1400年もスイスの歴史を見守ってきた「ザンクト・ガレン修道院」

スイスに、613年に出来てからずっと歴史を見守ってきた建築物があります。「ザンクト・ガレン修道院」は、修道院となったのは比較的最近ですが、改築を繰り返してずっとスイスの地を見守ってきました。絶景とその歴史をお届けします。


ザンクト・ガレンとは

ザンクト・ガレンとは
スイス北東部の都市ザンクト・ガレンは、スイス最大の都市チューリッヒから列車で東へ1時間ほどのアクセスです。
中世にはヨーロッパの文化・教育の中心地となり、15世紀以降は絹織物や刺繍産業で栄えました。

旧市街の家々には装飾の多い張り出しバルコニー(ベイ・バルコニー)が多く見られます。
織物産業で裕福になったザンクト・ガレンの商人たちは、自分の豊かさを示すためにこぞってこうしたバルコニーを造りました。
これを造ることができたのは、最も裕福なクラスの商人だけだったそうです。
色々なデザインの彫刻は、商人たちのプライドの現れでもあったのですね。

修道院は中世に栄えた際の歴史と文化をとどめる建築物です。

Convent of St Gallの住所・アクセスや営業時間など

名称 Convent of St Gall
住所 Convent of Saint Gall, 9011 St. Gallen
営業時間・開場時間 月・火・木・金9:00~18:00 、水10:00~18:00、土9:00~16:00、日12:15~17:30
利用料金や入場料 無料
参考サイト http://www.bistum-stgallen.ch
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

Convent of St Gallのスポットページ

ザンクト・ガレン修道院の歴史

ザンクト・ガレン修道院の歴史
612年にアイルランドの修道士聖ガルスが庵を建てて滞在したのが、修道院の始まりだとされています。
720年には修道院が建設され、ガルスの名を取って「ザンクト(聖)・ガレン(ガレス)修道院」となりました。

ザンクト・ガレン修道院では聖書や古典の写本が行われたため、多くの貴重な書物がヨーロッパ中から集まりました。
当時付近を支配したフランク王国がここに学校を作って教育に力を入れたためザンクト・ガレンは文化と教育の街となり、修道院はその中心となったのです。

18世紀に大聖堂と附属図書館が建てられると修道院はその膨大な蔵書と豪華な建物で有名になりました。
蔵書の略奪にも遭いますが、現在に至っています。

ザンクト・ガレンのランドマーク・大聖堂

ザンクト・ガレンのランドマーク・大聖堂
ザンクト・ガレンでひときわ目立つ2つの尖塔を持つ大聖堂は、1768年に完成しました。
曲線や楕円を用いた豪華な飾りが特徴のバロック様式の建物は、スイスに残るバロック様式のものでは重要視されているそうです。

大聖堂の内部は白い壁や柱は薄い緑色や黄金の繊細な彫刻で飾られています。
これに加えて大きな窓からは光がたくさん差し込み、明るいながらも格調高い雰囲気です。
高い天井には天使や聖ガルスの絵などが隙間なく描かれ、どこを見ても神聖な空気に包まれています。
こうした華麗な空間演出はカトリックならではなのです。

また、こうした豪奢な大聖堂を建てることができたザンクト・ガレンの豊かさも感じられます。

知の殿堂・修道院附属図書館

知の殿堂・修道院附属図書館
1767年に修道院に併設された図書館は、中世の文献を多く所蔵しており、その規模としては世界最大級と言われています。
1000年以上前の写本は500冊を数え、蔵書は全体で16万冊もあります。
分野は神学だけにとどまらず、医学・天文学・科学などに及び、学問の総本山として尊敬されているのです。

内部は建造当時のままになっており、エアコンや照明はありません。
床を傷つけないように、入るときは靴の上から大きなスリッパをはくことになっています。

特に貴重な書物はガラスケースの中に保存されています。
ページをめくることで劣化する書物を守るため、デジタル化にも取り組んでいる、時代の先を行く図書館でもあるのです。

クマと聖ガルスの伝説

クマと聖ガルスの伝説
ザンクト・ガレン修道院の祖である聖ガルスは、この場所に僧院を建てようとした時に、住民が恐れるクマがいることを知りました。
ある日、聖ガルスがたきぎを集めていたところ、そのクマに出会います。
そこで彼はクマにたきぎ集めを手伝ってくれるよう頼み、ご褒美としてパンをあげました。
そして、クマはもう住民を怖がらせないと誓って去って行ったということです。

クマと聖ガルスの話は広く伝わっていて、修道院附属図書館にある9世紀頃のレリーフの題材となっています。
クマが飢えた聖ガルスに食料を運ぶ話もあるそうです。

また、ザンクト・ガレン市の紋章にもクマがデザインされているんです。
心がほっこりする伝説ですね。

katsuya

Writer:

かつて仕事の都合で東京←→京都を年100回往復していました。京都の西七条に家を借り、なんと結婚相手も京都で見つけました。「地元民ではないけど、だからこそわかる京都」の魅力をお伝えします。

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