【イギリスの世界遺産一覧】王室伝統のスポットから手つかずの自然まで。イギリスに残る世界遺産紹介!

1972年に採択された「世界遺産条約」に基づいて登録される「ユネスコ世界遺産」。現在世界167ヶ国で1073件が登録されている「世界遺産」は文化・自然・複合の3種類が存在しており、それらすべてが長い歴史で育まれてきた文化を現代に伝える重要な役割を果たす貴重な遺産となっています。今回はそんな世界遺産から「イギリス」に残る世界遺産を見ていきましょう。

王室や産業革命と強く結びつく「文化遺産」

要塞機能を持った「エドワード1世の城郭と市壁」

要塞機能を持った「エドワード1世の城郭と市壁」

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イギリス・ウェールズの「グウィネズ地方」アンクルシー島、カナーヴォン、コンウィ、ハーレフにある4つの城から構成される世界遺産。
いずれもエドワード1世によって建てられたもので、4つの城全てに軍事要塞の機能があります。

「カナーヴォン城」は建設期間48年をかけて建設された城で「アイアンリング(鉄の鎖)」と呼ばれる城で最大・最強を誇った城。
エドワード1世の指示により居城としての快適さも考慮され、641個の要塞があることから「城の土地」の別名も。
強力な雰囲気の名前が付いた城の中でも最強と言われるわけですから、王にとっては心強い場所ですね。

ビューマリス城は1295年にエドワード1世がウェールズ遠征拠点として建てた城で、「アイアンリング(鉄の鎖)」で最後に建てられた城。
後世ヨーロッパの城で真似されることになる「二重環状城壁」構造を採用しており、外側は六角形、内側は正方形の二重城壁で囲まれたところが特徴。
城自体は建設資金の不足などにより1320年で建設中止になっていますが、未完であるところにも「ロマン」がありますね。

王朝の力を示す「ダラム城と大聖堂」

王朝の力を示す「ダラム城と大聖堂」

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イギリス北東部・ダラムにある「ダラム城」は11世紀にウィリアム1世によって建てられた城。
1066年に勃発した「ヘイスティングズの戦い」に勝利したウィリアム1世が開いた「ノルマン朝」の力を示すために建てられたと言われています。
城は「モット・アンド・ベーリー型」と呼ばれる10世紀から12世紀にヨーロッパで用いられた建築様式を採用しており、当時のイギリス最大であった大広間は高さ14m、長さ30mになるサイズ。
1840年からはダラム大学の学生寮となり、大広間は映画「ハリー・ポッター」シリーズの撮影地に使用されたことも。

ダラム大聖堂は1093年に建設されたノルマン様式の聖堂で「ゴシック建築の先駆け」とされるヨーロッパ屈指の建築物。
塔部分は325段もの階段を登った先にダラム市街の絶景が見え、現在はキリスト教信仰の中心地・観光スポットとして多くの人が訪れる名所に。

世界初の鋼鉄橋を持つ「アイアンブリッジ峡谷」

世界初の鋼鉄橋を持つ「アイアンブリッジ峡谷」

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ロンドン北西約200kmのセヴァーン川周辺にある峡谷で、川にかけられた全長60m・幅70m半円形の橋は「アイアンブリッジ」と呼ばれ、1779年に造られた世界初の鋼鉄橋。

中心地となる「コールブルックデイル」は18世紀後半から近代的な製鉄が行われた製造業の街。
石炭などの原料が豊富に採れること、セヴァーン川が広いため運搬が楽にできる土地柄を生かして発展していき、工場では大量の鉄生産が可能に。
こうした地理条件を的確に読み取ることは、産業の発展に不可欠なことですね。

当時使用された工場はアイアンブリッジ博物館として生まれ変わり、当時の発展の歴史を今に伝える役割を果たしています。

謎に包まれた巨石群「ストーンヘンジ」

謎に包まれた巨石群「ストーンヘンジ」

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イギリス南部ソールスベリー平原にある世界遺産。
ストーンヘンジとは「吊り下がった石」の意味。
世界で最も有名な先史時代の遺跡であり、建設時期は紀元前2500年から紀元前2000年の間とされています。

遺跡群は高さ約7mの組石「トリリトン」5組を中心に30個の立石「メンヒル」が配置される構造で、遺跡とその周辺は約30km離れた「エーヴベリーの遺跡群」とあわせて「ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群」として世界遺産に登録。
遺跡建築の目的については天文台などさまざまな説が存在しますがはっきりしたことは判明せず、造られた過程にも「250km離れたウェールズから運んできた」説が存在するなど「謎多き場所」でもあります。
観光時には興味をそそられる要素ですね。

歴史的修道院を含む「スタッドリー王立公園 」

歴史的修道院を含む「スタッドリー王立公園 」

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「スタッドリー王立公園」はイギリス・ノースヨークシャー州にある公園で、「ファウンテンズ修道院」の廃墟を含めて1986年に世界遺産登録。
1132年にベネディクト会修道士たちによって創設された「ファウンテンズ修道院」は、ヘンリー8世の「修道院解散令(1539年)」によって建造物群と一部土地がロンドンの取引所創立者の父リチャード・グレシャムに売られることに。

その後グレシャム家から財産を売却されたステフェン・プロクターが、1598年頃から1604年頃にかけて修道院の建築素材を一部再利用した「ファウンテンズ・ホール」と呼ばれる大邸宅を建設。
公園の中にこうした遺跡群が残される光景は歴史を感じますね。

温泉の英語名の由来説も「バース市街」

温泉の英語名の由来説も「バース市街」

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バースはロンドンの西140kmの場所にある保養地で、1世紀頃にローマ帝国の支配下・保養地として繁栄。
温泉をを意味する「Bath」の語源はここから来ているとも言われています。

バースはローマが撤退すると一時衰退しますが、18世紀にイギリス女王・アン女王がこの地を訪れるようになると温泉保養地として復活。
それ以降のバースは上流階級・富裕層の社交場として再び栄えるようになり、19世紀に再び衰えるまでにジョージ王朝時代の特徴を濃く残す建築物も誕生することに。

現在のバースにある「ローマ浴場跡博物館」は約2000年の大浴場を再現したスポットで、現在も温泉が湧き出る有名スポット。
人々が風呂を楽しむ様子が浮かびそうですね。

現代の国境にも影響「ローマ帝国の国境線」

現代の国境にも影響「ローマ帝国の国境線」

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「ローマ帝国の国境線」は「ハドリアヌスの長城」という名で1987年に登録された世界遺産で、2005年にドイツ・リーメスを追加登録。
2008年にスコットランド・アントニヌスの長城も含まれることに。

第14代ローマ皇帝ハドリアヌスの命でイングランド・スコットランド国境線近くに造られた「ハドリアヌスの長城」はケルト人の侵入に悩まされていた皇帝が10年をかけて建設。
現在でも両国の境界線に大きな影響を与え続けています。

アントニヌスの長城は「ハドリアヌスの長城」の代わりとして142年から144年の2年間で建設された全長60kmの長城。
「ハドリアヌス」に比べると規模は劣るものとされますが、「ハドリアヌス」が10年かかったことを考えると、相当急ピッチでの建設ですね。

イギリス世界遺産で最も有名「ウェストミンスター宮殿」

イギリス世界遺産で最も有名「ウェストミンスター宮殿」

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イギリスの世界遺産で最も有名とされる「ウエストミンスター宮殿」は世界で最も有名な国会議事堂。
11世紀半ば・エドワード王時代に建築され16世紀までは代々国王の宮殿として使用。
1529年にヘンリー8世が宮殿の能を「ホワイト・ホール」に移して以降は裁判所・国会議事堂として使用。
現在のゴシック様式の建物は19世紀に再建されたもので、全長約265m、1100部屋を超える大規模なものに。

隣接する「ウエストミンスター寺院」は11世紀に修道院として建設された「ゴシック建築」の寺院。
国王の戴冠式などの舞台になっており、国を代表する有名人が多数埋葬。
寺院と同じ敷地にある「聖マーガレット教会」は12世紀にベネディクト会派聖職者によって建設された教会で、1509年につけられたフランドル製ステンドグラスが有名。
イギリスの伝統感あふれる世界遺産ですね。

Junya Higashi

Writer:

これまで旅行に行った土地は鹿児島・霧島や韓国・ソウルなど。世界の土地や風習のことなど、自分の知らない世界を調べて見るのが好きです。旅行経験やライター活動で得た知識が、これから旅行を楽しむ人の役に立てば大変嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします!

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