都市景観と自然に包まれたスウェーデン、実は憎まれっ子だった歴史を追う

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日は「スウェーデンの歴史」をご紹介します。

北欧独特の文化が息づくスウェーデンってこんな国

北欧独特の文化が息づくスウェーデンってこんな国

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スウェーデンといえば木の温もりを感じる雑貨を連想する、ナチュラルで美しい国というイメージがありますね。
総面積は45万平方キロで、スカンジナビア半島最大の国です。
その国土の約半分が森林に覆われ、トレッキングやフィッシングを楽しむ人々が多く集まっています。
夏は洗練された美しい町を散策し、冬は世界的にオーロラで有名なキルナへのオーロラ観賞ツアーに参加するのもおすすめです。

14の島から成るストックホルムは「北欧のヴェネツィア」とも呼ばれる水の都で、新旧の町並みの調和が素晴らしい都市です。
また、ガラスの王国と呼ばれるスモールランド地方には今でもガラス工房が多く残っているので工房巡りもスウェーデンらしさを感じられていいかも。
コスタ・ボダや陶磁器メーカーのグスタフスベリなどの老舗から若手デザイナー、学生がデザインするアイテムを揃えたショップも軒を連ねています。
ストックホルムから出港する北欧随一の豪華客船タリンク・シリヤラインに乗って、バルト海で船旅を楽しむのも素敵ですね。
今回は、ナチュラルで美しい国スウェーデンの歴史に少しだけ触れてみたいと思います。

ジブリアニメ!魔女の宅急便のモデルとなった国スウェーデンの始まり

ジブリアニメ!魔女の宅急便のモデルとなった国スウェーデンの始まり

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「世界一美しい首都」と呼ばれるストックホルムは、魔女の宅急便のモデルとなったカラフルで可愛らしい町です。
そんな、素晴らしいスウェーデンは紀元前1万年~紀元前8000年ごろから人類が定住したとみられています。
南部にはドルメン(巨石墓の一種)が数多く発見されており、紀元前3000年頃には農耕文化が始まり青銅器が使われていたようです。
西海岸地帯のゴッドランドのヴィスビーでは絵画石碑が集中して発見されました。
400基以上のほとんどが石灰岩を石版の形状に加工したものを用いて描かれており、何らかの記念に建立していたと考えられています。

ローマ時代には大陸との交易が盛んに行われていたようで、特にイングランドやヨーロッパ大陸とは密接に繋がっていたようです。
彼らは主に琥珀や毛皮を輸出し富を得ています。
多くの部族国家ができた中でウプランド地方のスベェア族が群を抜け、現在のラトビア近辺で植民地活動をし交易路の基礎を築いています。

ヴァイキング時代が到来したスウェーデン

ヴァイキング時代が到来したスウェーデン

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9世紀ごろからは北欧人の海外進出が目立つようになってきました。
封建制度の促進と商業路の拡大などヨーロッパ市場多大きな影響を及ぼしたヴァイキングが生まれたのです。
主にイングランドとフランスに向けての西ルートとロシアやビザンティン帝国、アラブへと続く東ルートが確立されました。
木材、毛皮、スラブ人奴隷を輸出し、アラブやビザンツの銀貨が、主な収入となっていたようです。

彼らの一部は、11世紀までにノヴゴロド公国やキエフ大公国などルーシ諸国の建国者となっています。
それ以降のヴァイキングはスラブ人の勃興やヨーロッパの貿易情勢により衰退していきました。
ヴァイキングが各地で探検、植民を繰り返していた時、スカンジナビア半島の東部では9世紀ごろからスヴェア人の王国が建国されています。

ヴァイキング衰退後のスウェーデン

ヴァイキング衰退後のスウェーデン

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11世紀初期にはキリスト教が徐々に定着していきます。
しかし北部ではなかなか定着せず、完全にスウェーデンでキリスト教が定着したのは12世紀半ばです。
スヴェアランドを支配した最も古いスウェーデンの異教王は、ユングリング家のエリク6世でした。
有力な王たちの出現により身分制度が固まり、1164年にはガムラ・ウプサラに大司教座が置かれています。
この時の司教座は王が務めていました。

13世紀中ごろにはガムラ・スタンの北に王宮が建てられました。
1697年の火災により全焼し、現在は57年の歳月をかけて1754年に再建され、代々王室の居城となっています。
また、西の中庭で行われる、衛兵の交替式も必見。
王宮のすぐ南にある大聖堂は13世紀後半に建てられたストックホルム最古の由緒ある教会です。
王宮に合わせて何度も改築され、今の大きさになったのは1480年ごろです。

14世紀中ごろからは貴族と国王の争いが絶えず、国王に反抗するデンマークとノルウェーの摂政マーグレーテ1世に支援を求めました。
マーグレーテは内乱に介入し、スウェーデン王アルブレヒトを廃位したのです。
デンマーク、ノルウェーそしてスウェーデンの3国を連合するカルマル同盟成立へと発展しました。
マーグレーテ1世は貴族の力を巧みに抑え、姉の孫にあたるエリックを3国共通の王に即位させることに成功しました。
1397年にはカルマル同盟を成立し、スウェーデンは事実上デンマークが統治する形となりました。







カルマル連合からの独立を探るデンマーク

カルマル連合からの独立を探るデンマーク

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1434年にはデンマーク人による圧政に対する平民指導者のエンゲルブレヒトが鉱夫、農民と共に蜂起したことで、反抗心がスウェーデン全土に広まりました。
1438~1470年までは摂政や国王が断続的に選出され、一国という姿勢を守り続けています。
1435年にはエンゲルブレヒトは、スウェーデン南部のアルボガに貴族や聖職者、市民、農民の代表を集め全国集会を開いたのです。
この全国集会は、後の議会の原型となっており、19世紀まで存続しました。

1451年には中央集権主義に貴族の強い反発が起こり、デンマークとの戦争状態へと突入します。
幾度も抵抗運動を続けるも、デンマークの支配から逃れることはかないません。
1520年には、クリスチャン2世による「ストックホルムの血浴」と呼ばれる、カルマル同盟反対派がストックホルム城の前の大広場で大量処刑された事件です。
これがさらにスウェーデン人の独立心に火をつけました。
しかし、デンマーク王は反対派を武力で制圧し、スウェーデン王に即位11月7日に戴冠式が行われるという屈辱的な結果を招きました。

祖国解放を果たし自由な時代へ

祖国解放を果たし自由な時代へ

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貴族であったグスタフ・ヴァーサの指揮のもとデンマーク闘争が農民の支援を得て再度蜂起。
ハンザ同盟の援助もあり1523年に独立を勝ち取りました。
ヴァーサ朝が開かれ、グスタフは初の王位に就きます。
ここから清教のルター派を採用し、軍隊、経済、国王の世襲制など国力回復へと尽力し、国の基礎を築きました。
独立しても農民の反乱は治まらず、徹底的に弾圧を加えたようです。
1540年までは不安定な情勢が続いています。

財政の安定とともに国も潤うようになり、中央集権化が定着しました。
その後も、国内のインフラ整備を進めると共にバルト海へと進出し、ロシアやデンマークと度々戦うようになります。
1630年には三十年戦争に介入し、「北方の獅子」と呼ばれ恐れられたグスタフ2世は戦死してしまいますが、新教徒の英雄にされると同時にバルト海沿岸支配を確固たるものとしました。

17世紀にはバルト海近隣諸国からの圧力が強まりました。
1700年にはロシア、デンマーク、ポーランドなどとの間に北方戦争が勃発。
初めは優勢だったものの、ロシア遠征に失敗したためバルト海の東と南岸の領土を大幅に失い、バルト海の支配も終焉します。
この戦争の後は王権が縮小され、議会の権限が拡大して以降半世紀に渡り「自由の時代」が訪れました。

生まれ変わったスウェーデンと現在

生まれ変わったスウェーデンと現在

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1805年ナポレオン戦争に参戦するも敗戦。
領土を失いフィンランドをロシアに占領されました。
王は追放され、新生スウェーデンが誕生します。
1814年にノルウェーを同君連合として併合し国力は回復しました。

1905年にはノルウェーが分離独立し、1908年には男子普通選挙法が、1918年には婦人参政権も導入されました。
第一次世界大戦では中立を宣言しています。
戦時中は輸出入が激減し国民は耐乏生活を送りますが国土は守られました。
1920年にはグスタフ5世が社会民主党に政権を任せ、1932年の下院選挙で社会民主党は大躍進を遂げ政権を握ります。

第二次世界大戦でも、隣国への公式援助を受け入れませんでした。
1950年代には福祉国家に成長しています。
しかし、国民からは高い税率の負担と経済不況から批判を浴び、1976年に保守連合政権が誕生しました。
現在は社会民主党が実権を握り、1995年にはEUにも加盟しています。

次のページでは『カラフルで可愛らしいおとぎ話の世界が広がるスウェーデンに訪れてみませんか?』を掲載!
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