日本はがっかりされた国だった!?初めて日本に来たヨーロッパ、ポルトガルと日本の歴史に迫る

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日は「ポルトガルと日本の歴史に迫る」をご紹介します。


ポルトガルってこんな国

ポルトガルってこんな国

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ユーラシア大陸の最西端に位置するポルトガル。
首都のリズボンと第二の都市ポルトを中心に、小さな町が点在しています。
壮大な自然に、奥深い歴史や文化が息づくポルトガルは、北東はスペインに接し、南西は大西洋に面する、小さな国ですが地域によって気候や風土もさまざまです。
7つの丘の街にはトラムやケーブルカーが走り首都なのに何気ない庶民の暮らしぶりが垣間見られます。
港町独特の雰囲気溢れるポルトガル発祥の地として知られるポルト。
夏になるとカラフルな傘で覆い尽くされるアグエダや大西洋の真珠と称される楽園天国のマディラ諸島など魅力をいっぱい秘めた、ヨーロッパの穴場的観光地なんですよ。

日本に初めて訪れたヨーロッパの国がポルトガルです。
何気なく日常に使われている言葉の中にはたくさんポルトガル語が混じっていることをご存知でしょうか?よくいわれる言葉は、カステラに金平糖。
何となく学校で習ったような気がします。
他にもボタン、かるた、たばこ、カッパ、コップなど、これらの言葉を知らない人はいないでしょう。
このほかにはパンって言葉もポルトガル語なんです。
日本の食文化のてんぷらも日本語ではなくポルトガル語。
ポルトガルでは肉や魚に下味をつけるという意味ですが…。
こうやって見ると日本とポルトガルって、かなり身近に感じませんか?今回は、初めて日本に来たヨーロッパ、ポルトガルと日本の歴史に迫ってみたいと思います。

ポルトガルにがっかりされた国だった日本

ポルトガルにがっかりされた国だった日本

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ポルトガルが7つの海を制したといわれる15世紀の大航海時代は、航海王子として知られるエンリケがアフリカを探検航海したことがはじまりで、この時に喜望峰に到達しています。
この後は、インド航路を開拓したヴァスコ・ダ・ガマへと続き、ブラジルから東南アジアや中国のマカオにまで勢力を伸ばしていました。
この頃、ポルトガルは香料貿易を独占してとてつもない繁栄を納めていました。
実はポルトガル人に、東アジアへの航海心を搔き立てたのは、「黄金の国ジパング」という伝説からだったともいわれています。

マルコ・ポーロが東方見聞録でヨーロッパに日本のことを、「黄金の国ジパング」と紹介したことが要因ですが、そんな国なんてどこにもないことは日本に住んでいる私たちが一番分かっていることですね。
でも、まんざら噓でもないんですよ。
奥州で金の採掘が行われており、中尊寺金色堂についての紹介だったという説があるんです。
ちょっと納得ですね。
でも、極東の情報で黄金の国は実際には存在しないと聞き、ポルトガル人は日本への関心は全くなくなってしまいました。
実は、日本はがっかりされた国だったんです。

偶然起こった事故から出会ったポルトガルと日本

偶然起こった事故から出会ったポルトガルと日本

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ポルトガル人が日本に来たのも大航海時代でした。
1543年に明国の船が突然の事故で、鹿児島の大隅半島沖に浮かぶ種子島に漂流したんです。
種子島といえば宇宙センターがあることでも知られていますね!その種子島に辿り着きました。
その事故を起こした船には3人のポルトガル商人がたまたま乗り合わせていたのです。
これが、ポルトガルと日本の出会いでした。

この時ポルトガル人が持っていた鉄砲に興味を示したのが種子島島主の種子島時尭(たねがしま ときたか)でした。
彼は大金を払いその鉄砲を2丁買いました。
これが、有名な日本への鉄砲伝来!驚くことに鉄砲2丁の値段は、2000両だったようです。
これがヨーロッパと日本の初めての交易でした。

フランシスコ・ザビエルの来日

フランシスコ・ザビエルの来日

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1549年にはカトリック布教のためにイエズス会の修道士ザビエルが来日しました。
彼は実はポルトガルのスパイという説があります。
いってみればイエズス会そのものがスパイという説があるんですが。
日本で洗礼を受けてベルナルドという名前を授かった青年と2年後には彼は日本を去っています。
ベルナルドは単身でリスボンに到達し始めてヨーロッパに渡った日本人として名を残しています。

ポルトガルと交易がはじまったのは、まだザビエルが日本にいた頃でした。
ポルトガルの商船が平戸に入港し、ザビエルは織田信長らの庇護のもと南蛮貿易がはじまりました。
彼らは、日本にはまだなかったものをいっぱい持ち込みました。
カステラや金平糖が有名ですね。
これらをはじめ、欧州や東南アジア産の品や文化がどんどん日本に流入しました。
日本からは銀などがポルトガルへ流出しています。

南蛮貿易により、一変する日本の情勢

南蛮貿易により、一変する日本の情勢

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安土桃山時代には織田信長が南蛮文化を好み、貿易と布教は守護によって順調に行われました。
キリスト教徒は九州を中心に数十万人にも及び、アベ・マリアが流行歌となったのです。
武将が陣羽織をビロードで作ったりしてたんですよ。
柔らかいビロードで作られた陣羽織って志気が下がりそうですね…。
1582年にはキリシタン大名の有馬晴信らにより4人の少年が、初の欧州親善使節としてローマ法王への使者に選ばれました。
リスボンに上陸し、シントラ、エヴォラ、スペインなどを経てローマへと向かっています。

豊臣秀吉が吉野の花見を行っていたことは有名ですね。
秀吉も南蛮文化には好意的で、花見の席で、南蛮衣装の仮装を採用したんですよ。
好意的だったのはここまで。
判断を間違えなかった秀吉と家康だったんです。
イエズス会がキリシタン大名たちの政策に介入してくるようになったことなどから、秀吉の態度は急変します。
キリスト教の布教活動に危険を感じ、禁止したのです。
キリシタン弾圧って悪いイメージを持っていませんか?私は、持っていました。
でも日本を守るためには必要だったんです。
もし、お人好しにそのまま続けていたら日本は多分植民地として外国に飲み込まれていたでしょう。
一説によると、秀吉と家康はイギリスから「危険だよ!」って警告を受けていたという話もあるようです。

秀吉によるキリスト教禁止令

秀吉によるキリスト教禁止令

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1587年にとうとう秀吉によってバテレン追放令を発令。
これは、修道士が日本征服論を漏らしたことから太閤秀吉がキリスト教禁止令を発布し、宣教師を国外追放。
ポルトガルと日本の外交関係は緊張状態になりました。
やっと戦国時代が終わり国の安堵を大切にした江戸幕府は、宗教と貿易の癒着のないオランダと通商関係を強化します。
1611年にはオランダ国王がポルトガルには密謀があると家康に密告したのです。

1614年にはキリスト教禁止令を発令し、3代将軍家光は鎖国政策を取ることによりポルトガルを出島に押し込めました。
ここまでになるには1620年のスペインやポルトガルが東アジア海上の覇権を奪取しようとした平山常陳事件が大きな要因です。
オランダと明国以外の外国船の来航を禁じ1639年に鎖国は完成しました。
やっぱり鎖国は正しかったと思いませんか?

開国からの日本とポルトガル

開国からの日本とポルトガル

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ペリーの黒船来航により1854年に日米和親条約、1858年に安政五ヶ国条約が結ばれ開国となりました。
1860年には再びポルトガルと修好通商条約が締結されました。
215年ぶりに貿易も再開されました。
1863年には、1万円札の福沢諭吉たちが遣欧使節としてポルトガルに行きましたが、既にポルトガルは衰退しており交流は進みませんでした。

第二次世界大戦後中に中立国だったポルトガルのリスボンで日本は欧州情勢を確保したりしましたが、これ以降も日本との関係が発展することがなかったのです。
2013年におこなわれた「日葡友好470周年」を機に進展することを期待したいですね。

次のページでは『大航海時代に大いに繁栄したユーラシア半島の最果ての地!ポルトガルを旅してみませんか?』を掲載!
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Writer:

世界遺産ブームをきっかけに歴史に目覚めてから、国や城、庭園などの成り立ちに魅了された主婦です。何だろう?と思ったことを調べて、皆さんにお伝えすることで気持ちを共有できたら幸せだな~と感じながら仕事をしています。ちょっとマニアックな歴史記事ですが、軽い気持ちで触れてみてくださいね!

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