貴族のヤン・ザモイスキが、パドヴァの街に憧れ、祖国ポーランドにクラクフをも圧倒する都市をとの強い意思のもとに、1582年から9年間かけて東欧初のイタリア・ルネッサンスの都市すべく建設しました。

設計は、イタリアのパドヴァ出身のベルナンド・モランドが担当しました。
この貴族がこだわった桃源郷は、「ルネサンスの真珠」と称され、また、旧市街地全体を城壁が囲んでおり、死角のない計画要塞都市と言われています。
防壁の要所に設けられた巨大な星型堡塁は圧巻で、日本の函館市にある五稜郭に似ています。

#6 中世都市トルン(文化遺産:登録1997年)

中世都市トルン(文化遺産:登録1997年)

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1998年までは旧トルン県の県都だった街です。
13世紀にポーランドを脅かしたドイツの騎士団の拠点となった町のひとつとしての歴史を持っています。
バルト海沿岸地方産の琥珀を運ぶための中継点となっており、14~15世紀には商業都市として栄えました。

ドイツ騎士団の城は、力を付けた市民によって破壊されました。
現在は廃墟のまま残されています。
皆さんご存知の天文学者コペルニクスは、このトルンの出身です。
旧市街地は中世から変わらない景観を残しており、かつてのゴシックやルネサンス様式の商人たちの家々が立ち並び、“ヨーロッパ一美しい”と称賛されています。

ピーターラビット

Writer:

世界遺産ブームをきっかけに歴史に目覚めてから、国や城、庭園などの成り立ちに魅了された主婦です。何だろう?と思ったことを調べて、皆さんにお伝えすることで気持ちを共有できたら幸せだな~と感じながら仕事をしています。ちょっとマニアックな歴史記事ですが、軽い気持ちで触れてみてくださいね!

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